第1081回
ボーナスを期待してフリーローンを利用!気をつけることは?
- 今年度は、私の勤務先でも、昨年以上の賃上げがありました。そのため、夏休みには数年ぶりに家族4人で海外旅行をしようと考えています。円安のため出費はかさみますが、今夏のボーナスも期待できそうなので、フリーローンを利用して早めに申込みをして、ボーナスを受け取った後に繰上返済しようと思っています。フリーローンを利用する上での注意点があれば教えて下さい。(千葉県 会社員 45歳 男性)
- フリーローンは、借入金の使途が限定されないローンですので、旅行代金などにも利用できます。なお、借入限度額内で自由に何度でも借り入れ可能なカードローンと異なり、1回の申込みで1回のみしか借り入れできせん。追加で借り入れる場合には、改めて申込みをして審査を受ける必要があります。返済プランが立てやすいメリットはありますが、必要額をあらかじめ明確にして、借り入れ後に不足が生じないようにすることなどが大切です。
フリーローンは、カードローンより金利水準が低め!
フリーローンは、金銭消費貸借契約を交わした上で行われる貸付サービスで、資金使途に制限がない個人向けのローンで、無担保と有担保の商品があります。カードローンは資金使途制限なし・個人向けローンという点では無担保のフリーローンと似ていますが、カードローンは審査時に設定された借入限度額の範囲内で何度でも借り入れができる「極度貸付」であるのに対して、フリーローンは1回の契約で1回のみしか借り入れができない「証書貸付」です。そのため、借り過ぎを防ぐ効果が期待できます。また、一般的に、フリーローンのほうがカードローンより金利は低めに、借入可能額は多めに設定されているなどの特徴があります。
契約後は、借り入れた金額を、契約時に決めた金利タイプや期間、方式で返済することになるため、返済計画が立てやすいメリットもあります。もちろん、繰上返済をして負担を軽減することもできます。
フリーローンは、一時的に必要になった、まとまった資金の借り入れに適しているといえるでしょう。旅行費用に限らず、家具・家電の購入費用、引越し費用、冠婚葬祭の費用等、さまざまな使途で利用することができます。ただし、事業性資金や投機性資金としての利用は不可としている金融機関が多いようです。
資金不足が生じないよう、借入額を事前にしっかりと見積もること!
フリーローンは、1回の契約で1回しか借り入れしかできません。追加で借り入れる場合は、あらためて申込み、審査を経て契約を交わす必要があります。借りたあとで資金不足が生じて慌てないようにするには、借入金額を決める前に、必要額をしっかりと見積もる必要があります。万が一不足が生じた場合には、手元の貯蓄でカバーできるようにするなどの工夫も必要です。
フリーローンを選ぶときのチェックポイントは?
フリーローンは、主に銀行、信用金庫、信用組合、JAバンクなどが取り扱っています。
金融機関を絞り込むときに注意すべき主なポイントは次の通りです。金融機関によってそれぞれ条件等が異なるため、しっかりとチェックをする必要があります。
項目 | ポイント |
---|---|
地域 | 居住地や勤務地を限定/全国対応可能 |
契約方法 | 店頭/郵送/WEB完結 ※借入金額等によって対応を分けている金融機関あり |
返済用口座 | 借入金融機関の口座が指定される場合が多い |
金利タイプ | 固定金利/変動金利 |
適用金利 | 各金融機関の審査を経て決定 |
事務手数料 | あり/なし ※ありの場合は、金額の確認 |
ボーナス返済 | あり/なし |
団体信用生命保険 | あり/なし 「あり」でも任意加入の場合あり |
繰上返済手数料 | 必要/不要 ※必要な場合は、金額の確認 |
上記のポイントを参考に、ある程度金融機関を絞り込んだ後は、金融機関が独自に設定している細かい条件を確認する必要があります。
金利は、多くの金融機関が、最低金利から最高金利までの幅を10ポイント程度持たせており、実際の適用金利は審査を経て決定するとしています。適用金利は、返済負担に大きな影響を及ぼすため、複数の金融機関の審査結果を比較し、できるだけ返済負担が軽いものを選ぶようにしましょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。FPオフィス・ワーク・ワークス 代表。
教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。
※執筆日:2024年05月23日