第365回

旅行の資金計画はお早めに

毎年、夏休みになると、子どもに「どこか連れてって」とせがまれるのですが、いつも近場で済ませることがほとんど。5月から中国で開催されている「上海万博」には私自身も行ってみたいと思っており、はじめての海外旅行を計画中です。旅行の資金計画の立て方やポイントなどを教えてください(会社員S.I.さん(41歳))
旅行プランは、余裕を持って早めに立てることが第一。旅行資金は、旅行積立を利用したり、目的別の定期積立をしたりして預貯金で準備しておくのがキホンですが、万が一、不足した場合の対策も知っておくと安心です。

最近、人気の旅行先は?

ゴールデンウィーク(GW)も終り、「次の長期休みは、夏休みまでお預けか~」と、早くも次のお休みに思いを馳せている方も多いのではないでしょうか?
大手旅行会社の旅行動向調査によると、最近の国内旅行で人気なのは、大河ドラマの影響からか高知、松山、長崎だそうです。また、平城遷都1300年祭を開催している奈良を中心とした関西なども人気です。
一方、海外旅行については、欧州やハワイ、近場ではグアムや中国、韓国、台湾などへの旅行者が引き続き多くなっています。
今年の注目は、今年5月から10月まで「上海万博」が開催されている中国への旅行で、ゴールデンウィーク(GW)には、5月1日の開会式にあわせたツアーが人気だったようです。

旅行プランは早めに立てるのがオトク!

旅行好きの中には、旅行から帰った途端、次の旅行プランを立てる人が少なくありません。行ってきた旅行の楽しさが、また次の旅行へと駆り立てるのかもしれませんが、何にせよ、計画は早めに立てることが肝心ですね。
時間を持って計画しておけば、旅行のための預貯金や旅行積立をはじめるなど、余裕を持って旅行資金を貯めておくことができますし、「旅行に行くのだから・・・」と日々の節約や家計のやりくりにもメリハリができるはず。
また、ツアーやホテル、交通などの予約も取りやすい上、早期割引等が利用できる場合もあり、オトクです。もちろん、出発時期が近い旅行などが直前に安く売り出されるケースもありますが、家族旅行の場合、各人のスケジュールやイベント・行事などを調整する必要もありますので、あらかじめ早めに日程が確定しておいた方が安心でしょう。

もしも旅行資金が不足するようだったら・・・

宿泊料金やツアー料金、各種チケット代などの旅行に必要なお金は、準備した預貯金等でまかなったとしても、旅先のお小遣いやお土産代など、旅行資金が不足することがあります。その場合には、銀行やノンバンク等の目的を問わない無担保「カードローン」や「多目的ローン」を利用する方法もありますが、あくまでも補完的に。

また、海外旅行などでは、目に付くもの、触れるものがみな珍しく、ショッピングやグルメなどで遣い過ぎ、持ってきたお金(現金)がなくなってしまうことが良くあります。
海外で手持ちの現金が少なくなったり、予定外の出費があったりした場合、「海外キャッシング」が便利です。
海外キャッシングは、日本国内と同じような操作で、世界主要都市の空港や銀行のATM・CDで現金を引き出すことができるサービスです。すぐに現地通貨を引き出せるため、両替やT/C購入の手間は不要。返済は、国内キャッシングと同様に、カード代金支払口座から一定の手数料と併せて一括自動引き落としされます。
なお、海外キャッシングも、現地通貨を引き出した日から、カードの請求日までの日割り計算で利息がつきますので、その分を節約したい人は、帰国後すぐに返済してしまうのがベストです。

私が書きました

黒田 尚子 (くろだ なおこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、第2種情報処理技術者、初級システムアドミニストレータ。

92年大学卒業後、日本総合研究所に入社。約5年3ヶ月間、システム開発に携る。退社後、98年ファイナンシャル・プランナーとして独立。 まったくの異業種からの転職のため、できるだけ幅広いテーマを手掛けるようにしている。雑誌・インターネットなどの連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などを行う。モットーは「夢をカタチに」。現在、夫1人&猫1匹と暮らす。

※執筆日:2010年04月30日