第1119回NEW

中古マンションは購入とセットでリフォームも検討しよう

マイホーム購入を検討中です。予算の都合もあり中古マンションを購入してリフォームしようと考えています。メリットやデメリット、注意点を教えてください。(会社員 36歳)
中古マンションを購入し、リフォームを行う場合、新築マンションを購入するより費用を抑えやすい点が魅力です。費用を抑えられれば選択肢を広げることも可能です。ただし注意点もありますので、しっかりと理解した上で進めましょう。
新しいキッチンに立つ女性

中古マンションのリフォームのメリット・デメリット

物価上昇や円安による建築コストの高止まりや金利上昇などにより、新築マンションに手を出しにくい状況が今後も続くと見られています。一方、マンション市場の約9割を占める中古マンションは、需給バランスが価格に大きな影響を与えるため、今後の住宅購入の主要な選択肢となります。中古マンションを購入しリフォームする場合のメリットとデメリットを確認してみましょう。

中古マンションを購入しリフォームする場合のメリットとしてまず挙げられるのは、新築マンションと比べて費用を抑えやすい点でしょう。築年数やリフォームの規模にもよりますが、中古マンションの購入費用とリフォーム費用を合わせても、新築マンションを購入するよりも費用を抑えつつ新築マンションに劣らない居住性を実現することが可能です。

また、好立地の物件を見つけやすい点も魅力です。立地条件の良い新築物件は数が少なく価格も高額ですが、中古物件であれば好立地の物件を選択肢に入れることができます。さらに、中古物件は日当たりや風通し、入居者の様子などの生活環境を事前に確認できます。

一方、デメリットとしてまず知っておきたいのは、建物の構造などによってはリフォームが制限される場合がある点です。住宅の状況によっては理想の間取りを実現できない場合があることは理解しておきましょう。

また、中古物件は新築物件と比べると耐震構造や断熱性能に不安が残ることがあります。新築並みの性能を求めると工事が大規模かつ高額になる場合がある点には注意が必要です。

資金計画には余裕を持たせて

中古マンションを購入してリフォームする場合、住宅の購入費用とリフォーム費用が必要になります。物件価格はすぐにわかりますが、リフォーム費用はリフォーム会社に現地調査をしてもらい見積もりを出してもらうまでわかりません。あれもこれもと希望を詰め込んでしまったり、物件の状態によってはリフォーム工事を始めてから追加費用が必要になったりして、当初の想定よりも費用がかさんでしまう場合も考えられます。そういった事態にも対応できるよう、リフォームの優先順位を決めておくとともに、資金計画には余裕を持たせておきましょう。

資金の借り入れは、住宅ローンとリフォームローンを別々に借りる方法の他に、リフォーム一体型住宅ローンを利用する方法もあります。住宅ローンとリフォームローンを別々に借りる場合、2つのローンの返済が重なる期間の返済負担は大きくなりますが、リフォームローンを完済したあとは住宅ローンだけになるので負担は軽くなります。

リフォーム一体型住宅ローンは、低金利で長期返済の住宅ローンをリフォーム費用込みで利用できる商品です。リフォーム一体型住宅ローンを利用するには、住宅ローンの申込時にリフォーム工事額が確認できる必要があるため、スケジュールに余裕がありません。手続きをスムーズに進めるためにも、金融機関やリフォーム会社、不動産会社に早めに相談して段取りを組みましょう。

リフォームやリノベーションでは、国や自治体の補助金・助成金が利用できる場合もありますので、それらも忘れずに確認しておきましょう。

【参考リンク】

私が書きました

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宮野 真弓 (みやの まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。

※執筆日:2025年02月20日