第165回

ゼロ金利政策、解除目前!?どーする住宅ローン

住宅ローンを3年固定の固定金利選択型で借りている者です。このところ金利が上がり続けているので漠然とした不安を感じています。どう対処したらいいのでしょう?(千葉県・FTさん)
ゼロ金利解除で金利が大きくアップしてしまう前に、借換えをするのも1つの方法です。

ゼロ金利政策解除で本格的な金利上昇も!

日本の景気回復を見越して、3月、日銀は量的緩和政策の解除を実施しました。それに続き、ゼロ金利政策も解除のときが近づいているようです。

変動金利以外の住宅ローンの金利は、2月くらいから上昇傾向にあり、FTさんがおっしゃるようにじわじわと上がっています。ゼロ金利政策が解除されると、変動金利も上昇に転じ、全般に金利が上がることが見込まれます。今後は、金利上昇を視野に入れたローン返済を検討する必要があることは確かなようです。

さて、FTさんが借りている「固定金利選択型」は、一定期間は金利が変わらないタイプの住宅ローンです。固定金利選択型でも、固定期間が1~5年などと短いものと、10年、15年、20年などと長いものとがあるわけですが、とくに注意すべきは、短い固定期間のローンです。

変動金利型や、FTさんのように短期の固定金利選択型で借りている方のうち、"金利変動リスク"を取れない方は、本格的な金利上昇が始まる前に全期間固定や少しでも長期の固定金利選択型に借換えをしましょう。予想以上に大幅な金利上昇があった場合の、家計への負担が重くなることを回避できます。

金利がある程度上がって、返済額がアップしたときでも特に問題なく返済できる場合には、「金利変動リスクが取れる方」といえます。逆に、金利が上昇して返済額がアップしたときに、家計が厳しい状態に陥りかねない場合は「金利変動リスクが取れない方」です。

ちなみに、3,000万円を30年返済、3年固定1%で借りていて、4年目の適用金利が上がった場合の例は下記のとおりです。変動金利の過去20年間の平均が約4.5%だったことを考えると、決して大げさな数字ではありません。

<返済額の変化>
月返済額 96,492円
   ↓
4年目 3% 123,440円(+26,948円)
     4% 138,368円(+41,876円)
     5% 154,207円(+57,715円)

借換えで金利上昇に備える

FTさんは金利変動リスクが取れる方ですか?取れない方でしょうか? 

もし後者であるなら、金利が本格的に上昇しないうちに借換えを検討された方がいいでしょう。借換えは、別の金融機関で新規に借り入れ、元のローンを返してしまう方法です。

借換えローンは イーローンのサイトで検索・比較できますが、長期固定なら SBIモーゲージが候補となります。事務手数料は他よりもかかりますが、保証料は無料で、繰上返済も1万円から可能で、ネットで行えば手数料は無料です。また、10年固定や15年固定などを検討されるのであれば、 ソニー銀行が候補に。保証料もありません。

転職後間もない人や収入が大きく下がった方、持病があって新たに保険に入れない方、他の借金(マイカーローン、教育ローンなど)が増えた方、担保が大きく割れている場合など、借換えができないこともありますので、金融機関で相談をしましょう。

  →SBIモーゲージの相談サービス

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豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。

※執筆日:2006年05月05日