第179回
旅行シーズン!トラベルローンはこう使う
- 来春、就職内定が決まりました。3月の卒業時期は引越しや入社準備で忙しいため、今年の夏にメキシコへ卒業旅行に行こうと考えています。ただし、旅行費用が少し足りません。インターネット等でトラベルローンなどの広告を見かけるのですが、学生は利用できるのでしょうか?(22歳、男性)
- トラベルローンは、多くの場合、安定した収入があることが条件の一つ。したがって、基本的には、学生が銀行などの「トラベルローン」を利用するのは難しいでしょう。学生専用ローンを申し込むか、親権者などの連帯保証人を立てて申し込むなど、工夫が必要です。
旅行費用はどれくらいかかる?
7月上旬、大手旅行会社JTBでは、今年の夏休みの海外旅行者は、251万人と前年比5.0%アップしたと発表しました。
家族旅行活況のため、ハワイやグアム・サイパンが相変わらずの人気ぶりですが、サッカーのワールドカップなどで関心が高まった欧州も36万1000人(前年比6.2%プラス)の見込みだそうです。気になる海外旅行の平均費用については、欧州人気が要因で、22万2,500円(前年比3.7%プラス)となっています。
トラベルローンの特徴は?
国内外を問わず、旅行にはさまざまな思い出がつきもの。卒業旅行も一生に一度の大切な思い出です。
やはり、旅行費用は計画的にきちんと貯蓄しておきましょうといいたいところですが、「行けばよかった・・・」と後で後悔することのないよう、とにかく、旅行資金を準備するためにトラベルローンを利用する方法もあります。
トラベルローンは、無担保の目的別ローンの一つで、銀行やカード会社などさまざまな金融機関で取り扱っています。
申し込みの条件は、20歳以上65歳未満で、安定した収入・一定期間以上の勤続年数が必要。融資金額は、1万円~300万円まで、返済期間3~7年などが多く、原則、保証人・担保は不要です。 例えば、千葉銀行「トラベルローン」の場合、最高300万円まで。最長7年で固定金利と変動金利を選べる上、ポイントサービス<ひまわり宣言>で最大年1.0%金利優遇があります。
したがって、ご相談者のような学生や主婦などの場合、一般的なトラベルローンへの申し込みは難しいといえます。
ただし、申し込みの条件は、金融機関・商品によって異なりますし、融資額を減額して利用できる場合や、連帯保証人をつけるなど条件つきで申し込みが可能な商品もあります。
トラベルローンの注意点は?
そんなトラベルローンですが、利用の際には、いくつか注意点があります。
まずは、できるだけ低金利なものを選ぶこと。利用頻度に応じたポイントサービスによる金利優遇も見逃せませんし、銀行によっては、トラベルローン利用者に、トラベラーズチェック発行手数料・外貨両替手数料(米ドルなど)がお得になる特典がある場合も。 また、利用額が少額であっても、繰り上げ返済などで完済可能かどうか、返済方法の自由度もチェック。 このほかにも、何に利用できるかどうかも事前に確認が必要です。
多くのトラベルローンの場合、旅行代金はもちろんのこと現地での滞在費やお小遣いも含めて借りることができますが、申し込み先によって、対象外のものもあります。
トラベルローンも賢く利用して、楽しい思い出を作る旅行にしたいものです。
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私が書きました
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、第2種情報処理技術者、初級システムアドミニストレータ。
92年大学卒業後、日本総合研究所に入社。約5年3ヶ月間、システム開発に携る。退社後、98年ファイナンシャル・プランナーとして独立。 まったくの異業種からの転職のため、できるだけ幅広いテーマを手掛けるようにしている。雑誌・インターネットなどの連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などを行う。モットーは「夢をカタチに」。現在、夫1人&猫1匹と暮らす。
※執筆日:2006年08月14日