第526回
クレジットカード決済機能を持たない個人事業店に朗報!?話題の決済サービス「square」に迫る!
- 個人で飲食店を経営しております。最近やっと軌道に乗り始め、単価も上がり、クレジットカード払いを希望するお客様が増えてきました。そこでクレジットカード決済を調べていたところ「square」というサービスがあることを知りました。どのようなサービスなのでしょうか?また、私のような個人事業主でも利用できるのでしょうか?(Sさん 40代 飲食店経営)
- 2013年5月23日から日本でクレジットカード決済のサービスを開始したのが「square(スクエア)」です。このサービスは導入しやすく、コストも低めであることから、個人事業主でもクレジットカード決済の受付を始めやすくなっています。また、クレジットカードに限らず全体的な売上管理ができるため、戦略的な経営に利用できるツールとして検討してみてはいかがでしょうか。
格安なコストで売上管理ができ、スマートフォンやタブレットがあればすぐにスタート
「square」は日本では2013年5月23日からサービスが開始されましたが、海外では普及が進んでおり、400万を超える中小企業や個人事業主に利用されているようです。日本ではクレジットカードVISAのパイオニアである「三井住友カード」が提携したことで注目されました。
「square」を利用するうえで最大のポイントとなるのが、クレジットカードの決済機能。通常、クレジットカードの決済代行を利用する場合、初期費用や月額費用、利用時費用といくつかのコストが発生するため、導入をあきらめてきた方が多いでしょう。しかし、「square」を利用するにあたって必要なコストは3.25%(※)の手数料のみ。決済機能を利用するための「squareリーダー」は無料のため、スマートフォンやダブレットがあれば、すぐにサービスを利用できます。初期コストがかからず、手間もかからない点が小規模で経営している個人事業主の方にはうれしいところですね。
また、「square」はクレジットカードの決済機能だけでなく、現金売上にも対応しています。売上の決済方法に関わらず売上管理ができるなど機能が充実している点がもうひとつの特徴です。「squareレジアプリ」を導入することで、POS機能が利用できるため、売上の入金管理だけでなく、商品ごとの売上額などマーケティングの材料収集にもひと役かってくれそうです。売上分析ツールもあり、戦略的な経営を行うためのツールとして活用できるのではないでしょうか。
(※)VisaまたはMasterCardでの決済の場合。カード番号を手入力した場合は3.75%。
【参考リンク】
先んじて戦略を立て、スピーディな攻めの経営にひと役
私は、前職は税理士事務所に勤務しておりました。顧客には中小企業や個人事業主が多く、経理面でのサポートも行っていました。直接会ってサポートを行なう以外に、インターネットを利用してリアルタイムでのサポートも可能です。しかし、コストとの関係もあり、1カ月に1回程度の会計処理となっていることが一般的でした。今の時代、現状をリアルタイムで把握し、問題点があれば解決し、戦略を立てて経営していくことは必須です。
その点から考えても「square」はこれからの時代、経営をサポートしてくれる力強い味方となりそうです。POS機能を持たないレジを利用している場合、戦略を立てるデータを別途作る時間が必要になります。また、作ったデータを分析する時間ももちろん必要です。売上に直接、またスピーディに反映しないこの経理作業に時間を割ける経営者は少ないものです。ところが「square」を利用することで、データ収集と分析の時間がカットでき、スピーディに戦略を立てることができるようになりそうです。これは、これまでかかっていた人件費のカットにもつながります。
また、クレジットカード決済でも、その代金は翌営業日には直接口座に振り込まれます。資金繰りを考えるうえでも、キャッシュが滞らないようにすることは経営上とても重要です。
そのほかにも自社のサービスを利用してくれるお客様にとっても便利な点がいくつかあります。これだけクレジットカードが普及していると、現金決済しかできないお店は敬遠される可能性があります。しかし、「square」を導入することでこの問題は解決。またレジ機能もあるため、レシートの発行はもちろんのこと、現金決済であれば、お客様の携帯電話にレシートを送信することも可能。これは、お客様情報を無理なく受け取る方法のひとつにできる可能性もあります。
このように「square」の導入を考えるうえでは、その機能の利用方法だけでなく、経営戦略としてどのように利用できるのかを探っていく価値がありそうです。日本にはまだ導入されたばかりですが、利用者が増えることで参考になる事例が増えてくると思いますので、今後の動きを追っていきたいサービスのひとつと言えそうです。