第440回
事業資金を借りる時は、公的な支援策と民間ビジネスローンを検討する!
- 東日本大震災以降、景気にようやく回復の兆しが見えてきた矢先に、欧米の景気悪化の影響からか、なかなか経営状態が上向きません。当面の資金繰りに使える融資についてアドバイスをお願いします。(Kさん 50歳 製造業経営)
- 景気を下支えするために設けられた中小企業向け公的支援策が、10月以降も延長されることが決まりました。まずはこれらの仕組みが使えるかどうかを調べ、また、民間のビジネスローンのなかから、条件に合うモノを探してはいかがでしょうか?
景気が弱含むなか、中小企業の資金繰り支援策の延長が決まる!
政府は10月17日に月例経済報告を発表し、景気の基調判断を半年ぶりに下方修正しました。震災以降の半年間で、生産が回復し、復興需要も増加してきていましたが、ギリシャの債務危機に端を発する欧州の景気後退の影響が世界に広がり、わが国の経済も、輸出の勢いが弱まっています。円高も継続しています。
こうした経済情勢を背景に、中小企業の資金繰り支援策は10月以降も延長されることが決まり、今年度下半期も継続して実施されることになりました。まずは、これらの公的支援策の適用が受けられるかどうかを具体的に確認してみてはいかがでしょうか。
対象中小企業 | 制度の名称 | 概要 |
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東日本大震災によって直接または間接被害(風評被害含む)を受けた中小企業 | 東日本大震災復興緊急保証 | 信用保証協会が借入額の100%保証(一般保証とは別枠)をする。 |
東日本大震災復興特別貸付 | 既存の貸付制度にくらべて、金利や貸付期間、据え置き期間等を優遇する。 | |
業況が悪化していると指定された業種を事業として行う中小企業で、市区町村長の認定を受けたもの | セーフティネット保証5号 | 信用保証協会が借入額の100%保証(一般保証とは別枠)をする。 対象は原則全業種(82業種)。 |
【参考リンク】
制約の少ない民間のビジネスローンから選ぶ
公的な支援策は、利用対象者、融資限度額、融資期間や据置期間、融資利率などに細かい要件が定められています。うまくあてはまれば有利に融資を受けることができますが、手続きや審査に時間がかかったり、思ったような融資を受けられない場合があるかもしれません。また、要件にあてはまらなければ活用することができません。
いっぽう、民間のビジネスローンは比較的簡単な手続きで融資を受けることができます。そのため、急激に経営環境が変化して、運転資金を急いで手当てしなければならないような場合にはむいているかもしれません。
無担保のビジネスローンは、手続きのために来店する必要のないケースが多く、審査期間が即日~1日程度と短いのが特徴です。有担保ビジネスローンの不動産担保ローンは、来店が必要なことが多いとはいえ、審査期間は1日~4日となっています。
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民間のビジネスローンを効率よく上手に選ぶ
さまざまな金融機関が提供しているビジネスローンを、ひとつひとつ個別にくらべて検討するのでは時間がかかってしまいます。イー・ローンでは、複数の金融機関のビジネスローンをまとめて比較できるように、「借入金額」「借入期間」「本社所在地」「金融機関」「来店の要・不要」、また、「無担保」「有担保(不動産担保)」など、さまざまな切り口で候補を絞り込むことができるようになっています。
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また、検索結果のなかから、個々の商品の具体的な融資条件を確認することも可能です。さらに、「ローン比較リスト」の機能を使うと、絞り込んだ商品を一度に最大5つまで選び、個別の条件ごとに一覧表の形で見くらべて検討することができるようになっています。
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以上のような手順で考えると、資金繰り対策のための融資を、経営の実情に合わせて、効率よく上手に選ぶことができます。