第682回

住宅ローンが更に低金利に!?最新情報をチェック

数年以内にマイホームを購入したいと思い、金利についても気にかけています。7月に入り、住宅ローン金利がさらに下がったと新聞で見ました。最近の住宅ローン金利の動向や、選び方を教えてください。(Aさん 32歳 会社員)
マイナス金利政策とイギリスの国民投票でのEU離脱派勝利を受けて、住宅ローン金利は過去最低水準になっています。金利に着目しつつ、諸費用などもしっかりと確認した上で、自分に合った住宅ローンを選択しましょう。

住宅ローン金利は過去最低水準に

マイナス金利導入以降、長期固定金利型住宅ローンの指標となる10年物国債の利回り(長期金利)はマイナス金利で推移していました。そこへ6月に行われたイギリスの国民投票でEU離脱派が勝利したことで世界経済が不安定になり、安全資産である債券が買われ、長期金利はもちろん、20年物の国債も一時マイナス金利をつけるほど低下しました。これを受けて、多くの金融機関が7月に適用する中・長期の住宅ローン金利を引き下げました。

イー・ローンの検索・比較機能を使って10年固定金利選択型適用金利の下限を見てみると、三菱UFJ信託銀行は0.45%、住信SBIネット銀行は0.51%、りそな銀行の借り換えローンは0.4%と、過去最低水準となっています。さらに全期間固定型の適用金利は返済期間が20年以内のものは0.85%、21年~35年のものでも0.95%と、ついに1%を切る金融機関も出てきました。一方、変動金利はすでに下げ止まっている状態で、じぶん銀行、住信SBIネット銀行、ソニー銀行の適用金利下限は0.479%となっています。

ただし、住宅ローンの適用金利はローン実行時の金利です。これから住宅を購入するとなると住宅ローンの実行までには時間があります。そのため、金利や経済状況を注視し、今後の見通しを立てておくことが大切です。

住宅ローンを比較するときのポイント

住宅ローンを比較する上で一番気になるのはやはり金利でしょう。しかし住宅ローンの金利体系は複雑です。金利体系には変動金利と固定金利があり、固定金利には全期間固定金利と固定金利選択型があります。変動金利や固定金利選択型には当初の一定期間の金利引下げ幅を大きくするタイプと、全期間にわたって引下げ幅が一定のタイプがあります。表面的な金利だけを見るのではなく、当初期間終了後の金利の引下げ幅も確認しておきましょう。

また、住宅ローンを借りる際には金利の他に、事務手数料や保証料、団体信用生命保険料が必要な商品があります。住宅ローン返済が始まってからも、変動金利から固定金利への金利体系の変更や繰上げ返済などを行う場合に手数料がかかる場合があります。イー・ローンの「ローン比較リスト」を使えば、気になるローンを最大5件まで登録して、金利や手数料、融資条件などの項目ごとに比較検討できるので便利です。

住宅ローン金利が過去最低水準である現状は、住宅購入や住宅ローンの借り換えを検討している方にとってはチャンスといえるでしょう。ですが、金利が低いというだけで住宅ローン商品を選んでしまうのではなく、希望条件を明確にし、しっかりと比較検討することが大切です。また、マイホームはとても大きな買い物です。ライフプランをしっかりと考え、将来の金利上昇も想定しながら、無理のない返済計画を立てましょう。

【参考リンク】

私が書きました

宮野 真弓 の写真

宮野 真弓 (みやの まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。

※執筆日:2016年07月12日