第836回

MBAを取得するメリットは?可能性も広がる?

自分自身を変えてキャリアの転機にしたいと、漠然と大学院でMBAを取りたいと考えるようになりました。 MBAを取得するとどのように可能性が広がるのでしょう。 また、教育訓練給付制度も利用できると聞きましたが本当でしょうか?(Oさん 会社員30歳)
MBAを取得するメリットはさまざまなものがあります。 ただし、本当の意味で可能性を広げられるかどうかは自分次第。 国内の大学院の中には教育訓練給付制度の対象になっているところもあるので、上手に活用しましょう。

MBA(経営管理修士・経営学修士)とは?

まず、Oさんが取りたいと考えているMBAとはどのようなものかについて整理してみましょう。

MBAは「Master of Business Administration」の略で、高度な経営学を学ぶビジネススクールの修了者に与えられる学位です。 日本では、大学院で経営学の修士過程を修了することで与えられます。

財務会計やマーケティング、統計学、経済学など、経営者に必要な知識と技術を体系的に学びます。 特徴的なのは、プレゼンテーションやディベートを行ったり、また、授業の中で実際に活躍している経営者やビジネスリーダーの話を聞く機会も多く、実践的に学べることでしょう。

MBAを取得するメリットを整理すると、次のようなものが挙げられます。

・得られたスキルや知識だけでなく人脈が重要な財産となる
・経営学に関する高度な知識とスキルが評価され採用や昇格で有利になることも
・企業内では幹部候補生などに抜擢されることも
・経営コンサルタントとして活躍する道も広がる
・起業家として活躍する人も

MBA取得は海外?国内?

MBAは留学をして海外で取得する方法と、国内で取得する方法とがあります。 海外で取得する場合は、語学力を身に付けることができ、グローバルな人脈を作ることもできます。 一方、最近は日本国内で取得する人も増えています。

国内で、しかも夜間やオンライン型(通信制)であれば、今の仕事を続けながらMBAを取得することも可能です。

Oさんも注目しているようですが、国内の大学院でMBAを取得する場合、大学院によっては、雇用保険の「教育訓練給付制度」のうち「専門実践教育訓練」の対象になっているところもあります。 雇用保険の加入期間などの要件に合えば、修了すると給付金も受けられます。 SBIグループが運営するオンライン型大学院のSBI大学院大学の例では最大112万円です。

学費はどう捻出する?

MBA取得のための学費は高額なものが多く、特に海外留学の場合は生活費などもかかります。Oさんは国内で働きながら国内の大学院での取得を目指すようですが、それでも学費は高めです。 貯蓄で不足する分については、日本学生支援機構の奨学金を活用するのも1つの方法です。

入学金や学費の払込などまとまった資金が必要な場合や、奨学金が利用できない、あるいは不足する場合には、教育ローンを利用する方法もあります。 教育訓練給付制度の給付金をアテにしていても給付はあくまでも修了後となるため、それまでのつなぎ資金としても利用できます。

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私が書きました

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豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。

※執筆日:2019年08月20日