第429回
マネー・メンテナンスは定期的に実施しよう!
- 今年のお盆休みは自宅でゆっくり過ごすことにしました。そこで、普段なかなかできない部屋の大掃除や庭の手入れなどをする予定です。また、家回りのことだけでなく、この機会にお金のことも考えてみたいと思っています。どんなポイントで考えれば良いですか?(Kさん 34歳 自営業)
- 預貯金や保険、ローンなどの金融商品は定期的にメンテナンスしたいもの。まとまった休みが取れるタイミングは絶好のチャンスです。ご自身の金融状況を把握し、現状に合っていないものがあれば見直しをするなど、マネー・メンテナンスをしましょう。
まずは現状を確認することから!
前回は「家計における断捨離」(入ってくる要らないモノを「断つ」、家にずっとある要らないモノを「捨てる」、モノへの執着から「離れる」)についてご説明しました。早速、行動に移した“実行力”のある方もいらっしゃると思います。しかし、多くの方は「わかってはいるけれど、なかなか…」という状況かもしれませんね。
そんなときは、まずは現状を把握することから始めてみてはいかがでしょうか?「要る」「要らない」を判断するためにも、自分の家計がどのような状況になっているのかを目の当たりにすると良いでしょう。そうすることで「アナタに必要な断捨離」がわかることに。
たとえば、以下のように一覧表にしてみると家計の全体像が見えてきます。ポイントは、金融商品ごとに並べること。また、見直しをする際には「証券番号」や「カード番号」などがあると問い合わせや手続きがスムーズなので、あわせて記載しておくと便利でしょう。また、預金や証券だけでなく、現在掛けている保険や、ローンなどの負債もあわせて記載するようにしてください。
金融商品 | 金融機関 | 契約者 | 番号 | 金額 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
定期預金 | ○○銀行 | ×××× | 11111 | 300,000円 | 満期:2015年8月10日(金利●%) |
投資信託 | □□証券 | ○○○○ | 22222 | 100,000円 | インデックスファンド |
住宅ローン | ○○銀行 | ×××× | 33333 | 13,000,000円 | 完済:2031年9月30日(金利●%) |
キャッシング | △△カード | ○○○○ | 44444 | 50,000円 | リボ払い:10,000円/月 |
定期保険 | ××保険 | ×××× | 55555 | 20,000,000円 | 満期:2020年3月31日 |
・ ・ ・ |
・ ・ ・ |
・ ・ ・ |
・ ・ ・ |
・ ・ ・ |
・ ・ ・ |
チェックポイントは金融商品に凸凹(でこぼこ)がないか
このように一覧表にすることで「どこに」「何が」「どれくらい」あるのか把握できます。その結果「定期預金にばかり金融商品が偏っているのでは?」や「住宅ローンの金利が高いから見直しをしたほうがいいのかしら?」、または「いろいろな保険に入りすぎている!」や「いつの間にかこんなにクレジットカードを増えていた!」などといったことが見えてきます。
全体像を見て「?」や「!」などの凸凹(でこぼこ)を発見したら、そこがアナタの見直しポイントです。不要であったり、利便性が悪かったり、現状に合っていない、リスクが分散できていないなどということがないか考えてみましょう。
または、ずっと手付かずの金融商品があれば、それも見直しをしたほうがいいモノかもしれません。「この金融商品で間違いなし!」ということであれば問題ありませんが、「よくわからないから放っておいている」という場合には、いざというとき、利用したいときに役立つかどうか、確認しておきましょう。
家族で情報を共有し、役割も分担を!
見直しをするときには、本を買ってきたり、ネットで情報収集したりすると思います。または、金融機関やFPなどに相談することもあるでしょう。
よくご相談であるのが、家族の誰か一人が家計を管理しているというもの。配偶者のどちらかがすべて管理し、もう一人はよくわからないということが多いようです。しかし、いざというときに把握している人が一人しかいないと調べるのが大変ですから、ぜひこの機会に家族で情報を共有するようにしてはいかがでしょうか?その際に、情報を調べるのは夫、一覧表にするのは妻など、それぞれ役割を持っておくと良いでしょう。
役割を決める際にはそれが得意分野かどうかという点を考えてみてください。なぜなら、お金、つまり金融商品とは一生付き合っていく必要がありますので、継続できることが大切だからです。得意なこと、好きなことでなければ続けることは難しいので、挫折しないためにもどんなことが得意なのか家族で話し合ったうえで役割を分担してくださいね。
お金に関することは気になっていても後回しにすることが多いもの。しかし、定期的にメンテナンスすることで慣れてきて手間がかからなくなってきます。はじめは大変かもしれませんが、一生付き合っていくお金のことですから、ぜひこういった機会に始めてみてはいかがでしょうか?