第328回
クレジットカードは年会費の有無でどう違う?
- クレジットカードには、年会費が有料のものと無料のものがありますが、やはり、有料のほうが特典やサービスがいいのでしょうか?(29歳 女性 会社員)
- クレジットカードは、年会費有料・無料が混在しており、どのような違いがあるかわかりにくいもの。年会費無料にも、永年無料と初年度無料、条件付で無料があります。ここでは、永年無料カードと有料カードの違いを調べてみました。比較した点は、ポイント還元率、補償(旅行保険)、独自サービスです。
ポイント還元率では、甲乙つけがたい
クレジットカードの最大の魅力は、利用料金でポイントが付与され、 一定ポイントが貯まったら金券やグッズなどに交換できる「ポイントプログラム」です。 ポイントプログラムの魅力度は、ポイント還元率で判断します。ただ、グッズで比較するのは難しいので、 ギフトカードに換算して比較します。還元率は、0.5%が一般的なようですが、有料だから特に還元率が高い傾向は見受けられません。 無料でも、1%前後というカードもありますから、還元率では甲乙はつけられません。
なお、ポイントは付与ポイントが多ければいいというわけではありません。 付与ポイントが多くても、交換に必要な最低ポイント数が高かったり、 有効期限が短かったりするとポイントを無駄にしてしまうこともありますから、 ポイントの管理には注意しましょう。
補償は有料カードのほうに軍配が!
補償(旅行保険)は、クレジットカードの付帯サービスの1つです。旅行保険には、国内旅行保険と海外旅行保険があります。
国内旅行保険は、無料カードと年会費が数千円以内の有料カードにはついていないことが多く、 ついていたとしても補償限度額は低めです。ゴールドカードになるとついていることが多いですが、 ついていないものもあるので確認が必要です。なお、国内旅行保険は、自動付帯か利用付帯かの違いがあり、 年会費が高いカードのほとんどは自動付帯です。
海外旅行保険は、無料カードにはついていないことが多く、ついていたとしても補償限度額は低めです。 有料カードはついていないものもありますが、ついているのが一般的でで、ほとんどが自動付帯です。
補償の比較では、有料カードのほうに軍配が上がります。ですから、無料カードに旅行保険がついていたらラッキーと考えましょう。
独自サービスは、各様で比較が難しい
年会費の無料、有料を問わず、カードごとに独自サービスを競っており、内容は実に多岐にわたります。 例えば、利用額の1%割引、マイルが貯まる・移行できる、レストランやレジャー施設などが優待料金で利用できる、 特定のショップで買い物をするとポイント付与率が上がる、ロードサービスが無料でついている、ガソリン代が割引になるなど…。 ですから、独自サービスでは、無料と有料での違いは見い出せませんでした。
結論は、年会費の有無でポイント還元率やサービスなどに違いはあるものの、どちらがおトクかは一概には言えないということ。 やはり、自分がカードに求めるサービス(おトク)は何かを見極め、自分にとってのおトクを提供してくれるカードを選ぶことが大切です。 そして、年会費が有料のカードは、特典を使いこなして年会費を上回るおトクが得られるかを検討することが大切です。
こういうときこそ、クレジットカード比較サイトの活用です。自分が重視する項目を軸にした絞り込み機能を使って、 自分にピッタリのカードを探してみましょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。
1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。
※執筆日:2009年08月06日