第306回

環境にやさしい車は、フトコロにもやさしい?

自動車ローンを使ってハイブリットカーを買おうと思っています。4月以降に買えば税金が安くなると聞きました。何がどのくらい安くなるのでしょうか?(HKさん、24歳、会社員)
先日、平成21年度予算案が通り、4月からの「自動車税制改正」がほぼ確実になりました。この中に、国土交通省の基準に適合した環境にやさしい車(以下、環境対応車)に対する減税が盛り込まれています。現在、ハイブリットカーの購入を検討中の方にとっては大変魅力的な内容です。

自動車にかかる税金とは?

自動車(軽自動車は除く)にかかる税金は、主に「自動車税」「自動車取得税」「自動車重量税」の3つがあります。どれも購入時にかかりますが、自動車税は、所有している間も毎年払い続けなければいけない税金、自動車重量税は車検時にもかかる税金です。税金を少しでも安くしたければ、自動車税の基準となる排気量の少ない車を選ぶ事が重要でした。ところが、ここ数年、別の選択肢もでてきました。それが、ハイブリットカーなど環境対応車に対して行われる減税の傾向です。今回の税制改正では、環境性能の高い車の自動車税は概ね半額に、自動車取得税と重量税にいたっては「免除」、なんと1円も払わなくてよいのです。

インサイトで比べてみよう

環境対応車と一口いっても、ハイブリットカーや燃料電池車、電気自動車など様々な種類があり、排出ガスや燃費などの性能の違いから減税幅も異なります。そこでここでは、環境性能の高いホンダのハイブリットカー「インサイト」と普通車の場合で数字を比べてみました。(どちらも取得価格180万円と仮定)

購入時の普通車と環境対応車(インサイトGタイプ)の税金

種類 自動車税
(初年度1年分)
自動車取得税 自動車重量税
(車検までの3年分)
合計
普通車 34,500円 90,000円 56,700円 181,200円
インサイト 17,250円 0円 0円 17,250円

税金の合計額を見ると、インサイトは普通車に比べ、ずいぶん安くなっています。その差は約16万円。これは大きな節約になりますね。現在、環境対応車の購入を考えている方にとっては、良いキッカケになるのではないでしょうか。

特別キャンペーンという時限措置

「まだ買換えが必要ないから、そのうち利用できればいい」と考えている方は、この環境対応車に対する減税の期限に注意して下さい。自動車税の場合は平成22年3月31日まで、自動車取得税は平成24年3月31日まで、自動車重量税に関しては、平成24年4月30日までの時限措置です。あくまで「特別キャンペーン」の時期だけに使えるものなのです。この点を考えながら、購入時期の検討をするといいでしょう。「環境にやさしい車はフトコロにもやさしい」その減税メリットを、十分に活用してくださいね。

私が書きました

神田 理絵 (かんだ りえ)

ファイナンシャル・プランナー、住宅ローン・アドバイザー、心理カウンセラー。

大学卒業後、大手総合商社へ入社し、貿易事務に携わる。その後、税理士事務所、社会保険労務士事務所を経て2005年に独立。現在は生命保険や住宅ローンの見直し、資産運用に関する相談や、各種マネーセミナー、FP資格取得講座の講師、コラムの執筆等で活躍中。大人だけでなく、小学生向け金銭教育活動にも力を注いでおり、首都圏を中心に、今までの実務経験と女性の感覚を生かした独立系FPとして活動中。

※執筆日:2009年03月05日