第1094回
欲しかった商品が値上げ宣言! カードローンで今すぐ購入するのはあり?
- 冬のボーナスで家電の買い換えを検討していますが、最近、食品以外でも家電などの高額商品も値上げされているというニュースを目にし、値上げされる前に買ったほうがいいのか悩んでいます。ただ、余裕資金がないので、カードローンの利用をすることになりますが、ボーナスまで待ったほうがいいでしょうか?(東京都 Mさん)
- 円安傾向などの影響もあり、食品だけではなく大型家電やパソコン、スマートフォンなどのデバイスも価格が上昇しています。購入希望の商品の値上げが公表されているのであれば、その前に購入したくなる気持ちも理解できます。カードローンを利用するのであれば、金利などの条件を確認し、無理のない利用額にとどめるようにしましょう。
値上げが確実なら、カードローンを賢く使うのも手。ただし、安く買える方法の検討も必要
昨今の異常気象などによる原材料費の高騰や、円安の進行、物流コストの増加などにより、値上げラッシュが続いています。水道料金や電気料金など生活に欠かせないライフラインでも値上げの波が押し寄せ、家計管理はますます苦しい局面になってきています。
家電製品の購入、買い換えなども、快適な生活を送るうえで、欠かせない出費です。故障によるものであれば、時期を問わず買い換えせざるを得ないため、預貯金から工面することになるでしょう。購入、買い換えが必要であっても、ボーナス時期まで待てるなら、それがベストかもしれません。
しかし、この先、物価上昇が続くと予想されるなか、希望する商品が値上げされることも考えられます。資金的な余裕があれば、今のうちに希望する商品を購入するのもひとつの考え方でしょう。問題は資金的な余裕がない場合です。
ご相談者のようにカードローンを一時的に利用し、ボーナスが出たら返済する、という考え方もあるでしょう。値上げ前にカードローンを利用して購入するほうが支払い利息を考慮しても、結果的に安く済むケースもあります。ただし、家電などは、家電量販店の決算時期や年末セールなどでおトクに購入できるものや、新商品が発売されたタイミングで旧タイプが値下げされることもあります。
カードローンを利用して今すぐ購入しなければならないモノでなければ、値上げのニュースに惑わされることなく、冷静に判断することも大切です。
金利と返済期間でカードローンが得かどうかは判断が変わる
カードローンを利用する場合の判断基準として、商品の値上げ幅よりも、カードローンの利息のほうが下回る可能性が高いかどうかという点が挙げられます。
例えば、50万円(税込み55万円)の商品が10%の値上げを予定しているとします。値上げ後は55万円(税込み60万5000円)です。値上げによって5万5000円支払いが多くなってしまいます。
カードローンを利用して値上げ前の50万円(税込み55万円)で購入し、金利と返済期間次第で5万5000円より少なくて済めば利用価値はあるでしょう。
カードローン金利15.0%、返済期間90日間の場合、「55万円×15.0%×90日÷365日=2万342円」が支払い利息となり、値上げ後に購入するよりも少なくてすみます。
ただし、同じ条件で返済期間1年とすると、「55万円×15.0%」=8万2500円が支払い利息となってしまいます。カードローンを利用するなら、いかに早く返済できるかが大事であるということです。
カードローン利用の注意点も事前にチェックし、無理な借り入れはしないこと
上記の例では、金利を15.0%としましたが、カードローンの場合、年収や勤続年数、利用額などによって適用金利が変わります。また、利用する金融機関によっても金利が異なります。一般的に、消費者金融のカードローンは、銀行のカードローンに比べると融資までの期間が短い一方、金利は高い傾向があります。
審査スピード、即日融資を優先するのか、金利を優先するのかによっても利用する金融機関は変わってきますが、緊急性のある資金でなければ、できるだけ金利の低いカードローンを利用し、できるだけ早く返済することが、何よりも重要です。
カードローンを申込むと限度額が提示され、その範囲内であれば何度も借り入れができることになりますが、くれぐれも目的を見失わず、借り入れは確実に返済できる金額にとどめるようにしましょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。
大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。
※執筆日:2024年08月26日