第539回
センター試験申込み開始!教育資金は「いつ、いくら」必要?
- とうとう来年はわが子の大学受験が始まります。センター試験の申込みが始まり、色々とお金が入用になってきました。これからさまざまな場面でお金が必要になってきそうですが、具体的にどれくらい準備しておけば良いのでしょうか?(Sさん 40代 会社員)
- 教育費の負担が最も重くなるのが大学に入学するときです。入学時の負担だけでなく、受験に係る費用の負担も重くなってきています。そのため、「いくら」かかるのかを把握することはもちろんのこと、それにプラスして、「いつ」必要になるのかも意識して準備しておきましょう。
受験者数は年々増加!高校卒業者の7割以上が進学
センター試験が始まった平成2年度の志願者は約43万人でしたが、対象となる大学が増えてきたこともあり、平成25年度は約57万人となっています。
文部科学省の「学校基本調査」(平成25年度)によると、高校卒業者の大学・短大への進学率は53.2%、専門学校への進学率は17.0%で7割以上の学生が進学しているようです。それに対し就職率は16.9%ですから、予定外に進学するという可能性もあるため、事前に親子で話し合い、金銭的な準備をしておく必要があるでしょう。
また、最近では大学のキャンパスが郊外に移転したことによって、自宅外通学を余儀なくされるケースがあり、金銭的な負担が重くなっている方のご相談を受ける機会が増えました。そのため、「いつ」「いくら」の費用が必要になるのか把握しておくことが大切です。
受験から入学までの費用は150万円!自宅外通学になると210万円!
では、大学入学にあたってどれくらいのお金が必要になるのでしょうか。東京地区私立大学教職員組合連合の「平成24年度 私立大学新入生の家計負担調査」によると、受験から入学までの費用は自宅通学者で約150万円、自宅外通学者になると約210万円という調査結果が出ています。
費用の内訳 | 自宅外通学 | 自宅通学 |
---|---|---|
受験費用 | 230,700円 | 206,600円 |
家賃 | 61,800円 | ‐ |
敷金・礼金 | 218,100円 | ‐ |
生活用品費 | 279,700円 | ‐ |
初年度納付金* | 1,315,882円 | 1,315,882円 |
合計 | 2,106,182円 | 1,522,482円 |
* 初年度納付金は文部科学省「平成24年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)」による。
* 初年度納付金のうち、授業料は年2回(前期と後期)に分けて大学に納付することになっている。
出典:東京地区私立大学教職員組合連合「平成24年度 私立大学新入生の家計負担調査」より抜粋
当然のことながら、住まいを確保するためには現地に赴く必要もあり、こういった金額は上記のデータには含まれていません。いくつかの物件を見て回る場合、親子の交通費と宿泊費といった費用が必要になります。また、一度で決まらない場合は何度か足を運ぶことになり、それだけ費用もかさみますので、資金的にも余裕を持って準備する必要があります。
不足分を準備する際のポイント
このように受験から入学までは、まとまった費用が必要になります。貯蓄や学資保険で準備してきている方が多いと思いますが、「使う時期」に利用できるようになっているでしょうか?貯蓄や学資保険は満期日が決まっていますので、しっかり確認しておきましょう。貯蓄や保険を担保に貸付を受ける方法もありますが、当然のことながら利息が発生します。場合によっては、解約したほうが利息を支払うよりも有利な場合がありますので、確認したうえで利用するようにしてください。
貯蓄や保険で賄いきれない場合には、教育ローンなどを利用することも検討しなければなりません。教育ローンにも「公的ローン」や「民間ローン」など、さまざまなローンがありますので、事前に比較したうえで利用しましょう。比較する際のポイントは「トータルでいくらかかるのか」ということです。単純に金利だけを比較するのではなく、返済までにいくらかかるのかを金融機関でシミュレーションしてもらいましょう。たとえば、公的ローンは民間ローンに比べて金利が低くなっている場合が多いです。ただし、民間ローンの金利には保証料が含まれていることが多いのに対し、公的ローンは含まれていません。そのため、保証料を含めた負担額で比較する必要があります。
また、教育ローンを利用するときには、審査に時間がかかりますので、早め早めに動くようにしていきましょう。時間が足りないからと審査に時間のかからないカードローンを利用する方もいらっしゃいますが、教育ローンに比べ金利が高いため、長期での返済には向きません。
これから最も教育費の負担が重くなる時期になりますので、しっかり準備をして少しでも負担を抑えるようにしていきましょう。