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第815回

幼児教育・保育の無償化の対象は?子育て世代は要チェック!

2019年10月から幼児教育が無償化されるというニュースを聞きました。 どんな場合に無償化されるのでしょうか。 また、所得制限があるのでしょうか。(Aさん 会社員 35歳)
幼児教育無償化により、認可保育所や幼稚園に通う3~5歳児や住民税非課税世帯の0~2歳児の保育料は原則、無料になります。 所得制限はありません。

幼児教育・保育の無償化 とは

いよいよ2019年10月から安倍政権が掲げる「人づくり革命」の目玉政策として、幼児教育・保育の無償化が始まります。 幼稚園、保育園、その他認定保育園など様々な施設がありますが、3歳から5歳の間は保護者の所得に関わらず、等しく質の高い教育を受けられるようにしようという施策です。 なお、無償化の財源は、消費税増税による税収の一部を充てるとしています。

基本的に、小学校入学前の3年間の3歳から5歳までの間は、広く国民が利用している幼稚園、認可保育園、認定こども園、地域型保育(小規模保育、家庭内保育など)を利用する場合は原則、利用料が無料となります。 さらに、これらの施設を利用する住民税非課税の世帯は、0歳から2歳の間も原則、無料となります。 なお、「子ども・子育て支援新制度」の対象とならない幼稚園 については、月額2.57万円までが無料となります。

但し、市区町村から保育の必要があると認められているのに認可保育園に入れない場合もあります。 そこで、これらの3歳から5歳の子どもは、認可外保育施設(認証保育施設、ベビーホテルやベビーシッターなども含む)を利用した場合も保育料の全国平均額である月額3.7万円を上限に無償となります。 また、幼稚園の預かり保育を利用する場合も、幼稚園利用料の無償化に加え、利用実態に応じて上記3.7万円と幼稚園無償化の上限月額2.57万円との差額である月額1.13万円までの範囲で、預かり保育利用料が無償化されます。 但し、専業主婦(夫)家庭などは、認可外保育施設や幼稚園預かり保育を利用しても無償化の対象外です。

なお、通園バス代や行事費用、給食費は無償化の対象外となります。但し、給食費については0歳から2歳の住民税非課税の世帯では無料とするなど、低所得世帯には負担軽減を図るとしています。

無償化による恩恵で私立小学校も選択肢に

幼児教育・保育無償化は、子育て世代にとってはうれしい制度といえるでしょう。 無償化によって浮いたお金は、生活費などに使うのではなく子どもの教育費に使いたいものです。 2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修化されるとともに、小学校5年生から英語が教科として導入されることも決まっています。 これらの影響で、子ども用のプログラミング教室や英語関連の習い事が人気を集めています。 将来の高校や大学進学資金に回すという方法もあります。

また、私立小学校は公立小学校と比較して教育費はかなり高くなりますので、資金に余裕があるご家庭が通わせる場合が多いと思われますが、中学受験を視野に入れているご家庭では、幼稚園無償化をきっかけに、将来のお子様の受験の負担や費用を考慮して、小学校受験を選択するご家庭も出てくると思われます。 幼稚園や保育園の利用料にかかるはずだったお金は、受験のための塾や習い事に使えますが、受験費用や入学金などの資金が一時的に不足する場合も考えられます。 その場合は、教育ローンを検討してみましょう。 国の教育ローンは、小学校の費用には利用できませんが、民間の教育ローンには幼稚園や小学校の費用に利用できる商品も多数あります。 また支払い済の費用についてもある一定期間内であれば、ローンの資金使途として認めてもらえたりもします。この機会にお子様のライフプランについてもご家族で考えてみましょう。

【参考リンク】

私が書きました

福島 佳奈美 (ふくしま かなみ)

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。

※執筆日:2019年02月15日