第516回
借り癖を直したい方!!お金を貯めている人に学ぶ、家計とローンのマネジメント術
- 数年前からカードローンを借りています。なるべく早く返済しようと思っているのですが、給料日前にお金が足りなくなると追加の借り入れをしてしまいます。どうしたら借金生活から抜け出して貯蓄ができるようになるでしょうか?(Eさん 会社員 30代)
- 借金を完済し、貯蓄ができるようになるためには、数年後にどのような生活をしたいか目的を持ち、予算管理をしながら家計をマネジメントしなければなりません。これ以上借りないためには、限度額の範囲内で自由に借り入れができるカードローンより、追加借り入れ手続きが都度必要なおまとめローンを利用し、安易に借り入れできないようにするのも1つの方法です。
お金を貯めている人と貯めていない人の大きな違いは?
「お金をたくさん貯めている人は、そもそも収入が多いのでは?」と思っていませんか?しかし、主婦向け雑誌を見ると、「年収が少なくても〇〇万円貯めた!」というような、節約上手な主婦がたくさん紹介されています。一方で、年収が1,000万円あっても、貯蓄がほとんどなく、何を節約していいか分からない、という方もいます。このような貯蓄額の差はどうして生まれるのでしょうか?お金を貯めることができている人は、収入が少なくてもあきらめず、支出を減らすよう工夫しています。なぜなら、将来必要となるお金がどのくらいかを知っていて、それに向かってどのくらいお金を貯めればいいか、目標を持っているからです。
例えば、住宅購入の頭金を早く貯めたいと思っている人は、お金を使うときに「本当に必要なのか?」と自問自答し、なるべくお金を使わない方法を考えるようになります。Eさんのような30代の方でしたら、結婚資金や車の購入などがその目標になる場合もあるでしょう。それぞれの目標によって必要なお金は違いますが、目標を実現するためにお金を貯めようという気持ちが生まれ、衝動的なお金の使い方をせず、うまくコントロールできているのです。5年後、10年後といった将来の目標があるかないか、そしてそれを実現するにはどれくらいのお金が必要か知っているか。それが大きな違いになります。
【参考リンク】
予算管理で手間をかけずに家計とローンをマネジメントする
借金生活から抜け出したいと思っているのでしたら、全額返済を大きな目標にし、その先に何か自分へのご褒美を設けてみてはいかがでしょうか?そうすれば、ただ借金を返すだけより、お金に対する意識が高まります。まずは、毎月の家計の予算を立てましょう。会社経営では予算という目標を立てた上で企業活動を行いますが、家計でも、決まった額の収入をどのように使うか、予算を立てなければうまく管理することができません。
Eさんのようにお金が足りなくなったらカードローンを利用してしまうという人は、カードローンを貯金のように使っている人が多いようです。そのような方は、本当の貯金である銀行口座にお金が無くなると、カードローンを自分の貯金のように使ってしまい、お金を借りることへの抵抗感がなくなってしまいがちです。それを防ぐためには、給料日に一度だけまとめてお金を下ろしたら、二度とおろさないようにしましょう。クレジットカードも、管理が難しく使いすぎてしまうので、公共料金や通信費などの支払い以外では使わないようにします。
生活費は、家賃や生命保険料、光熱費など、毎月口座振替で出ていくお金と、手元の現金から出ていくお金に大きく分けられると思います。給料を引き出すとき、口座振替で出ていくお金は、その分を口座に残すか、引き落とし口座に入金し、手元に残った現金で1か月生活することを強く心に誓いましょう。その中で、現在借りているカードローンの返済に回せるお金がどれくらいなのか、自分の生活費の状況から判断しましょう。
ローン返済に回すお金を確保した上で、さらに手元に残った生活費で1か月生活するのですから、慣れないうちはお金の管理に戸惑うこともあるでしょう。簡単にお金を管理するには、手元のお金を5つの封筒に分け、1週間を1つの封筒のお金で生活するようにするとよいでしょう。多少、余ったり足りなくなったりすることもありますが、1か月の中でコントロールできれば合格です。生活費が大きく足りないようでしたら、家賃の安いところに引っ越す、生命保険を見直すなどの対策が必要です。独身でしたら生命保険の死亡保障は基本的に必要ないと割り切ってもよいかもしれません。現在の課題は借金を少しでも早く返済することだと自覚し、無駄な支出は思い切って切り捨てましょう。
【参考リンク】
お金を貯めている人から学ぶ、お金を貯める思考、行動
お金を貯めている人は、無駄なお金を使いません。無駄なお金の代表が銀行の時間外手数料です。たった数百円といっても年間で見れば数千円になる場合もあります。その他、交通費節約のため、ダイエットをかねて交通機関を使わずに歩くとか、光熱費節約のため早寝早起きをするとか、ちょっと行動を変えるだけでもお金を節約することはできます。「こうしなければ」という義務感ではなく、「将来の夢のために節約を楽しむ」くらいの気持ちで取り組むと良いでしょう。
また、ローンの利息も抑えるべき支出です。現在借りているカードローンより実質年率の低いカードローン、複数の借り入れがあればおまとめローンで一本化することができれば、支払う利息の総額を大幅に減らすことができる可能性があります。カードローンの実質年率は4%台~18%程度が一般的ですが、おまとめローンで複数の借り入れをまとめれば、総額の借入金額に応じて上限利息が決まり、小口で借り入れをするよりも有利な金利で借り入れをすることができるかもしれません。おまとめローンは、カードローンと違って追加借り入れ手続きが都度必要ですので、お金が足りなくなったらまた借りてしまうというEさんのような方には、新たな借り入れをしないための予防策にもなります。
家計の予算管理がうまくできて支出をコントロールできるようになったら、新たな借り入れも防げます。無事、ローンの返済が終わったら、返済分をまるまる貯蓄に回せば、お金を貯めることができます。将来、マイカーローンや住宅ローンといった金額の大きなローンを利用する際には、さらなる家計の引き締めが必要になる場合もあります。そのためにも、今のうちに家計とローンのマネジメント術を身につけておきましょう。