第166回
自動車ローン、固定金利が高いとは限らない
- これから自動車ローンを借りようと思っていますが、今後金利が上がるのではないかと心配です。どのようなローンを選んだらよいでしょうか?
- 金利上昇期は固定金利を選ぶのが王道。最近は固定金利でも金利が低いものもあるので、なるべく有利なものを探して選びましょう。
固定金利と変動金利
ローンの金利タイプは大きく固定金利と変動金利に分けられます。固定金利は、借入れした時の金利がローンを完済するまで適用されます。
一方変動金利は、通常短期プライムレートという金利に連動しており、この金利が動けばローンの適用金利もかわります。
ただし、金利の見直し時期は半年ごとという金融機関もあれば、毎月見直しを行う金融機関もあるので、変動金利を利用する際には金利見直し時期についても確認しましょう。
さて、固定金利と変動金利では、金利はどのように違うのでしょうか?
通常、同じ時点での金利を比較すると固定金利の方が変動金利より高く設定されています。ついつい金利の低い方に目がいってしまいがちですが、借入れ後金利が上昇すれば、結果固定金利の有利だったということもあります。
<例> 借入額300万円 返済期間5年
・固定金利 3%の場合
毎月返済額 53,906円
総返済額約 323万円
・変動金利 2.5%の場合 半年に金利が0.3%ずつ上昇したら
毎月返済額 1~6回 53,242円
・
・(中略)
・
56~60回 55,093円
総返済額約 326万円
固定金利でも金利が低いものもある
上記のように、当初変動金利の方がかなり低い場合でも、今後金利が上昇すれば総返済額で不利に転じてしまうこともあります。
さらに、自動車ローンの最近の金利を見てみると、固定金利でも変動金利と大差のない商品が出ています。
<固定金利で比較的金利が低い自動車ローン>(2006年5月の金利)
・日立自動車ローンV5(新車) 2.6~2.9%
・損保ジャパンNET新車購入ローン(N250) 2.9%
変動金利で金利が低いものでも2.9%前後の金利ですので、ほぼ同じ金利水準で固定金利のものを借入れすることも可能となっています。これは他のローン商品では見られない自動車ローンならではの現象でもあります。
今後の金利上昇が気になる場合には、このような固定金利の中でも金利の低いものを選んで利用すると安心感が高まります。