第448回
中小企業は2012年も厳しい!?ビジネスローンを知って自己防衛しよう!
- なかなか景気がよくならず、厳しい経営状態が続いています。来年の景気はよくなるのでしょうか? 今のところ、資金繰りは何とかなっていますが、借り入れが必要になったときの融資について教えてください(Yさん 55歳 会社経営者)
- 経営者向けの意識調査によると、2012年の景気見通しについて、「回復」と予想する企業は11.3%で5年振りに10%を超えました。しかし、「悪化」「踊り場」を予想する企業は30%超で、厳しい環境は続きそうです。借り入れが必要になったときにあわてないよう、あらかじめ融資について知っておくことは大切です。
2012年の景気見通しで「回復」を予想する企業は11.3%
国内では東日本大震災、台風による洪水被害、海外ではタイの洪水被害、ギリシャ発欧州の景気後退、アラブ諸国の民主化など。自然災害や経済・金融に拘わる大きな問題が次から次へと起きた激動の2011年は、数日を残すのみとなりました。
世界中で起きる大規模自然災害や政変、経済・金融の問題は日本の景気に大きく影響しますが、厳しい経営を迫られた方も多かったのでは? 来年は穏やかな年であって欲しいと願うのは筆者だけではないでしょう。
では、企業は来年の景気をどう予想しているのでしょう。12月5日に帝国データバンクが発表した「2012年の景気見通しに対する意識調査」で見てみましょう。まず、今年2011年はどうだったか。景気動向は「悪化」だったと判断した企業は42.8%でした。「回復」の判断を示した企業はわずか3.9%でした。本題の2012年の景気見通しですが、「回復」を予想する企業は11.3%で5年振りに上昇しました。しかし、「悪化」を予想する企業は33.4%、「踊り場」を予想する企業は31.6%。特に、小規模企業ほど、景気は厳しくなるとみている様子がうかがえる調査結果でした。
2012年も厳しい経営を迫られそうで、資金繰りに頭を悩ませる経営者の方がおおくなることでしょう。中小企業が資金繰りを考えるとき、まず、中小企業を対象とした公的な支援策を検討してください。「東日本大震災復興緊急保証」や「東日本大震災復興特別貸付」、「セーフティネット5号」は、今年度の下半期も継続しています。
【参考リンク】
民間ビジネスローンは比較的すぐに借りられる
公的支援策は、対象者や融資限度額などの条件があり、当てはまらない場合は利用できません。利用できても、審査に時間がかかって急場には間に合わないことも。そこで、公的支援策が使えない、使えるまでのつなぎ、緊急で必要な場合は、民間のビジネスローンに目を向けてみましょう。
民間ビジネスローンには、無担保と有担保(不動産担保)があります。無担保は審査期間が即日~1日程度と短く、手続きのために金融機関に来店する必要もありません。カードローンの要領で借入と返済が随時可能な極度貸付タイプのローンもありますので、小口の資金を短期間で利用したいという方に合っています。
【参考リンク】
有担保の民間ビジネスローンは、来店が必要なことが多く、審査期間は1日~4日程度かかりますが、不動産担保価値を評価して融資をしてくれますので、決算状況が赤字でもOKというケースはあります。また、大きな金額を長期間借入できるというのも有担保ローンのメリットの1つです。金融機関によって、担保物件の地域が首都圏に限定されていて、地方の物件を担保にした借入ができない場合があります。また、首都圏の物件でも、担保物件に他の抵当権が設定されている(たとえば返済中の住宅ローンなど、他のローンの担保になっている)場合は融資可能額が下がりますので、確認して問題がない方に合っています。
【参考リンク】
ビジネスローンは、いろいろな金融機関で取り扱っています。数ある商品を個別に比較するのは、とても手間がかかります。そんなときは、ランキングと、ローン比較リストの活用をオススメします。
ローン比較リストを使うと最大5つまで一覧表形式で見比べられて、個別商品の条件をチェックできます。みなさんの資金繰りをサポートしてくれる、よりよいローンを見つけてください。
【参考リンク】
みなさんにとって、来年はよい年でありますようお祈りしています。