第668回
新年度スタートの時期に家計の見直しや管理方法を考えよう!
- 4月から新しい会社で働くことになりました。仕事が変わるこの機会に自分の家計の管理も見直して、しっかり貯蓄をしていきたいと思っています。見直しのやり方や家計管理のうまい方法があれば教えて下さい。(既婚 33歳 女性)
- 4月から新年度が始まり、新しい仕事や生活がスタートする方も多いでしょう。環境が変わるときは自分を変えるチャンスでもあります。家計の見直しのコツは、まず生命保険などの固定費を削減すること、さらには日常的な支出を仕分けしてムダを徹底的に省くことです。最近は家計簿アプリなど家計管理ツールも便利なものが出ています。これらをうまく活用して、確実に貯蓄するクセを身につけてください。
家計のムダを削るときは、まず固定費の削減を検討する!
家計のムダを削るとき、最初に検討すべきことは固定費を削減すること。
固定費の代表的なものは、生命保険料や住宅ローン返済などです。なぜ、固定費の削減に取り組むのがよいかというと、これらの削減には痛みを伴わないからです。 食費やお小遣いを削るには生活習慣を変える必要があります。 生活習慣を変えるには、ダイエットと同じような"努力"が必要です。しかし生命保険料や住宅ローン返済などは、一度じっくり検討して見直すだけでその後もずっと継続して支出を抑えることができ、しかも生活習慣を変える"努力"をする必要もありません。
生命保険について言えば、夫婦2人だけのときは、1日5,000円から1万円程度の入院給付金が支給される終身医療保険に夫婦それぞれが加入する程度でよく、終身死亡保障や定期死亡保障などは必要ありません。子供がいる場合は、子供が自立するまでの教育費と生活費をカバーする大きな定期死亡保険に加入する必要はありますが、その他の保障は必要ないでしょう。 加入するときに十分検討せず、大きな保障をつけてしまっている方は、過度な保障を見直すだけで毎月の保険料を大幅に削減できる可能性があります。
住宅ローン返済をしている方は「借り換え」を検討してはいかがでしょうか。 日本銀行のマイナス金利政策のおかげで、現在の住宅ローン金利は過去最低水準にまで下がっています。 特に固定金利タイプは下落幅が大きく、変動金利タイプの金利よりも低くしている金融機関があるほどです。 また、過去に高い金利でフラット35を借りて返済している方は、金融機関を変更することなく今の低い金利のフラット35に借り換えることもできます。 ただ借り換えには融資事務手数料や登記変更のコストなどがかかるため、コストも加味して判断することが大切です。 魅力的な金利を提示している金融機関に問い合わせ、シミュレーションをしてみてはいかがでしょうか。
その他、削減余地がある固定費は、電気料金や携帯電話の定額の料金プランなどです。 使用状況に合わせて適切なプランに変更するだけで、支出を継続的に削減することができます。 これまで見直しをしたことのない方はぜひ確認してください。今月から自由化がスタートする電気料金は削減のチャンスかもしれません。
家計のムダ削減の次の段階は、家計簿をつけてPDCAサイクルを回す!
家計のムダ削減の第2段階は、その他の支出の見直しと削減です。 そのためには、現状を正しく認識するために、支出をちゃんと記録し、分析をする必要があります。まずは、家計簿をつけるところからスタートしましょう。 家計簿をつけるコツはためこまずに毎日つけること。支出のたびにレシートは必ずもらうようにしましょう。 記録するのは自宅でエクセルなどの表計算ソフトを活用してもいいですが、スマートフォンで手軽に操作できる「家計簿アプリ」を使うと便利で効率的です。 アプリを使えば支出した時にその場で家計簿をつけることができ、中にはレシートを撮影すれば自動的に情報を読み込む機能などついている場合もあります。 また銀行や証券会社、クレジットカード会社、通販会社などとも連携しているアプリは、口座残高や入出金履歴、クレジットカードでの購入履歴と銀行口座からの引き落とし予定額の照会、各種ポイントの管理なども行えます。 さらに、支出を食費や交際費、趣味・娯楽、教育費など項目ごとに分類することもでき、月ごとの推移や動向、前年同月との比較など、さまざまな角度から分析することもできるようになっています。
クレジットカードに対応したおもな家計簿アプリ
・Money Look(マネールック)・かんたん家計簿bookeep(ブックキープ)
・家計簿マネーフォワード
・Moneytree
・家計簿Zaim
・貯まる家計簿
このようなツールを活用しながら、個々の支出について「必要なもの」/「必要でなかったもの」に仕分けし、「必要でなかったもの」は次回から支出しないように心掛けて実践し、時間をかけてこれまでの生活習慣を変えていきましょう。
モチベーションを維持していくためには目標設定も重要です。1年間の貯蓄目標額をやや高めに設定し、そのために毎月の給料からいくら、ボーナスからいくら貯蓄するかを決めましょう。
目標を設定して具体的な実行項目を決める「Plan」、それを実行する「Do」、実行状況を確認して目標とのギャップを把握してその原因を分析する「Check」、実行内容を見直し改善して行動する「Action」。仕事を進めるときと同じように、このPDCAサイクルを家計管理にも適用していけば、より引き締まった筋肉質の家計にすることができるでしょう。
人生におけるさまざまなライフイベントを実現させるためにはお金の準備が欠かせません。夢を実現させる経済基盤作りに向けて、家計の見直し、家計の管理をスタートしましょう。
【参考リンク】