第570回
消費税が上がったから住宅を購入すべきではない!?今から住宅購入を検討するポイントは?
- 消費税が上がる前に、住宅購入を考えていましたが、希望の物件に巡り合えず、増税を迎えてしまいました。主人とも購入のモチベーションが下がってしまい、物件探しも最近はしていません。今から住宅を買うのであればどのようなポイントを検討するべきでしょうか。(30代 女性)
- 支払能力があり、将来的には住宅を購入することが希望であれば、今後の収入の変化を予測した上で、返済シミュレーションを立ててみましょう。消費税は2015年10月には10%へ増税される可能性が高く、立ち止まっているだけでは状況が不利になってしまうことを考慮し、自分にあった住宅購入のタイミングを見極めましょう。
消費税8%の増税時に住宅購入に関する制度はどう変わった?
2014年4月に消費税が8%に増税されました。増税前に住宅を購入された方もいる反面、増税後の方がメリットが大きいと判断して、購入を見送った方もいるのではないでしょうか?消費税増税のタイミングで住宅購入に関する制度が変更されましたので、制度から受ける恩恵と、消費税額を比較して、購入するかどうかを判断した方も多かったようです。
大きく変わったのは住宅ローン減税で、限度額が2,000万円から4,000万円に拡大されました。2,000万円を超える住宅ローンを組む場合は、増税後の方がより多くの控除を受けられる場合があります。また、収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円が支給される「すまい給付金」制度が始まりました。このように、住宅を購入する場合の制度は増税前より手厚くなりましたので、増税後に購入しようと動いている方も多いと考えられます。しかし、消費税は2015年10月に10%へ増税される可能性が高く、立ち止まっているだけでは状況が不利になってしまうかもしれません。
【参考リンク】
増税後は税金も優遇されている。
自分が支払える額を算出して、購入できる物件を探そう
物件探しをする際には、自分がいくらまでの物件なら買えるのかを算出してから臨むと無駄がありません。購入可能な物件は、通常年収の5~6倍までと言われていますが、年齢や家族の状況、貯蓄残高などによって異なります。教育資金や老後資金など、今後予定されている大きな支出も考慮して、毎月いくらならローンを返済できるか検討しましょう。
消費税増税で支出が増えているはずですし、これから10%に増税されることも織り込んで計画を立てると良いでしょう。さらに、購入後は固定資産税やメンテナンス費用が増えることも考慮しましょう。毎月返済できる金額の見通しをつけたら、できるだけ定年退職時までに返済を終えるように借入期間を設定し、借入可能額を算出してみましょう。イー・ローンの「住宅ローン借入可能額シミュレーション」を利用すると簡単に算出できます。
借入可能額がわかったら、準備ができている頭金を加算して、購入可能な物件額を算出します。頭金の額は物件価格の2割以上が目安ですが、貯蓄をすべて頭金に回すと緊急時に対応できませんので、半年分の生活費は確保しておきましょう。また、住宅購入の際は税金や手数料、引っ越し費用、家具代などの諸費用がかかりますので、それらも確保しておく必要があります。
【参考リンク】
住宅ローンについても慎重に検討が必要
住宅ローンは、頭金を多くすれば毎月の返済額を少なくすることができます。希望額の物件に手が届かないのなら、無理なく返済できるよう、頭金が貯まるまで購入を待つことも必要です。また、返済期間によっても住宅ローンの返済額は変わります。下記の表がその一例ですが、住信SBIネット銀行の住宅ローン返済早見表で毎月の返済額がわかりますので、参考にしてみてください。
頭金 | 住宅ローン返済期間 | ||||
---|---|---|---|---|---|
10年 | 15年 | 20年 | 30年 | 35年 | |
5,000,000円 | 230,025円 | 160,875円 | 126,450円 | 92,400円 | 82,800円 |
6,000,000円 | 220,824円 | 154,440円 | 121,392円 | 88,704円 | 79,488円 |
7,000,000円 | 211,623円 | 148,005円 | 116,334円 | 85,008円 | 76,176円 |
8,000,000円 | 202,422円 | 141,570円 | 111,276円 | 81,312円 | 72,864円 |
(住信SBIネット銀行の住宅ローン返済早見表を元に筆者作成)
※金利2%で全期間固定。手数料や保証料等の諸費用は考慮せず、頭金以外をボーナス払い無しで借りる場合の元利均等返済額。
住宅は人生最大の買い物ですから、頭金の額を確保できるか、住宅ローンの返済額に無理はないか、購入時期はどうするか等を慎重に検討しましょう。住宅ローンの金利は景気の変動によって左右されますので、変動か固定か、固定なら固定期間はどうするかを見極めることも必要です。また、保証料や繰り上げ返済の手数料、団信に付帯できる保険なども含めて自分に合ったローンを選ぶことが大切です。満足できる住宅ローンも探しながら物件探しを継続していきましょう。