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第961回

教育ローンは多種多様!しっかり比較検討して最適な選択を

子供が今春、大学に入学する予定です。進学先によっては一時的に資金が不足する可能性があるため、教育ローンの活用を検討しようと思っていますが、ネットで調べてみると種類がたくさんあり、どのような観点で選んだらよいかわかりません。選ぶポイントを教えてください。(高知県 50歳 会社員)
教育ローンは、たくさんの金融機関が多種多様な商品を提供しています。自分の家計に合った商品やできるだけ有利な商品を選ぶためには、複数の商品を比較・検討する必要があります。変動金利型/固定金利型、WEB完結型/来店型、一括借入型/カードローン型、資金使途など、いくつかの比較ポイントがあるので、選択する時の参考にしてください。

教育ローンでは、一時的に不足するお金、無理なく返済できるお金を借りる!

子供の教育資金の不足分を教育ローンでカバーしようとする場合は、一時的に不足するお金を、無理なく返済できる金額の範囲内で借りるようにしましょう。継続的・長期的に不足するお金や、一時的であっても多額のお金を借りてしまうと、後々、住宅ローンの返済や夫婦の老後資金の準備等に支障をきたしたり、足元の家計が圧迫されて、やりくりがたいへんになったりするかもしれません。

教育資金は、親の所得要件等、一定の条件を満たせば国の奨学金制度(返済不要な「給付奨学金」、子供本人が卒業後に返済する「貸与奨学金」)等を活用して、不足分をカバーすることもできます。教育資金の不足分の調達は、ローンのみに頼るのではなく、奨学金制度の活用も検討してはいかがでしょうか。教育ローンを使う場合は、無理なく返済できる金額の範囲内にとどめておくのが妥当です。

教育ローンは多種多様。比較ポイントを押さえて、便利で有利なものを選ぶ!

教育ローンは、多くの金融機関からさまざまな種類の商品が提供されています。同じ金融機関が複数のタイプの商品を提供している場合もあります。自分の家計に合ったものや有利なものを選択するための主な比較ポイントを確認しておきましょう。

教育ローン選びのための主な比較ポイント
主な比較ポイント 解説
国の教育ローン/
民間の教育ローン
国の教育ローンは、日本政策金融公庫のみが取り扱っています。一方、民間の教育ローンは、さまざまな民間金融機関が取り扱っています。
国の教育ローンには、「所得制限がある」・「固定金利型のみ」・「ひとり親家庭や、子供3人以上、世帯年収200万円以下等の場合に、金利・返済期間・保証料の優遇」などの特徴があります。民間の教育ローンは、金融機関・商品ごとに多種多様な特徴があります。
変動金利型/
固定金利型
変動金利型は返済期間中でも、市場金利の情勢によって適用金利が変動し、返済額も変わります。一方、固定金利型は、返済期間中は金利、返済額が変わりません。借入時の金利は固定金利型よりも変動金利型のほうが一般的に低い傾向があります。
一括借入型(証書貸付型)/
カードローン型(当座貸越型)
一括借入型は必要な資金をまとめて借りる形態です。カードローン型は限度額の範囲内で必要な時にその都度借り入れる形態で、在学中は審査なしで繰り返し借り入れができます。
必要な金額が事前に明確であれば、一括借入型のほうが計画的な借り入れ、返済ができます。一方、必要資金が予想できない場合や、必要な時に必要な額を借りたい場合は、カードローン型のほうが適しています。
WEB完結型/
来店型
WEB完結型は、店頭に出向くことなく借り入れ契約ができるタイプです。来店型は、仮審査はWEBで申込んだとしても、契約は店頭で行うタイプです。
利便性はWEB完結型のほうが高いでしょう。
なお、両方のタイプに対応した金融機関もあります。また、郵送で契約ができるタイプもあります。
在学中から利息・元金の返済/
在学中は利息のみ、卒業後利息と元金の返済
ローンの返済方法について、在学中から元金と利息を返済する方法と、在学中は元金を据え置いて利息のみを支払い、卒業後に元金と利息を返済する方法の2種類があります。在学中に元金を据え置いて利息のみ支払うほうが、最終的な利息負担は重くなります。しかし、在学中に限れば、元金返済をする必要がなく利息のみの支払いで済むため、家計への負担は軽くなります。
繰上返済手数料の有料/無料 繰上返済時の手数料が有料のものと、無料のものがあります。返済期間中にゆとりのお金ができたら、繰上返済を行って早く返済を終えるほうが負担は軽くなります。繰上返済がしやすいのは、手数料無料のほうです。

上記以外の比較ポイントとしては、資金使途の範囲もあります。教育ローンの資金使途は、主に「入学金、授業料、施設設備費などの学校等に納付する資金」、「教材費、引っ越し費用、下宿費用、交通費など、就学にかかる付帯費用」、「すでに借り入れた教育ローンの借り換え資金」の3つに大別されますが、商品によって範囲が異なります。

なお、教育ローン以外のローンを活用して、教育資金をまかなう方法もあります。たとえば、金利は高めですが資金使途の制約がないカードローンやフリーローンは、教育資金としても使えます。また、不動産担保ローンは、資金使途に制約がない上に、比較的低い金利で高額な借り入れをすることができます。

返済プランを立てた上でローンを借りる!

教育ローンを活用する際には、まず最初に「何の費用に」、「いつ」、「いくら必要になりそうか」を精緻に見積もることが大切です。その上で、奨学金制度を活用するかどうかの検討なども経て、必要に応じて教育ローンから借りる金額を決めましょう。そして、比較ポイント等も参考にして、複数の金融機関の商品の中からいくつかの候補を絞り込みましょう。活用する教育ローンを決定する時は、返済シミュレーションを行って、家計に対する影響を見極め、無理な返済にならない範囲で借りるようにしましょう。

【参考リンク】

私が書きました

中村 宏 (なかむら ひろし)

ファイナンシャル・プランナー。FPオフィス・ワーク・ワークス 代表。

教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。

※執筆日:2022年01月31日