第231回
フラット35が借換えにも利用できる!?
- 住宅ローンの借換えを考えています。長期固定金利型を検討しているのですが、フラット35も借換えに利用できますか?
- 現在、フラット35は、「買取型」と「保証型」という二つのタイプがあります。多くは「買取型」ですが、「保証型」の中の一部は、借換えにも利用できるものがあります。
従来のフラット35は、「買取型」と言われるものでした。現在でも、「フラット35」と一般的に言われているものは、「買取型」を指すことが多く、多くのものはこの「買取型」になっています。そして、2007年になって、「保証型」という商品が登場しました。これは、住宅金融支援機構が、買取型のように債権の買い取りは行わず、フラット35を担保として発行される債券等の債務の支払いについて、保証を行うというものです。
仕組みの違いは少々難しいのですが、どちらも金融機関と住宅金融支援機構が提携することにより、提供されている長期固定金利の住宅ローンです。そして、同じ「フラット35」という名称のため、利用者側の私達にはわかりにくいのですが、両者の商品内容には異なる部分もあります。
「保証型」の場合には、取扱金融機関によって、物件価額に対する融資額の比率の上限や、団体信用生命保険の取扱などが異なります。したがって、「保証型」を利用する場合には、商品ごとに内容を確認することが必要です。
それでは、「買取型」と「保証型」ではどのように違うのか、比較してみましょう。
商品 | (Bタイプ) |
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2007年9月金利 | 2.751% | 2.950% | 2.710~2.810% | |
資金使途 | 住宅の取得(建設または購入)資金 | 住宅の取得(建設または購入)資金、または借換え資金 | ||
年収要件等 | (現在) ①フラット35の毎月の返済額の4倍以上の月収があること。かつ、②年収に占めるすべての借入れの年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が一定の基準以下であること。 (10月1日以降の申込みの場合) ①の基準が撤廃され、②の総返済負担率も変更。 |
年収に占めるすべての借入れの年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が一定の基準以下であること。現在借入中の住宅ローンの返済実績が1年以上あること。 | ||
融資金額 | 100万円~8,000万円(1万円単位) ただし、住宅建設費または住宅購入価額の90%以内。 |
100万円~8,000万円。(1万円単位) 当初建設費用や住宅購入費用(諸費用は除く)の100%以内。また、借換えの場合、ローン残高(1万円以下切捨)以下 |
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抵当権 | 住宅金融支援機構が融資の対象である建物及びその敷地に、第1順位の抵当権を設定 | 土地・建物にSBIモーゲージ株式会社が第一順位の抵当権を登記 | ||
保証料 | なし | なし | ||
事務手数料 | 融資金額の0.95% | 52,500円 | 融資金額の2.1% | |
団体信用 生命保険 |
原則加入。 加入する場合は、機構団体信用生命保険に加入し、別途特約料の支払いが生じる。 |
SBIモーゲージ株式会社が契約している保険会社の団体信用生命保険に加入。その際、団信保険料相当額0.3%を融資金利に上乗せ。 | ||
繰上返済手数料 | なし。 ただし、繰上返済は100万円以上から。 |
なし。 繰上返済は1万円から可能。 |
最も大きな違いとして挙げられるのは、SBIモーゲージの「フラット35(保証型)」の場合には、借換えにも利用できる点です。
「フラット35(買取型)」は住宅取得時にしか利用できませんが、保証型の場合には、取扱機関によっては、このように借換えにも利用できます。
また、融資額の上限も、買取型は購入価額等の90%までですが、保証型では100%まで借り入れ可能な商品もあります。その他、団体信用生命保険や繰上返済の取扱も、「買取型」とは異なっています。
「保証型」の魅力としては、金融機関によっては取得価額等の100%まで融資可能なこと、そして、借換えにも利用できるという点です。自己資金が少ないが、今後の金利上昇の可能性から、長期固定金利の住宅ローンを利用して、今購入したい、という場合には選択肢の一つとなってきます。また、やはり、今後の金利上昇リスクを回避するために、長期固定に借換えを、と考えている方にとっても選択肢となるでしょう。