第1126回NEW
リフォーム詐欺の最新手口は?対処法を学んで被害を防ごう!
- 高齢の親が訪問販売で訪れた業者と実家のリフォーム契約を結んで工事をしようとしていることがわかりました。適切な工事なのか心配です。どこに相談すればよいのでしょうか。(会社員 55歳)
- 訪問販売による工事契約はクーリング・オフの対象ですので、期間内でしたら契約解除は可能かと思われます。適切な専門機関にも相談するとよいでしょう。

リフォーム詐欺の最新手口は?
最近、悪質なリフォーム業者が無許可で工事を繰り返し、逮捕されたという報道がありました。国民生活センターによると、「突然自宅に来た業者に契約をせかされて不要なリフォーム工事をした」といった訪問販売によるトラブルや、点検に来たと言って来訪した業者に「工事をしないと危険」と言われ契約した「点検商法」による相談が年々増加しているとのことです。
PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された相談件数の推移
年度 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
相談件数(※) | 9,756 | 10,099 | 11,861 | 1,308(前年同期 1,246) |
年度 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
相談件数(※) | 7,435 | 8,165 | 12,510 | 1,760(前年同期 1,092) |
(※)相談件数は2024年5月31日現在(消費生活センター等からの経由相談は含まず)
(出典:独立行政法人国民生活センターホームページ )
必要のない工事を契約し、高額な工事代金を支払うことにならないために、リフォーム詐欺の特徴を知っておくことが大切です。
リフォーム詐欺の例
- 自宅に「近所で工事中なので無料点検サービスをしている」と訪問してきて、屋根や床下の点検をしようとする
- 今すぐ工事をしないと、大変なことになる、と不安を煽ってくる
- 今なら割引価格で工事ができる、と急いで契約をしようとする
- 法律が変わったので、省エネ基準を満たさない住宅は罰金を払わなければならない、と虚偽の情報を伝えてくる
このように、突然自宅を訪問して「無料」や「今だけ」というようなキャッチコピーで勧誘をしたり、不安を煽って急いで契約を結ばせたりするような業者は、注意が必要です。
建築物省エネ法の対象は2025年4月以降の新築や増築の住宅ですので、既存の住宅は対象外です。消費者庁のホームページには、建築物省エネ法の改正に伴い、省エネのリフォームを勧める悪質な事業者が突然訪問するかもしれないので注意するように、と喚起 されています。
詐欺かも?と思った時の対処法
リフォームの契約を結んだ後、「もしかして、詐欺かも?」と思った場合の対処法として有効なのは、クーリング・オフです。訪問販売で商品の勧誘を受けた場合、法律で決められた契約書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、書面又は電磁的記録(電子メール等)により申込みの撤回や契約の解除ができるのです。書面で郵送する場合には、引受消印が8日以内なら有効です。簡易書留や特定郵便などで発送の記録が残る方法で行うのがよいでしょう。
クーリング・オフの通知書の例
「これは適切な工事なのだろうか?」と不安な場合や、クーリング・オフの方法がわからない場合は、「消費者ホットライン188」や、「住まいるダイヤル(国土交通大臣指定の住まいの相談窓口)」などに相談することをお勧めします。クーリング・オフの期間を過ぎている場合でも、消費者契約法等の法律によって対応が可能になるケースもあります。特に高齢者の方は、判断力が衰えている場合もありますのでご家族のサポートも必要でしょう。リフォーム工事はすぐに契約をせず、見積りを取った上できちんと資金計画を立てて、安心して任せられる業者に依頼するようにしましょう。
私が書きました

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。
大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。
※執筆日:2025年04月11日
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