第233回
起業・開業資金もビジネスローンで!
- これから開業したいと思っていますが、開業資金はどれくらい必要なのでしょうか?また、ビジネスローンは、起業する場合の資金としても借りられますか?
- 統計によると、開業資金の平均は約1,350万円で、そのうち51%が金融機関からの借入です。ビジネスローンもその一つですが、開業資金として借りられるものと借りられないものがありますので、あらかじめ確認しておく必要があります。
開業資金はどれくらい必要?
1円から会社を創業できるようになり、サラリーマン・OLが週末だけ起業するなど、気軽に会社を興す人が増えています。
とはいえ、開業するにあたっては、登記費用や事業資金をはじめ、さまざまなお金がかかります。ある統計によると、創業時の資金総額は合計1,346万円で、内訳としては、自己資金が28%(382万円)、金融機関からの借入の割合が51%(692万円)、その他(親、兄弟からの出資、あるいは無期限無利息の借入金など)が21%(272万円)となっています。(参考:国民生活金融公庫総合研究所 2006年度「新規開業実態調査」より)
起業・開業するにあたっては、ゆとりのある資金計画を立てた上で、できる限り自己資金を準備し、金融機関等からの借入れは抑えることがベストですが、それでも、1,000万円以上の資金が必要ともなれば、全額を自己資金でまかなうのは難しいでしょう。
しかし、開業資金を貯めている間にビジネスチャンスを逃してしまっては元も子もありません。資金以外の準備やしっかりした事業計画が整っているのならば、資金を調達するための手段として金融機関等からの融資を利用しない手はありません。
そこで、実際に利用するか否かは別にして、事業を興す際には、さまざまな資金調達の方法を知っておくことが大切です。
開業資金もビジネスローンで
そのような場合に備えて知っておきたいのがビジネスローンです。
多くの場合、開業資金は、国民生活金融公庫の新創業融資、新規開業資金などの公的融資でまかなうことも多いでしょうが、公的融資は、低利な反面、手続きや審査等に時間がかかりがち。それに比べて、ビジネスローンは、無担保のものや有担保のものなどさまざまな商品があり、比較的、手軽に融資を受けることができます。
例えば、クレディセゾンの「ビジネスローン」は、開業資金にも利用でき、実質年率6.3~15.0%で借入可能額500万円~10億円(10万円単位)の大型融資が受けられます。ただし、一定エリア内の不動産等が担保として必要になります。
また、NISグループの「ビジネスアシスト」は、実質年率12.0~18.0%で、借入可能額51~3,000万円、担保は原則不要です。(ただし、審査の結果必要になる場合もあり)
開業資金にビジネスローンを利用する際の注意点は?
ただし、ビジネスローンのなかには、開業資金には利用できない商品もあります。
また、一般的に、すでに開業している法人や個人事業主が事業資金としてビジネスローンを申し込む場合、直近の決算書(1期分~3期分など)の提出を求められるのと同様に、新規の開業資金としてビジネスローンを申し込む場合には、「事業計画書」や「経営改善計画書」等の提出が必要です。
つまり、現実的でしっかりした経営をするための資金であることが審査上認められなければなりません。
このほか、審査の際には本人の債務状況もチェックされますし、ビジネスローンの場合、代表者本人が保証人になるケースが多く、開業前には、家計で抱えている負債は、完済もしくは減らしておくことをお勧めします。