第236回

来店不要で最近注目の住宅ローン

住宅ローンを探していますが、来店せずに審査結果が分かり、特徴のある商品はありますか?
住宅ローンを選ぶ際に、店舗などに出向かずに審査結果が分かると、とても助かりますよね。今回は、申込から契約手続きまで来店不要の住宅ローンと、契約時は原則として来店が必要だが、審査結果まで来店せずにわかる住宅ローンで、商品内容も特徴的なものを以下に整理しました。

●申し込みから契約手続きまで来店不要の住宅ローン

 申し込みから契約までWebサイトや電子メール、電話・郵送などで手続きができる住宅ローンは、以前より、いくつかの金融機関等で取り扱われていました。例えば、
・ソニー銀行(変動金利や固定金利期間選択型が選べ、部分固定金利特約なら、変動金利と複数の固定金利期間を組み合わせて、期間の途中で金利タイプ変更もできる)
・楽天モーゲージ(「フラット35」や期間の短い「フラット20」を取り扱っている)
などです。
  最近は、平成19年9月よりスタートした 住信SBIネット銀行でも、申し込みから契約まで、一切来店不要の住宅ローンを提供しています。住信SBIネット銀行は、住友信託銀行のノウハウとITに強いSBIの革新的な利便性を生かそうと設立され、住宅ローン商品は、固定金利選択型も短期固定から15年20年30年35年固定まで品揃えも豊富です。金利優遇の内容も、10月現在で当初優遇期間終了後も基準金利から-0.7%の優遇、または全期間にわたり基準金利より-1.3%という内容で、一般的な銀行より優遇幅が大きくなっています。また、コスト面も、事務手数料はかかりますが、保証料ゼロ、金利タイプ変更も変動金利の期間中や固定金利期間終了時は無料、一部繰上返済も1円からネットで可能で手数料無料というリーズナブルな内容です。

●審査がネット申込で迅速に行われ、契約手続きは店舗で行われる住宅ローン

 契約手続きは来店が必要だが、審査結果などは来店せずにネット申込や郵送などで、わかるという住宅ローンも、利用者にとって審査までの不安や手間コストが軽減され、便利だと思います。審査まで、来店不要という住宅ローンには、例えば以下があげられます。

  1. SBIモーゲージ(「フラット35(保証型)」を取り扱っている。保証料ゼロ・繰上返済手数料ゼロ)
  2. 新生銀行(保証料ゼロ・繰上返済手数料ゼロ)
  3. GE Moneyの住宅ローン(年収や頭金の額等によって適用金利が異なる住宅ローン)

 特に、特徴ある商品といえるのは、GE Moneyの住宅ローンで、一般の金融機関で借りにくいといわれる次のような方に対しても、間口を広くして、Web申込から審査まで迅速に行われる点です。
・自営業者・転職3年未満・派遣社員・契約社員向け
・注文住宅購入者・外国人
つまり、GE Moneyの審査基準は、いわゆる一般的な正社員の給与収入に重点を置くのではなく、返済能力などをきめ細かくチェックすることで、幅広い層に住宅ローンを利用してもらえることを目的としており、いわゆる信用リスクを細分化して、それに対応した画期的な住宅ローンといえます。
しかも、申込者本人・配偶者・連帯債務者または連帯保証人となる両親・子・兄弟姉妹が、次のような資格を保持していると融資金利が優遇されるという制度も導入し、それだけ収入確保の要素を柔軟的に判断していることがわかります。

  このように、住宅ローンもネットを活用して利便性を高め、また商品内容もより借入者のニーズに合わせて多様化してくる傾向は高まっていると思います。これから、住宅購入をしようという人や、借換えをしようと考えている人は、住宅ローンの金利動向はもちろん、新商品動向にも目が離せません。イー・ローンには、金利や金利タイプも一目でわかる一覧表がありますので、ぜひチェックして、ご自身に合ったローンを見つけてくださいね。

担当:吹田朝子
(執筆:2007/10/10)

私が書きました

吹田 朝子 (すいた ともこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、企業福祉管理士。

1989年一橋大学卒業後、生命保険会社に入社し、企画・予算管理を経て1994年に独立。TV「発掘!あるある大事典」「株式ワイドオープニングベル」などにも出演。「ステキなマネープランニング(ハルアンドアーク出版)」など著書多数。相談業務、セミナーなどでも活動中。

※執筆日:2007年10月10日