第394回

冬のボーナス、繰上げ返済する?借り換える?

そろそろ冬のボースが支給されます。貯蓄しようか、住宅ローンの繰り上げ返済をしようか迷っています。(D・Kさん 37歳 会社員)
景気の先行きが読めない昨今、将来に備えて貯蓄を増やしたい気持ちは誰にも共通した思いです。しかし、住宅ローンのある人はローン残高を減らすことも、将来への備えになります。余裕資金がある程度、貯蓄できているなら、冬のボーナスは繰り上げ返済に使う、あるいは借り換えを検討するといいでしょう。

冬のボーナスは3年振りのプラスに

そろそろ冬のボーナスの支給額が気になり、使い道を模索しないといけない季節になりました。皆さんのご家庭では、支給額の見込みはどうでしょうか?

日本経団連の2010年冬のボーナス調査(第1回計、92社)によると、1人あたりの平均妥結額は77万6949円。前年実績より3.76%増で、3年振りのプラスとのこと。この妥結額は平均なので、業種によってバラつきがあり、プラス幅が大きい業種、逆にマイナスになった業種もあります。また、この調査は東証一部上場・社員500人以上の会社を対象としたものなので、中小企業は、平均妥結額より少ないと思われます。

仮にボーナスは増えたとしても、やりくりは依然として気を抜けない厳しい状況にあります。そのため、消費は最小限に止めて、残りは貯蓄に回そうという人も多いようです。しかし、住宅ローンを借りている人は、繰り上げ返済や借り換えを検討してみてはいかがでしょうか? ローンの利息節約効果で得られるお得は、貯蓄で得られる利息より大きいのが一般的だからです。

繰り上げ返済のしやすさで借り換えローンを検討するのもアリ

繰り上げ返済は、借りている金融機関によって、最低金額や手数料などの条件が異なります。条件をよく確認して、手数料を上回る効果があれば実行しましょう。また、下記の項目のうち、1つ以上に当てはまる人は借り換えを検討しましょう。

  • ・ローン残高は1000万円以上ある
  • ・ローンの返済期間は10年以上残っている
  • ・変動型、短期固定型などで、将来、金利上昇の不安がある
  • ・現在の金利と、借り換えを検討しているローンの金利差は1%以上ある

住宅ローンの借り換えには、保証料や事務手数料などで数十万円の費用がかかるローンもあるので、イー・ローンの検索機能を使って、保証料は不要、事務手数料が安いなど、使い勝手のいい借り換えローンを探しましょう。

なお、借り換え後も、余裕資金ができたら、繰上げ返済を断続的に行って早く返済を完了させたいもの。借り換えローンを検討する際、繰り上げ返済のしやすさにも目を向けるといいでしょう。下記に、インターネット繰り上げ返済は手数料無料、返済額の設定が柔軟なローンの条件をまとめておきました。

●主な銀行のインターネット繰上げ返済の条件
  手数料 繰り上げ返済額 時期・回数
東京スター銀行
預金連動型「スターワン住宅ローン」
無料 1円以上1円単位 いつでも回数の制限もなし
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行の住宅ローン
新生銀行
新生銀行パワースマート住宅ローン
ソニー銀行
住宅ローン
1万円以上1円単位

* 筆者調べ

* 「手数料」は一部繰上げ返済手数料

* 東京スター銀行は、「メンテナンスパック」の利用が条件

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2010年11月19日