第606回
固定資産(償却資産)の申告期限間近!申告内容を整理しよう!
- 昨年、マイホームを購入しました。街中で「固定資産税の申告を!」というポスターを見かけますが、自分に関係があるのでしょうか。(Mさん32歳、個人事業主)
- 事業用の「償却資産」を保有していれば個人事業主でも申告が必要です。確定申告ですでに減価償却を行って経費計上している償却資産がないか確認してみましょう。
固定資産とは?
1月に入って、固定資産税の申告に関するポスター等を目にした人もいるのではないでしょうか。固定資産税は、1月1日現在の固定資産の所有者に課税される税金で、その固定資産がある市町村が課税する市町村税です(東京23区は都が課税)。
例年だと1月31日が申告期限となっていますが、曜日の関係で今年は2月2日(月)が申告期限になっています。
固定資産というと、Mさんではありませんが、まずは土地や家屋を思い浮かべるのでは? もちろん、土地や家屋も不動産ですが、他に償却資産も固定資産に含まれます。それぞれ具体的な例は次のようになっています。
<土地>
田、畑、宅地、山林、牧場、原野、他
<家屋>
住家、店舗、工場、倉庫、他
<償却資産>
構築物、機械、装置、器具、備品、船舶、航空機などの事業用資産で、法人税または所得税で減価償却の対象となる資産。
*自動車税の課税対象となるものは除く。
償却資産とは、土地・家屋以外の事業用の資産で、その減価償却費が損金または必要経費に算入されるものをいいます。
税額はいくら?
固定資産税の税率は、課税標準額に対して一律1.4%となっています(自治体の判断でこの税率を上げることもできます)。
税額についてはそれぞれ次の計算式で算出します。実際に計算する際には、自治体の担当部署か税理士に相談しましょう。
<土地>
課税標準額(固定資産税評価額*)×1.4%
*固定資産評価基準に基づいて市町村長が価格を決定。3年ごとに評価を見直す。
<家屋>
課税台帳に登録されている価格*×1.4%
*再建築価格を基準として評価する方法(再建築価格方式)が採用されている。経過年数に応じた減価を考慮して価格を求める。3年ごとに評価を見直す。
<償却資産>
償却資産課税台帳に登録されている価格×1.4%
通常は年4回の納期(東京都は6月、9月、12月、翌年2月)に分けて納税します。実際の納期や税額は、6月上旬ごろに納税通知書等が送られてきます。固定資産税の納税は、振込のほか口座振替での支払いもできます。
申告は必要?
Mさんが疑問に思ったのは、マイホームを取得したときにも固定資産税の申告を1月中に行う必要があるのか?という点だと思いますが、不動産に関しては、申告は不要です。不動産を取得した後に、固定資産課税台帳にすでに登録されているからです。
固定資産税の申告が必要なのは、1月1日現在、償却資産を所有している法人や個人事業主です。1月1日現在の償却資産の内容(取得年月、取得価額、耐用年数等)をその償却資産がある場所の自治体で申告する必要があるのです。複数の自治体に償却資産がある場合は、それぞれの自治体で申告します。
Mさんは個人事業主なので、むしろ他に償却資産がないかどうかを確認した方がいいでしょう。確定申告ですでに減価償却を行って経費計上している償却資産や、昨年購入して今年から償却資産として対象となる資産はないでしょうか? もし該当するものがある場合は、固定資産税の申告が必要です。自治体によっては電子申告が可能なところもあります。
前年に償却資産をたくさん買って、6月ごろの納税資金の準備ができなかった場合は、ビジネスローンなどを上手に活用する方法もありますね。