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第868回

学校も休校!生活に及ぼす影響は?

新型コロナウイルスの影響が生活面にも広がり不安です。夫は正社員で給料は出ていますが、私はパート勤務で勤務日数が減り、収入も減っています。 このまま収入減が続いたら家計への影響も出てきそうです。 子どもの通う私立高校でも休校が続いていますが、休校でも学費に変わりはないのか少し気になっています。(Tさん 東京都 48歳)
基本的に学校の授業料は休校中でも発生すると思われます。 このまま新型コロナウイルスの影響による収入減が続いて家計が難しくなるようでしたら、教育ローンの利用を検討するなど、対策を立て始めると良いでしょう。

学校が休校の場合、学費はどうなる?

新型コロナウイルスの感染は日本でも拡大が続き、様々なところに影響が出ています。 教育に関するところでは、政府が全国の小中学校、高校、特別支援学校に令和2年3月2日から春休みまでの一斉休校の要請を出しました。 新学期の再開時期の判断は各自治体の判断に任せるという方針になりましたが、休校が続く地域もあります。※1

このような中、授業料の発生する高等学校や大学、私立の小中学校では、休校中の学費は返還されるのだろうか?という単純な疑問が出てくることも考えられます。 実は、この点に関して文部科学省がホームページで公開している一斉休校に対するQ&Aが参考になります。 これによると、「授業料は単に授業日数に応じての対価ではではなく一定期間に行われる単位認定や施設使用など教育役務の提供に必要な費用の一部として学校設置者が生徒に対して負担を求めるものである」としています。 さらに、「授業が行われていない場合も家庭学習等の支援や補修等の配慮を行ったりするなどの役務提供もあるため臨時休業の場合にも必ずしも返還が生じるものではない」としています。

つまり、学校は一般的な塾や習い事のように毎月いくらという授業料の決め方ではないという考え方であり、休校中でも授業の代わりに学習に対しては何らかの支援や配慮が行われ、授業料はその費用に充てられるということなのでしょう。 今回は全国一斉休校が急に行われたことから、学習支援の対応が未定の学校も少なくないと思われますが、一部の学校ではインターネットを利用したオンライン授業や、夏休みを減らして授業を行う等の対応を決めている学校も出てきています。 今後も休校が続く学校では何らかの対応があると思われます。

親の収入減で学費の調達が厳しい場合、教育ローンも検討を

このまま収入減が続くとなると、Tさんのように不安を覚えるご家庭も増えるでしょう。 職業やご家庭の状況により、急激な収入源が避けられない場合や、コロナウイルスの影響が収まってもすぐに収入に反映されない場合もあるかもしれません。 政府は、事業主への緊急の助成金や給付金等の対策や、各家庭への現金給付も検討し始めていますが、必ずしもその対象になるとは限りません。※1  今後も収入減が続き、教育費への影響も避けられないと予測されるなら、早めの準備をするに越したことはありません。 まずは、政府や自治体の支援策を受けられないかを調べ、使える制度は活用しましょう。その上で、念のため学校へ延納や猶予の制度があるかを確認する、教育ローンを利用するなどの対策を検討しましょう。

収入減に対応するには、限度額の範囲内なら繰り返し利用できるカードローンを利用する方法もありますが、金利が高めです。 なるべく金利負担を減らすためには、収入が減った部分の補填は、これまで教育費に回していたお金で対応し、比較的金利の低い教育ローンを利用して学費や教育に関する支出に充てることで家計を維持する方法もあります。

教育ローンは、授業料だけでなく施設費、入学金、塾の費用、制服代、定期代、教科書代、下宿代など、教育に関する幅広い支出に対応できます。 また、すでに支払い済みの費用でも一定期間内のものなら融資対象に含めることができる商品もあります。 金利や借入可能額も商品により異なりますので、比較検討すると良いでしょう。

※1:2020年4月6日現在の情報になります。

【参考リンク】

私が書きました

福島 佳奈美 (ふくしま かなみ)

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。

※執筆日:2020年04月06日