第388回

いざというとき役立つショッピング保険

海外旅行から帰って荷物を整理していたら、買ってきた自分用のお土産が壊れていることに気がつきました。日本円で5万円ほどした物なのでガッカリ! 運が悪かったと、あきらめるしかないですか?(Y・Iさん 28歳)
そのお土産はクレジットカードで買った物ですか? だとしたら、クレジットカードに付帯しているショッピング保険がきくかもしれません。クレジットカード会社に問い合わせてみましょう。

ショッピング保険とは?

海外旅行に行くとき、クレジットカード付帯の海外旅行保険に注目する人は多いですが、ショッピング保険がついていることに気づいていない人がいるようです。
ショッピング保険とは、クレジットカードのサービスの1つで、カードで買った物が盗難、紛失、破損したとき、それによる損失を補てんしてくれる保険です。「お買い物安心保険」、「ショッピングガード保険」、「ショッピング・プロテクション」、「ショッピングプロテクト」などとも呼ばれています。
盗難は、買った物を置き引きされた場合も対象になります。破損については、不良品は対象外です。たとえば、買ったバッグを使ったら2~3日で留め金が取れてしまったケースで、留め方が緩いなど明らかに製品の不良による破損はショッピング保険では補償されません。

ショッピング保険はカードによって補償内容が異なる

ショッピング保険は、カード会社とカードの種類によって補償内容の詳細は大きく異なってきますので、実際に何を基準に選べばいいの?ということになりますよね。ここでは、「補償期間」、「補償限度額」、「免責額」の3点に注目しましょう。

  • ・補償期間・・・買った日から90日に設定しているカード会社が多いようです。しかし、セディナカードゴールドのショッピング保険は、一括払いでの購入品であっても180日間もの長期にわたって補償してくれます。補償期間が長期であった方が、安心しますよね。
  • ・補償限度額・・・こちらは年単位で表示されており、100万円・150万円・200万円・300万円・1億円など様々な金額が設定されています。やはり、カードのグレードが高いほど補償限度額も高くなります。
  • ・免責額・・・こちらは、簡単に申し上げると「自己負担になる金額」ということです。金額としては、1事故につき数千円から1万円程度が多いようです。Y・Iさんの場合、免責額が1万円だったら、4万円相当額の補償が受けられることになります。

現金やトラベラーズチェックで商品を購入していたら、これらの補償は受けられません。高額な商品を買うときはショッピング保険付帯のカードを利用すると安心ということですね。
また、アメリカン・エキスプレス・カードは年間最高500万円まで補償する「ショッピング・プロテクション」に加えて、他社発行クレジットカードにはない「リターン・プロテクション」が付帯しています。これは、カードで購入した商品の返品を購入店が受け付けない場合、購入日から90日以内であれば、アメリカン・エキスプレスが返品を受け付け、全額返金するといったサービスです。※1商品につき最高3万円相当額まで、年間最高15万円相当額まで。

ショッピング保険を利用する際に注意することは?

ショッピング保険で注意して欲しいことは、カードの利用明細がないと請求できない場合があるので、明細を保存しておくクセをつけておきたいことです。最低3カ月は保存しておきましょう。また、メガネや携帯電話などの壊れやすい物や動物・植物、食料品、商売用の物品など、補償対象にならない物があること、カードによっては海外旅行では機能しないものもあることにも要注意です。
複数のクレジットカードを持っている人は、海外旅行に出かける前に、それぞれのカードのショッピング保険の内容を調べてみてはいかがでしょうか。海外旅行保険の内容や海外での使い勝手は同じなら、ショッピング保険の内容がより充実したカードを持って出かけることをオススメします。

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2010年10月08日