第678回
住宅購入や家賃には自治体の助成制度を活用しよう!
- 節約をしているつもりなのに、毎月の家計が厳しく、貯蓄もありません。うっかり使いすぎた月は家賃を支払うのが厳しい時もあります。友人から自治体に住宅関連の助成制度があると聞きました。使えるものがあるなら活用したいですが、どのようなものがあるでしょう?(Nさん 会社員27歳、既婚)
- 利用できる助成制度のメニューは、住んでいる自治体によって異なります。意外な助成制度がある場合もあるので、住んでいる自治体の公報をチェックしたり、ホームページなどで確認してみましょう。
住宅購入や家賃の助成制度がある自治体も
Nさんは自治体の助成制度に着目されたようですね。実は、それぞれの自治体ごとにさまざまな助成制度が用意されています。Nさんの家族構成などは不明ですので、住宅関連の助成制度を中心に見てみましょう。
住宅関連の助成制度では、住宅購入支援や家賃補助、改修費の助成などがありますが、どうしても多いのは、高齢者がいる世帯や新婚世帯、幼い子供がいる世帯などを対象とした助成です。自治体によっては、定住促進を目的とする家賃助成を行っているところもあります。いくつか事例を見てみましょう。
例1 東京都新宿区「民間賃貸住宅家賃助成」
家賃負担を軽減し、定住化促進が目的。学生や勤労単身者向け(月1万円で最大3年)と、子育てファミリー世帯向け(月3万円で最大5年)があります。
例2 東京都目黒区「ファミリー世帯家賃助成」
目黒区内の民間賃貸住宅に居住する、18歳未満の子を扶養する世帯に対して家賃の一部を助成。居住の継続と子育ての支援を行うことが目的。月2万円、最大3年。
例3 埼玉県「多子世帯向け中古住宅取得・リフォーム支援事業」
少子化対策の一環として、中古住宅の取得やリフォームの諸経費に対し、埼玉県住宅供給公社とあわせて最大70万円を助成。
例4 埼玉県熊谷市「スマートハウス補助金」
地球温暖化対策の一環として、太陽光発電システムや家庭用燃料電池システム(エネファーム)、LED照明、家庭用蓄電システムなどによる「蓄エネ」設備、エネルギー計測装置(HEMS)による「エネルギーの見える化」設備等を有するスマートハウスを、市内に新築または購入した場合、50万円を補助。ただし、25万円を熊谷市商品券、25万円を口座振替で交付。
例5 兵庫県洲本市「転入世帯住宅取得奨励金」
洲本市に転入された世帯で、世帯主の年齢が満50歳未満の2人以上の世帯が、転入日から3年以内に住宅を新築または購入された場合に、3年間奨励金(居住部分にかかる固定資産税相当分)を交付します。
例6 千葉県浦安市「浦安エコホーム補助金」
住宅の省エネルギー化を促進するため、太陽光発電システムや家庭用燃料電池システムなど(未使用品に限る)を設置する、またはこれらの設備が設置された住宅を購入する場合、上限10万円の補助金を交付。
例7 福岡県福岡市「新婚・子育て世帯住まい支援事業」
子育て支援と都心部のコミュニティーの活性化を図るため,「福岡市住宅供給公社管理団地(民間住宅借上)」の13団地については、新規に入居する新婚・子育て世帯を対象として最長5年間、家賃補助を行う。
リフォーム等で助成を受けられることも
自治体によっては、一般的なリフォームや耐震強化のリフォーム、高齢者を対象としたバリアフリー改修に対する助成などもあります。また、太陽光発電設置補助や新エネルギー・省エネルギー機器導入に対する資金助成なども。こちらも少し例を挙げてみます。
例8 東京都中野区「住宅資金等融資あっせん制度」
自己居住用の住宅のリフォーム資金の調達が困難な方に対し、必要な資金の融資が低利でうけられるよう金融機関に融資をあっせんし、利子の一部を補給する制度。木造住宅の耐震改修資金と水災害特別資金があります。融資額は30万円以上200万円以下(工事見積額の80%以内)。返済期間は2~5年、融資利率1%。
例9 東京都江戸川区「住宅リフォーム資金融資あっせん」
住宅のリフォームをする際に、江戸川区が工事に必要な資金融資について取扱金融機関へあっせんする制度。融資利率は固定金利年2.0%。耐震補強工事やアスベスト除去等の工事、住宅用太陽エネルギー利用機器・高効率給湯器・家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの設置工事などは固定金利年1.5%(超える利子部分は区が負担)。返済期間は最長10年。
例10 東京都足立区「省エネ家電製品購入費補助金」
省エネ家電製品の普及促進を図り、低炭素社会構築に向けた環境にやさしいまちづくりに寄与することが目的。対象家電を税抜合計5万円以上(設置費用を含む)、しかも区内店で新品で購入した場合に、設置後に申請をして通れば12,000円の補助が受け取れます。
住んでいる自治体の情報をチェック!
利用できる助成制度のメニューは、住んでいる自治体によって異なります。意外な助成制度がある場合もあるので、時々配布される自治体の公報紙をよく読むとともに、ホームページなどで確認してみましょう。
前述のように、新婚世帯や子供が小さい世帯、高齢者がいる世帯、さらにはひとり親世帯や障がい者がいる世帯、低所得世帯などに対する補助が多くなっています。しかし、対象者も自治体で異なりますので、あなたにとって利用できるものがないかどうか、ホームページなどを確認してみるといいでしょう。ただし、それぞれの助成金では予算や人数が決められていますので、今も利用できるかなどのチェックもしっかり行いましょう。
Nさんが新婚さんだったりお子さんが小さかったりすれば、子育てサポート系も要チェックです。何か利用できる制度が見つかるといいですね。
しかし、どうしても家計が回らないときは、安易にキャッシングをするよりも、少しでも利率の低いカードローンを利用するのも手です。借り入れは翌月以降の家計を硬直させますので、少しでも早く貯蓄できる家計にかえていくようにしたいものです。
※各助成制度は2016年6月13日現在の情報です。最新の情報は各自治体の公報紙やホームページ等で確認してください。
【参考リンク】