第1106回NEW
普通車と軽自動車は何が違う?わかりやすく解説!
- 初めて車を購入します。維持コストが安く済むと聞き、軽自動車にしようと思っていますが、普通車との違いにはどんなことがありますか? (千葉県・Sさん)
- 普通車と軽自動車は主に、車両サイズや総排気量、総重量によって区分されています。それによって税金など購入時や所有している間の維持費に違いがありますので、よく理解して購入を決めるといいでしょう。
軽自動車は日本独自の規格で、その規格を超えた車が普通車に区分される
普通車と軽自動車の区分は、法律(道路運送車両法)によって定められています。軽自動車は日本独自の規格で2024年現在は以下のように車両サイズなどが決められています。
軽自動車 | 全長 | 3.4m以下 |
---|---|---|
全幅 | 1.48m以下 | |
全高 | 2.0m以下 | |
総排気量 | 660cc以下 |
普通車は、普通自動車(3ナンバー)と小型自動車(5、または7ナンバー)に分けられ、それぞれ以下のような規格になっています。
小型自動車 | 全長 | 4.7m以下 |
---|---|---|
全幅 | 1.7m以下 | |
全高 | 2.0m以下 | |
総排気量 | 660cc超2,000cc以下 | |
普通自動車 | 全長 | 4.7m以上 |
全幅 | 1.7m以上 | |
全高 | 2.0m以上 | |
総排気量 | 2,000cc超 |
軽自動車は車両サイズや排気量に明確な基準があり、それを超える車が普通車と考えればいいでしょう。ナンバープレートの色(軽自動車は黄色。ただし最近は別途料金を支払えば、記念プレートの白いナンバープレートを装着できる)の違いで簡単に見分けられるようになっています。
車の購入時にかかる費用、所有している間にかかる維持費に違いがある
普通車と軽自動車の規格の違いは、維持費に影響します。上記のように、軽自動車は明確に規格が定められている代わりに、税金や保険料などの維持費が安く、普通車よりも所有負担が軽いことが特徴として挙げられます。
購入時や所有している間にかかる費用として、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料がありますが、税金に関しては、普通車より、軽自動車は負担が軽くなっています。
自動車税(種別割)の税額(年額)は、総排気量が大きくなるにつれて高くなり、2019年10月1日以降登録の場合は次のようになります。
- 1,000㏄以下: 2万5,000円
- 1,000㏄超~1,500cc以下: 3万500円
- 1,500㏄超~2,000㏄以下: 3万6,000円
となり、500ccごとに税額が上がっていき、最高は6,000cc超の11万円です。軽自動車税(種別割)は一律で1万800円です。
自動車税は毎年支払うものです。軽自動車と普通車では税額負担が大きく異なることを理解しましょう。
自動車重量税は、文字通り、車両の重量に応じて購入時に支払い、以降、車検のときに車検代と一緒に次の車検までの年数分を支払うものです。軽自動車は2年で6,600円、0.5トン以下の普通車の場合は2年で8,200円。重量が0.5トン重くなるにつれて8,200円ずつ税額が増えていきます。
また、自動車重量税には、「エコカー減税」があり、軽自動車でも普通車でも、エコカー減税対象車であれば、燃費基準の達成度合いによって、免税もしくは減税されます。
このほか、自動車税環境性能割(以前の、自動車取得税に代わるもの)があり、新車・中古車を問わず、自動車を取得したときに支払う税金があります。税額は「自動車の通常の取得価額×税率」で決まりますが、燃費性能がよい車であれば、税率が低くなります。普通車で0~3%、軽自動車で0~2%と異なっています。
購入時の諸費用や維持にかかる費用をシミュレーションし、余裕のある資金計画を
税金以外に必要な費用として、自賠責保険と任意加入の自動車保険があります。自賠責保険は購入時に加入が強制されており、すべての人が加入しますが、補償の範囲が限定的なため、任意で自動車保険に加入することが重要です。自賠責保険は、地域によって保険料が異なりますが、軽自動車と普通車でそれほど金額に違いはありません。任意加入の自動車保険は、車種や走行距離、車の性能、加入者の年齢などによって保険料が決まりますが、軽自動車のほうが安く済む傾向にはあります。
こうした税金や保険以外にも、軽自動車は高速料金が普通車より安く済み、重量が軽いため普通車より燃費が良いと言われており、日常の車の使い方でもコストに差が出てくることも覚えておきましょう。
購入にあたっては、車本体の価格だけではなく、諸費用をしっかりチェックし、資金不足にならないよう注意してください。金融機関が取り扱うマイカーローンを利用する場合、車両の購入費用のみを対象とする商品と、オプションやカー用品、車検費用などまで対象とする商品があります。どういう用途でマイカーローンを利用するのか決めておくといいでしょう。
マイカーローンは、軽自動車と普通車で借り入れの条件が変わることはなく、契約者の年齢や収入、勤続年数などによって審査が行われます。借入可能額は1,000万円などと比較的高めに設定されていることが多いのですが、必要な金額だけを借りるようにし、しっかりとした返済計画を立てることがなによりも大事です。日常的にかかるガソリン代や毎月かかる保険料、年単位でかかる税金や車検費用など、車を所有した場合にはさまざまな維持費がかかります。いくらまでなら家計から支出できるかシミュレーションをして、無理のない借り入れにとどめるようにしたいものです。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。
大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。
※執筆日:2024年11月18日