第265回
信用金庫とはどんな金融機関ですか?
- 最近、信用金庫の近くへ引っ越しました。近いと便利だと思うので利用してみたいのですが、信用金庫を利用したことがありません。信用金庫はどういう金融機関ですか?銀行とは違うのですか?(静岡県 N)
- 信用金庫は一定の営業地域を対象とする金融機関です。預金や融資、為替等の業務内容は銀行と変わりません。
「信用金庫」といえば、テレビCMから、「地域に根ざした金融機関」「きめ細やかな対応」といったイメージがあるのですが、] 皆さんはいかがでしょうか? でも、実際のところ、銀行とはどう違うのか、 だれでも利用できるのか、知らない方も多いかもしれませんね。「信用金庫」について、まずは銀行と比べてみてみましょう。
信用金庫と銀行の違い
信用金庫(信金)は信用金庫法を根拠法とする金融機関であり、業務内容は銀行と同様、預金や融資、為替等です。
投資信託や個人年金保険、国債などの金融商品も扱っています(一部取扱のない信金もあります)。
ただし、銀行と違って営業地域が限定されており、預金はだれでも利用できますが、融資業務は原則として「会員」に限られる点が、銀行と大きく違うところです。
<信用金庫と銀行の違い>
区分 | 信用金庫 | 銀行 |
根拠法 | 信用金庫法 | 銀行法 |
組織 | 会員の出資による協同組織の非営利法人 | 株式会社組織の営利法人 |
営業地域 | 一定の地域に限定 | 広域を対象(地域の定めがない) |
取引対象 | 地域の中小企業と地域住民 | あらゆる企業と一般住民 |
業務範囲 | 預金は制限なし 融資は原則として会員を対象とするが、制限つきで会員外貸し出しもできる |
制限なし |
会員資格 | <個人の場合> 営業地域内に ・住所・居所がある人 ・事業所がある人 ・勤務先がある人 など <事業者の場合> 従業員300人以下または資本金9億円以下の事業者 |
制限なし |
信用金庫の融資(ローン)
「会員」となれるのは、その信金の営業地域の住民やその地域 で働いている人であり、事業者の場合は中小企業が対象で規模の制限があります。
預金で集めたお金を、その地域の会員への融資業務に回して、その地域の発展に生かしていく、「地域のための金融機関」なのですね。
なお、信金の融資業務は原則会員に限定されますが、例外として700万円以内の小口融資などについては、会員以外でも利用できます。
したがって、融資額の大きい住宅ローンなどは会員でなくては利用できませんが、カードローンやフリーローンなどは、営業地域外の人でも利用できる信用金庫もあります。
信金のキャッシュカードは全国の信金でATM手数料無料
信金の大きなメリットとして、「しんきんゼロネットサービス」があります。これは、全国の信用金庫が提携して、47都道府県各地に設置されている信用金庫の
現金自動預払機(CD・ATM)で、手数料無料で、預け入れ・引き出しができます。都銀のATMも各地にありますが、設置されているのは主に大都市に限られ
ますので、 全国津々浦々にあ る信金で引き出しができて、旅行や出張の際にも便利ですね。
ただし、信金は営業地域が限定されているため、転勤等で違う地域へ移ってしまうと、支店がなくて窓口での手続きができなくなり、
利用が継続できなくなる場合もあるということには注意が必要です。
ATMでの入出金については問題ありませんが、転勤族の方が利用する場合などには、注意が必要でしょう。
ちなみに、信用金庫法の公布・施行(昭和26年6月15日)にちなんで、6月15日は「信用金庫の日」なのだそうです。毎年6月15日には、全国各地の信用金庫で感謝デーや献血活動・清掃活動、募金活動などの地域に根ざした活動が行われているとのことです。
Nさんも、お近くの信金窓口や、イー・ローンのサイト(http://www.eloan.co.jp/)を のぞいて、地域に根ざした金融商品などを探してみてはいかがでしょうか。