第689回
まもなく大学の後期授業料納付時期!納付金の準備は大丈夫?
- 自宅外から大学に通う息子がいます。3年生になり就活準備に入るため、アルバイトも減らさなければならないと相談を受けました。授業料等は貯蓄で準備していましたが、仕送りを増やすとなると、資金が不足するかもしれません。 何か良い方法があったら教えてください。(Tさん 会社員 54歳)
- 10月から11月にかけては、一般的に大学の後期授業料の納付時期になります。大学生活で思ったよりお金がかかり資金が不足しそうな場合は、早めに対策を立てておきましょう。
大学生活にかかるお金はどのくらい?
大学の授業料は、1年分を前期と後期に分けて納入するのが一般的ですので、10月から11月にかけては、後期の授業料を納入する時期になります。
国立大学の授業料は年額 535,800円と、ほぼ統一されていますが、私立大学の授業料は学校によって異なる他、文系や理系、学部によっても大きく異なります。 また、授業料だけでなく施設設備費等も学校や学部によって大きく異なります(下表参照)。後期の始まりに合わせて、これらの合計金額の半分を納付することになります。
区分 | 授業料(年額) | 施設設備費 | 合 計 |
私立文系学部 | 746,123円 | 158,118円 | 904,241円 |
---|---|---|---|
私立理系学部 | 1,048,763円 | 190,034円 | 1,238,797円 |
私立医歯系学部 | 2,737,037円 | 831,722円 | 3,568,759円 |
私立その他学部 | 951,119円 | 237,196円 | 1,188,315円 |
出典:文部科学省「平成26年度私立大学の入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」より抜粋
大学の学費が不足する場合の対策
この時期、後期授業料の準備をしておかなければならないことは分かっているはずですが、学業以外にも通学の定期代やサークル活動費、下宿する場合の生活費など予想外にお金がかかり、資金が足りないという場合もあるかもしれません。
資金が不足する場合の対策として、まず挙げられるのは奨学金です。最も利用者が多いのは日本学生支援機構のものですが、申込時期は毎年春ですので、後期の授業料には間に合いません。 今後も学費等の不足が懸念されるようでしたら、来春に申し込むと良いでしょう。
次に挙げられるのが日本政策金融公庫の「国の教育ローン」です。2016年8月25日現在、年利1.9%の固定金利で、子ども一人当たり350万円まで借りることができます。一般的に民間の教育ローンより金利が低く、まとまった資金を借りる場合に向いています。 学費だけでなく、定期代やアパート代など幅広く利用できますが、所得制限があり利用できない場合もあります。申し込みは余裕を持って2~3か月前に行うことが勧められています。
ニーズに合わせて利用できる民間の教育ローンも検討
民間の銀行や信用金庫の教育ローンには、当初に一括でまとまった金額を借りて計画的に返済する証書貸付型の契約形態の他、当初に設定した限度額内で後々何度でも借りることができる当座貸越型の契約形態があります。 授業料などのまとまった費用の支払いに利用する場合には証書貸付型、仕送り金が不足する場合や就活費用など、比較的少ない金額を随時利用したいのなら当座貸越型というような使い方ができます。
在学中は、利息だけを支払うことも可能な商品もありますが、繰り上げ返済手数料無料の商品もありますので、資金に余裕ができたらまとめて返済をして、支払い利息を節約することもできます。
銀行や信用金庫の教育ローンは、一般的に審査期間が短いので、資金が足りないとわかってから申し込みをしても間に合うことも多いでしょう。ですが、例えば千葉銀行の「スーパー教育ローン<学生生活>」のように、仮審査結果の有効期間が3か月間と長くとってあり、早めに申し込むことができる商品もありますので、資金が不足する場合に備えて事前に手続きを進めておくのも良いでしょう。