第1034回
マイカーローンの借り換えメリットは?シミュレーションで確認を!
- コロナ禍の影響で収入が減ってしまい、銀行のマイカーローンは難しいと言われ、ディーラーローンを組んで新車を購入しました。今年に入り、収入が回復したので、銀行の低金利のマイカーローンに借り換えたいと思っています。注意すべき点を教えてください。(神奈川県・Mさん)
- ローンの借り換えで一番大事なことは、今より金利がどの程度低くなるかです。毎月の返済負担がどのくらい軽減されるか、事前にシミュレーションしておくようにしましょう。
ディーラーローンは自動車メーカー、販売店、車種によって異なる
銀行のマイカーローンへの借り換えを検討する前に、今、利用しているディーラーローンの金利を確認してください。ディーラーローンは、自動車メーカーの信販会社が取り扱っており、適用される金利は自動車メーカーごとに異なります。また、同じ自動車メーカーでも販売会社や車種によって、金利が異なることもあります。
金利は、約3.0%のメーカーもあれば、最大8%台のメーカーもあります。さらに、年末や年度末などにキャンペーン金利を提示することもありますので、現在利用しているローン金利が何%なのかを確認することが大事です。
銀行のマイカーローンは、契約者の収入や借入金額などによって適用金利が変わる
銀行のマイカーローンは、金融機関によって借り入れの条件が異なりますが、概ね、ディーラーローンや他の金融機関からの借り換えは可能です。提示されている金利には幅があり、1.0%前後~5.0%程度が多いようです。実際に適用される金利は、契約者の収入や借入金額などによって決まります。
新車、中古車、借り換えでも審査の条件は同じですが、借り換えのときに注意が必要なのは、返済期間です。通常は最長10年ですが、借り換えの場合は、最初の返済期間を考慮した残存期間が上限となります。残価設定型ローンの借り換えの場合は、借り換え前のローンの当初実行日から10年以内、などの条件が加味されます。
申込み後、仮審査の結果は即日~3日程度でわかる金融機関がほとんどですが、申込み時に必要となる書類もありますので、事前に準備しておくようにしましょう。さらに本審査に進むと、正式な審査に必要な書類の提出があります。適用金利は本審査後に決定となります。
借り換えで返済負担がどの程度減るか、シミュレーションで確認を
金利差があまりない場合、借り換えでの返済負担がそれほど変わらないケースも考えられます。事前にしっかりと試算をして確認しておきましょう。
200万円を借り換えた場合(残り返済期間4年)
- ディーラーローン(借り換えせず返済を継続)
- 金利:5%(固定金利・保証料無)
- 毎月の返済額:4万6,059円
- 4年間の返済総額:221万832円
- 銀行のマイカーローン(借り換え後)
- 金利:2.0%(変動金利・保証料込)
- 毎月の返済額:4万3,390円
- 4年間の返済総額:208万2,720円
- 毎月返済額の差額:2,669円
- 4年間の返済総額の差額:12万8,112円
【参考リンク】
ディーラーローンで新車を購入し、返済開始から1年後の残債200万円を銀行のマイカーローンに4年返済で借り換えた場合の簡易シミュレーションです。借り換えるローンの保証料負担の有無を考慮し試算してください。毎月の返済負担は2,669円軽減され、4年での返済総額では約13万円の差があります。金利や借入金額によって差は異なりますので、こうした試算をしてみて、借り換えするか検討してみるといいでしょう。
この試算には、ディーラーローンの一括返済にかかる手数料、借り換えるローンの事務手数料が加味されていません。手数料などの諸費用は、ディーラーや金融機関によって取り扱いが異なります。諸費用の金額は借り換えの効果に影響を与えますので、しっかり確認しておきましょう。
世界的な半導体不足などの影響で新車の納車遅れや、最近では原材料費の高騰などで新車価格の値上げも懸念されています。しかし、マイカー購入を検討する際に、焦りは禁物です。車種を検討すると同時に、無理のない返済計画を立てることも大事です。また、金利状況も変化しています。自分にとってベストな選択になるよう、ローン商品の比較検討も十分に行うようにしましょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。
大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。
※執筆日:2023年07月03日