第1095回
自宅の不動産価値の相場を簡単に調べる方法は?
- まとまった資金が必要になりそうで、借り入れを検討しています。自宅を担保にした不動産担保ローンを利用する場合、どれくらいの金額を借りられるか目安を知る方法はありますか?(50代 会社員)
- 不動産担保ローンの借入可能額の目安は、担保不動産の評価額(時価)×担保掛目(60%~80%)程度といわれています。担保不動産の評価にはいくつかの方法があり、金融機関によって評価方法も変わります。簡易的な方法として、自宅の周辺相場を参考にする方法もあります。
不動産担保ローンの借入可能額の目安は?
不動産担保ローンは、自宅などの不動産を担保とした借り入れで、無担保ローンと比べると、比較的大きな金額を長期間、低金利で借りることができます。個人向けの場合、資金使途は原則自由であるため、教育資金やマイカー購入資金、生活費や債務の1本化など幅広い用途での利用が可能です。
ただし、不動産があれば必ず借りられるというわけではありません。不動産担保ローンの借入可能額は、担保となる不動産の評価額が大きく影響します。担保不動産の評価額(時価)に担保掛目と呼ばれる一定比率を乗じたものが担保評価額です。担保掛目は金融機関によって異なりますが、60〜80%程度といわれています。例えば、不動産評価額が2,000万円の場合、担保評価額の目安は1,200万円~1,600万円と考えられます。この担保評価額がそのまま借入可能額となるわけではなく、申込者の収入や職業、勤続年数、信用情報、他社からの借入状況なども考慮して決定されます。
不動産の評価額の調べ方は?
築年数の長い戸建住宅の場合、建物自体の担保価値は低く評価される傾向にあるため、今回は土地の評価額についてお伝えします。
土地の評価額は一般的に、国土交通省の公示地価、都道府県の基準地価、国税庁の路線価などを基に、金融機関が独自に算出します。路線価は国税庁のホームページにある「路線価図・評価倍率表」から、公示価格や基準地価は国土交通省による「不動産情報ライブラリー」から調べることができます。なお、路線価は公示地価の8割相当とされています。
また、簡易的な方法として、自宅の周辺相場を参考にする方法もあります。不動産情報サイトで自宅周辺の販売物件情報を調べることでおおよその相場観をつかむことが出来るでしょう。また、最近では登録無料で利用できる査定の簡易シミュレーションもありますので、活用してみるとよいでしょう。
不動産担保ローンを利用するときの注意点
不動産担保ローンの借入可能額や金利、融資条件などは金融機関により異なります。審査には時間がかかり、抵当権を設定するための登記費用などの諸費用も必要です。早めに情報収集をし、複数の金融機関で見積もりを取るなどしてより有利な条件で借りられる金融機関を選びましょう。
万一、返済が滞ってしまった場合には自宅を手放すことになりかねません。そういった事態を避けるためにも、借入可能額だけでなく、無理なく返済できる金額も意識して借り入れを検討しましょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。
大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。
※執筆日:2024年08月26日