第1055回

ローンの審査に関わる「信用情報」とは?

これからローンを利用する予定ですが、信用情報に注意した方がいいという話を耳にしました。信用情報とはどのようなもので、どのように気を付ければいいのでしょう?(Hさん、会社員・30歳、神奈川県在住)
ローンの申込みをした際に、信用情報がチェックされます。信用情報を正しく理解し、日ごろから、信用情報に傷をつける行動を避けることが大事です。

信用情報とは?

信用情報とは、代金後払いとなるクレジット(販売信用)や、ローン等について、利用状況や返済状況などの履歴が記録されたものを指します。具体的に記録されているのは、氏名や生年月日、住所などの個人情報のほか、クレジットやローンの契約内容や返済状況、借入残高などです。

この信用情報は、クレジットカードを作って利用したり、各種ローンを借りる際に、金融機関等が貸し出す個人について、信用できる相手か、支払い能力があるかどうかなどを確認するために活用されます。住宅ローンや自動車ローン等を借りる際にも、カードローンを利用する際にも参照されます。

信用情報として活用されるデータを記録・管理している信用情報機関としては、次の3つがあります。

  • CIC(株式会社シー・アイ・シー)
  • JICC(株式会社日本信用情報機構)
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター)

このうち、CICとJICCはカードローンやクレジットカードの信用情報、KSCは全国銀行個人信用情報センターに加盟している銀行からの借り入れに関する信用情報を扱っています。信用情報機関に対して本人情報開示を求め、確認することもできます。

信用情報を傷つける行動に注意!

信用情報に問題があると、クレジットカードが作れない・更新できない、ローンが借りられないといったことが起こる可能性があります。信用情報を傷つける行動にはどのようなものがあるか、例を挙げてみます。

延滞

クレジットカードやローン返済を一定以上延滞すると、記録に残ります。クレジットカード払いの携帯料金や電話本体の分割払いの延滞も記録されます。また、奨学金の3カ月上の延滞も、CICやKSCに登録されます。

短期間に複数の申込み

短期間でクレジットカードを何枚も作成したり、ローンを申込んだりすると、多重債務のリスクがあるとみなされる可能性があります。

短期間での解約

クレジットカードのキャンペーン狙いなどで起こりがちですが、短期間で解約したり、新たな申込みを繰り返す行為もチェックされます。

他社借入金額でウソをつく

審査に通りたいと思うあまり、他社の借入金額を実際より小さく回答する人もいます。金額の差が大きく、ウソをついたと思われると、それも信用情報に記録される場合があります。

高額商品の現金化はNG

ギフト券や高額商品の大量購入も注意が必要です。万が一、購入商品の現金化などをした場合、クレジットカードは利用停止となりその履歴も残ります。

登録された情報は、例えば延滞の場合は、解消して5年経過すると登録情報が消えるとされています。いずれにしても、安心してローンを利用するために、これらの行動は避けるよう注意しましょう。

【参考リンク】

私が書きました

豊田 眞弓 の写真

豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。

※執筆日:2023年11月27日