第515回
好条件の教育ローンにまとめて借り換える方法は?
- 子どもが親元を離れ、関東の私立大学に在学しています。もともとは地元の国立大学が第一志望だったため、私立大学への入学金や学費、一人暮らしのための費用などで、準備していた学資保険の満期返戻金では足りず、銀行の教育ローンでまかないました。今年の前期の授業料分もやや不足気味なのですが、去年の分もまとめて借り換えすることは可能でしょうか?(K.Y 50代男性 自営業)
- この時期は、銀行や信金、信組など多くの金融機関において、入学金や授業料、教材にかかる就学費用などさまざまな教育資金ニーズに利用できる教育ローンのキャンペーンを展開しています。現在返済中の教育ローンや今期の不足する大学納入金の分も含めて、より有利な条件の教育ローンにまとめることができれば、毎月の管理や返済がぐっとしやすくなるはずです。
大学納付金は、4年間で必要な金額を確認して計画を立てよう!
昨年の春、子どもが大学に入学にして、入学金や授業料など多額のお金を払い込んだばかりのような気がする保護者としては、何かと気の重い季節ですね。
一般的に、大学在学中の授業料は、年度ごとに前期と後期に分割して、銀行振込等で納付することになっています。さらにこれ以外に、施設設備費や実習費などが必要になる大学や学部もあります。
また、大学によっては、学年が上がるにつれて授業料などが値上がりする学費スライド制を導入しているケースもあるでしょう。実は、筆者の出身大学もそうでした。入学前、他の大学と初年度の学費ばかりを比較して「安い!」と喜んでいたのに、2年生になって、4年間の学費をトータルするとそれほど変わらないことに気付いた時は、何だか騙されたような気分になったことを思い出します。
このようなシステムの場合、単に初年度の授業料を4倍しただけでは足りません。もちろん学費の安さで大学を選ぶわけではないでしょうが、入学してから慌てないためにも、初年度の金額だけではなくトータルの必要額を確認しておくことが大切です。
以前、私がご相談を受けたAさんは、子どもの半期分の授業料のために、奥様がパートで稼いだ分をその都度、充当したそうです。何とか卒業までの4年間、やりくりできたものの、文字通りの自転車操業状態。卒業した時には本当にホッとされたとのことです。
【参考リンク】
大学在学中の授業料や学費はどうやって準備する?
進学前であれば、希望する進路に応じておおまかな必要額を算出し、過不足がないか、事前に割り出しておくと、進学が決まってから慌てることもありません。ところが、在学中では、前述のAさんのように一時のことだからとパートで収入を増やすか、頑張って節約して費用を捻出するか、どこかで資金を調達するしか方法はありません。
資金を調達する方法としては、奨学金制度や教育ローンの利用が考えられるでしょう。奨学金制度は、代表的な「日本学生支援機構」が実施するものや、各都道府県や市区町村、大手新聞社など民間の企業や団体などが実施するものなどさまざまです。少子化対策として個々の大学でも国公立、私立を問わず優秀な学生を呼び込もうと奨学金制度に注力しています。また、教育ローンとして、公的な日本政策金融公庫による「国の教育ローン」や銀行や信金、信組など民間金融機関による教育ローンがあります。
【参考リンク】
有利な教育ローンへ借り換えて返済と管理をしやすくしよう!
代表的な公的教育ローンである「国の教育ローン」(教育一般貸付)は、300万円まで融資が受けられ、返済期間が最長15年の低利な固定金利が特徴です。ただし、子どもの人数に応じた年収制限がある、などの制約がある点に注意しましょう。
民間の教育ローンは、公的教育ローンよりもさまざまな種類の商品が取り扱われています。また、この学費納入の時期に合わせて、各金融機関では、金利優遇などのキャンペーンを行っていますので、これらを利用すれば、より有利に学費を捻出することも可能です。
【参考リンク】
例えば、今回のご相談者のように、現在返済中の教育ローンと今期分の必要な教育資金をまとめて、より好条件の教育ローンに借り換えができれば、管理もしやすくなりますし、返済もオトクです。他の金融機関で教育資金を借りていることを証明できる資料があれば借り換えの相談もできますので、この機会に是非、我が家にあった教育ローンを探してみてください。
【参考リンク】