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第617回

入学後も意外にかかる教育費!資金はどこから調達すべき?

長男の大学の入学式が終わり、ホッと一息ついたところです。入学費用や長男が一人暮らしをスタートするにあたって必要なお金は用意していましたが、学期初めは何かとお金がかかり、用意していたお金では足りなくなりそうです。そんな場合の資金はどう調達すればいいのでしょうか?(M・Iさん 47歳 主婦)
学期初めは、予想していなかった教材の購入費やゼミ研修費などの支払いが発生する方がいらっしゃいます。それらのお金を払える蓄えがない場合、支払い済みの教育費を、一定期間内なら後からでも教育ローンを利用できたり、今から使途を問わないフリーローンで当座をしのぐ方法があります。

支払い済みの教育費を後から教育ローンに変更する

学期初めは、学校に支払う必要のあるお金や必要な物を購入するお金以外に、一人暮らしを始めたお子さんの当面の生活費の仕送りなどもあり、何かとお金がかかりますね。長男には、アルバイトで生活費の一部を負担してもらうにしても、入学したばかりですぐにアルバイト先は見つからないでしょうから、決まるまでの間の仕送り額は多めに見積もっておかなくてはいけません。用意したお金が足りなくなることがあるでしょう。そんな予定外の教育関連費の調達方法のひとつは、入学金など支払い済みの教育費を後からでも借りられる教育ローンに変更することです。教育ローンは、学校などに支払う前に申し込んで借りるのが一般的ですが、支払った後でも一定期間内なら借りられる教育ローンを取り扱っている金融機関があります。下表に、いくつか例をあげておきます。

支払い後でも借りられる教育ローンの例
支払い後でも
借りられる期間
金融機関名 教育ローン名 金利の
タイプ
借入可能額 最長
返済期間
1か月以内 住信SBIネット銀行 Mr(ミスター)教育ローン 変動 10万円~1000万円 10年
損保ジャパン日本興亜 損保ジャパン日本興亜の教育ローン 固定 50万円~300万円 7年
2か月以内 JAバンク大阪 JA教育ローン 変動 10万円~500万円 13年6か月
3か月以内 横浜銀行 横浜銀行教育ローン(一括借入型) 変動 10万円~1000万円
(ただし、500万円超は医学部・歯学部・薬学部のみ)
10年
北おおさか信用金庫 e教育プラン 変動 10万円~500万円 10年

入学金など教育費を支払ったのはいつかを確認し、利用できる金融機関をチェックしましょう。また、日常的に利用している金融機関で、後からでも借りられる教育ローンを取り扱っていないか調べてみてください。

教育ローンの対象にならない費用はフリーローンを利用する

教育ローンの対象になる費用は金融機関ごとに異なりますが、入学金や授業料などの学校に支払うお金以外にも、通学費用や学習用品代、お子さんが一人暮らしを始める費用(引っ越し代、賃貸物件にかかる費用など)なども含めて借りられる金融機関もあります。しかし、学校などに支払った使途証明書が必要な場合が多く、証明書がない費用は借りられないことになります。そんなときに、利用を検討して欲しいのがフリーローンです。これも、予定外の教育関連費の調達方法のひとつです。

フリーローンは、その名の通り事業性資金と投資性資金以外は、使途目的は自由(フリー)なローンです。同じようなローンに、カードローン/キャッシングがありますが、今回のようなケースはフリーローンがおすすめです。というのは、カードローン/キャッシングは限度額の範囲内で借入枠が残っていれば何回でも借り入れが可能で、返済がなかなか進まない可能性があるからです。その点、フリーローンは、一度借りたら、毎月一定額を返済していくだけで、何度も借りることは原則できません。また、金利はカードローン/キャッシングより低めなのが一般的です。

今回は、ローンで急場をしのいでも、返済はなるべく早く済ませましょう。

なお、この機会に長男の残りの期間の授業料は用意できているか(用意できるか)、進学予定のお子さんがまだほかにもいるなら、その子の分の教育資金の手当てはできているか(できるか)をよく点検してください。今は教育資金の捻出で精いっぱいで、住宅ローンの繰り上げ返済や夫婦の老後資金のための積立ができていないようなら、教育資金がひと段落したら積立を再開することを意識しておきましょう。

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2015年04月06日