第357回
<教育費>と<生命保険の見直し>はセットで考えよう!
- 今春、子どもが大学に進学します。教育費の準備はしてきたのですが、不況の影響で収入が減少傾向にあるため、教育ローンを利用することにしました。しかし、家計の負担を考えると将来のことが心配です。節約など何かできることはないでしょうか?(Kさん 45歳 会社員)
- 家計の見直しは、固定費を優先するのが基本。水道光熱費や食費などを節約するよりも大きな効果を見込める可能性があります。そのひとつが生命保険の見直し。必要保障額を見直すことによって、保険料を大幅にカットできる可能性も! 特に教育ローンを組んだ場合、その可能性が高いので、ぜひ見直しをしてみましょう。
必要保障額は年々減っていく!
結婚や出産、マイホームの購入、子どもの独立など、「ライフステージが変化したときは生命保険を見直すタイミング」と聞いたことがある人も多いのでは?ライフステージの変化によって家計も変わるため、それに合わせて生命保険の見直しをしたいものです。
ただし、FPとして実際に多くの人の相談を受けて感じるのは、出産やマイホームの購入など、大きな変化が起こったときにしか生命保険の見直しをしていない人が多いということ。「末子が誕生したときに見直したまま」というパターンがよく見受けられます。
「ライフステージ」と言うと、何か大きな変化があったときと思いがちですが、生命保険の見直しは、大きな変化がなくても効果が期待できます。なぜなら、生命保険の必要保障額は年々減っていくからです。不要になった保障額をカットすることで保険料もカットできますので、次項でタイプ別の見直しポイントをご紹介しましょう。
タイプ別、生命保険見直しのポイント
<タイプ1:誰にでもあてはまる見直し法>「生命保険の必要保障額は年々減っていく」。まずはこの点についてご説明しましょう。多くの人は、稼ぎ手に万が一のことがあった場合の死亡保障を確保していると思います。死亡保障とは、遺族の生活を補てんするためのもの。子どもの場合、生まれてから社会人になるまでの20年から25年程度の保障を確保しておけば、その後の保障は必要なくなります。つまり、子どもの成長とともに、必要保障額は減っていくということ。
文部科学省の調査によると、幼稚園から大学まで公立に通わせた場合の教育費の総額は約800万円。子どもが生まれたばかりのときは、これからかかる教育費の総額分の保障を確保しておく必要がありますが、年齢があがるごとにそれまでの教育費の保障が不要になります。教育費だけでなく、生活費も同様です。
特に子どもが生まれてから一度も生命保険の見直しをしたことがないという人は、保険料を大幅にカットできる可能性があります。
Kさんのように教育ローンを組んでいる人であれば、「団体信用生命保険」が付いていないか確認してみましょう。団体信用生命保険は、住宅ローンにしか付いていないと思い込んでいる人も多いのですが、教育ローンの中にも付いているものがあります。
「団体信用生命保険」とは、教育ローンの契約者に万が一のことがあった場合、教育ローンの残債は保険金で相殺される保険のこと。つまり、教育ローン分の必要保障額が確保されることになります。すでにほかの生命保険で教育費の準備をしている場合は、必要保障額が重複していることになりますので、見直しをしましょう。
団体信用生命保険の保険料は、金融機関が負担してくれることが一般的であるため、加入したという意識のない人が多いようです。教育ローンの書類を確認するか、金融機関に問い合わせるなどして、加入しているかどうか確認してみましょう。
“毎年でも”必要保障額ができる生命保険
このように子どもの成長に伴って、必要保障額は年々減っていくのが一般的です。それに合わせて見直しをすることで保険料の負担を軽減することができます。
このようなニーズに合わせて必要保障額の見直しができる保険のひとつに、損保ジャパンDIY生命の「1年組み立て保険」があります。1年更新タイプの生命保険ですから、“毎年でも”見直しをすることが可能。ただし、毎年だと手間がかかりすぎて面倒だと思う人も多いでしょう。そこで、保障額を変更しない場合は自動更新できるようになっています。つまり、中学校や高校を卒業したときなど、一定期間ごとに見直すことも可能なのです。
サイトで必要保障額をシミュレーションすることができますので、まずは、現在加入している生命保険に過不足がないか確認してみることから始めてみてはいかがでしょうか?