第562回
金融機関に住宅ローンの相談をしに行く際にはココをチェック!
- 先日、金融機関の広告で住宅ローンの借り換え相談会をやっているというのを見かけました。住宅を購入してから約8年。購入時に比べて金利が低くなっているのはなんとなく知っているのですが、ローンの借り換えまですべきかどうかよくわかりません。金融機関に相談をしてみたいとも思うのですが、どんなことに気を付けて相談をすべきでしょうか。(埼玉県 41歳 主婦)
- 住宅ローンの相談会を土日や夜にも積極的に行っている金融機関がとても増えました。加えて、相談会の予約もインターネットから簡単に行えるなど、利便性も高まっています。相談に行く際には、借り換えの目的を明確にしておくことと、借り換えを検討している住宅ローンの金利の引き下げ条件を確認することが重要です。
借り換えの目的によってポイントが変わる
日銀による量的・質的緩和の継続の発表や金融機関の競争激化などにより、住宅ローン金利は過去最低水準となっています。一方で、消費税引き上げによる家計負担の軽減を考える人も多く、ローンの借り換えへの関心が高まっています。
一般的な借り換えの目安は、借入残高500~1,000万円以上、金利差1%以上、残りの返済期間5~10年以上と言われています。しかし、最近ではローン保証料が無料の商品もあり、必ずしも全ての条件を満たしていなくても効果があるケースもあります。住宅ローンの相談会を土日や夜にも行っている金融機関が増えていますので、相談に行ってみると良いでしょう。
金融機関に借り換えの相談に行く際には、借り換えの目的を明確にしておくことが重要です。主な借り換えの目的としては、
1.総返済額を減らしたい
2.毎月の返済額を減らしたい
3.将来の金利リスク(返済額が増える)に備えたい
という3つがあります。
例えば、総返済額を減らしたい場合には、現在借り入れているのと同じ金利タイプでより金利の低いものを選ぶのが一般的です。総返済額をできるだけ減らしたいのであれば、毎月の返済額は現在と同じにし、借入期間を短くするのが効果的です。一方、借入期間を現在と同じにすれば、総返済額の軽減効果はやや薄れますが、毎月の返済額を減らすことができます。このように、目的をより具体的にしておくと相談がスムーズに進みます。
【参考】
埼玉りそな銀行 りそな借りかえローン
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将来の金利の引き下げ幅も確認を
現在借り入れているローンよりも低金利の住宅ローンは、イー・ローンのサイトで条件を入力することで簡単に探すことができます。また、今借り入れているローンときちんと比較するためには、検索するローンの金利体系にも気を付けましょう。「もっと詳しい条件で探す」で金利体系を選択して検索をすれば、借りたい金利体系で検索ができます。
ただし、基準金利・店頭金利だけを見て安易に決めてしまうのは性急です。多くの金融機関では「店頭金利からさらに金利を引き下げます」というように一定の条件を満たせば金利を引き下げていますが、この金利引き下げには大きく2つのタイプがあります。1つめは、「全期間1.7%引き下げ」というように、借入期間中の引き下げ幅が一定のタイプ。2つめは、「当初10年間は店頭金利から2.2%引き下げ、11年目以降は店頭金利から0.8%引き下げ」というように、当初何年間かの引き下げ幅が大きく、将来の引き下げ幅が小さくなるタイプです。
当初の金利が低く借り換えが効果的に見えても、将来の引き下げ幅が小さいと思ったような効果が得られない場合もあります。どちらのタイプが有利かは、返済期間や引き下げ幅などによって異なりますので、実際に金融機関で試算してもらいましょう。
金利以外のメリットにも注目!
住宅ローンを借り入れる際には、以下のような付帯サービス、もしくは今後の金融機関との取引予定などを加味して総合的に借入先を検討することが重要です。
1.繰り上げ返済
共働きの今のうちにバンバン返済をしたいなど余力のあるときに早期返済をしたいという方は、繰り上げ返済が少額からできること、ネットからできること、繰り上げ返済手数料が無料であること、などもポイントです。
2.付帯保険などのサービス面
団体信用生命保険に3大疾病や8大疾病保障付きを選択できる金融機関が増えています。保険料として金利が上乗せされるのが一般的ですが、上乗せ金利なしで保障を付けられる金融機関もあります。また、保証料の有無も確認しておきましょう。
3.他のローンを借りる予定がある
金融機関によっては、住宅ローンを借りていると他のローンを組む際に金利が低くなるというケースがあります。今後新たな借り入れの予定がある場合には、借り換えの相談時に伝えておくと良いでしょう。
4.その他
異なる金利タイプをミックスできるプランや預金残高に応じて住宅ローンの金利が軽減される預金連動型ローン、ローンの返済額を増減できる返済額指定機能など、商品が多様化しています。ニーズに合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
いずれの場合も、手数料や登記費用などの諸費用がかかります。金利だけでなく諸費用を含めた金額で借り換えの効果を確認するのを忘れずに。
慣れない金融機関に相談しに行くと何から話していいかわかならなくなりがちです。相談の前に借り換えの目的やチェックポイントを整理して、じぶんに合ったローンをスムーズに探しましょう。