第69回
新車を購入する際の流れや費用を紹介!無理のない支払い方法とは?
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この記事のポイント
- 新車を購入する際のおもな工程6つを確認しておくことが大切
- 新車を購入する際には必ず支払わなければならない「法定費用」と節約できる「その他の費用」が発生する
- 購入費用の支払い方法は「ローン払い」「残価設定型クレジット払い」「現金一括払い」「クレジットカード払い」がある
- 【新車を購入する際の流れ】 6つの手順を確認しておこう
- 新車を購入する際に車両以外にかかるおもな費用
- 新車を購入する際の支払い方法
- 新車購入費をローンで支払う場合はマイカーローンがおすすめ!理由は4つ
- まとめ
多くの人にとって、新車は人生の中でもベスト3に入るくらいの大きな買い物でしょう。また税金や保険など、さまざまな手続きが必要となるため、どのような手順で購入すればよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
新車を購入する際には、予算や支払い方法、手続きの依頼先などを事前に決め、計画的に購入を進めることが大切です。今回は新車購入の流れと必要な諸費用の種類、購入代金の支払い方法などについて解説します。
【新車を購入する際の流れ】 6つの手順を確認しておこう
新車購入の流れは、購入店により多少の違いはあるものの、一般的にはほぼ同じです。事前に流れを理解しておけば、手続きをスムーズに進められるでしょう。
1. 予算を決めておく
まずは新車の購入に充てられる予算を決めましょう。自動車の価格は天井知らず。理想の性能や車種を求めすぎると、どこまでも購入費用が大きくなってしまいます。まずは給与や貯金額をもとに、無理なく支払える金額を決めてから車選びを始めるとよいでしょう。
なお、新車の購入に必要な費用は車両本体価格だけではありません。登録費用や購入時に発生する税金などの初期費用に加え、駐車場代やガソリン代、毎年発生する税金など継続して発生する費用もあります。予算を決める際には、これらの諸費用も念頭に置いて検討するようにしましょう。
2. 購入する車のタイプを決める
次に購入する車種をイメージしましょう。最適な車種は、自動車を購入する目的やライフスタイルによって異なります。一人でドライブを楽しみたい、夫婦の足として使いたい、大家族で外出したいなどの使い方や、維持費を抑えたいなどの自分が求める条件に適した車種をイメージしましょう。
おおよそのイメージを固めた後は、予算内で購入できる具体的な車種を選びます。各メーカーのパンフレットなどを参考に、以下の構造や仕様を意識して希望の車種を絞り込みましょう。
主なボディタイプ | 主な駆動方式 | 主な動力源 |
---|---|---|
・セダン ・ワンボックス ・SUV ・クーペ ・ミニバン ・ステーションワゴン ・軽自動車 など |
・2WD(二輪駆動) ・4WD(四輪駆動) |
・ガソリンエンジン ・ディーゼルエンジン ・ハイブリッドエンジン ・EV(電気自動車) など |
3. 購入する店を決める
購入したい車が決まったら、次は購入する店を決めましょう。新車の主な購入先は「ディーラー」または「自動車販売店」に分けられます。
ディーラーは特定のメーカーの自動車だけを扱っており、特約店ならではのサービスが充実しているというメリットがあります。
自動車販売店はさまざまな自動車メーカーの車を扱っているので、複数のメーカーの車を比較検討できます。それぞれの特徴を踏まえた上で購入先を選ぶことが大切です。
4. 見積りを依頼する
購入先が絞れたら、見積りを依頼しましょう。見積りが出てきたら、内訳を念入りにチェックします。
確認しておきたいポイントは、費用が予算を超えていないか、不要なオプションが追加されていないか、カラー選択に間違いがないかなどです。車両の本体価格だけではなく、登録費用なども確認しておくのが良いでしょう。
5. 契約手続きや必要書類の準備を行なう
見積書の内容に納得できたなら、契約の手続きに入ります。契約を締結する前なら条件を調整できますので、不安な要素があるなら販売店へ相談しておくとよいでしょう。
契約時には複数の書類を提出する必要がありますので、漏れがないように準備しましょう。特に自動車の下取りをしてもらう場合は必要書類が増えますので、不備がないように準備しておきましょう。
6. 納車日を待つ
契約が済んだ後は、納車日を待ちましょう。一般的に、新車の納車には数週間~数カ月ほどの時間がかかります。特に特殊なオプションを追加した場合や、人気が高い車種を購入した場合は時間がかかります。
引き渡しの際には、実際に運転して異音や動作不良がないかなども確認しましょう。
新車を購入する際に車両以外にかかるおもな費用
前述の通り、新車の購入時には車両本体価格のほかにも諸経費がかかります。諸経費は法律で定められた費用とその他の費用があります。ここでは、それぞれどのような名目の費用なのか解説します。
法律で義務付けられている「法定費用」
新車を購入する際に必要な諸費用のうち、法律で定められている費用を「法定費用」といいます。法定費用について解説します。
自動車重量税
自動車重量税は、車両の重量に対して課せられる税金であり、車両が重くなるほど課税額は大きくなります。新車購入時には次回車検までの3年分を一括で支払うことが義務づけられており、その後は車検ごとに次回車検までの期間分が課税されます。
自動車重量税は燃費性能や登録からの経過年数によって税額が変動する税金です。燃費性能に応じて段階的に軽減率が定められており、燃費基準の達成度次第では全額が免除されます。
なお、例外として軽自動車は重量にかかわらず、新車の場合一律で年額3,300円に定められていますが、燃費性能による軽減が適用される対象でもあるため、全額免除となる場合もあります。
自動車税種別割または軽自動車税種別割
毎年4月1日時点で自動車を所有している人に課せられる税金が自動車税種別割または軽自動車税種別割(以下、種別割)です。かつては自動車税と呼ばれていましたが、2019年10月1日より名称が変更されました。
種別割は車種および排気量によって税額が異なります。原則としてガソリン車は排気量が大きくなるほど税率が上がりますが、電気自動車はガソリンエンジンを積んでいないため、一律で排気量1リットル以下と同じ税額となっています。
なお、年度の途中で新車を購入した際には、種別割を1年分支払う必要はありません。普通車は新車登録を行った翌月から3月までの月割りで税額が算出され、軽自動車は当該年度の課税が免除されます。
自動車税環境性能割
自動車税環境性能割(以下、環境性能割)は、自動車を購入したタイミングで課税される税金です。以前は自動車の取得時に自動車取得税が課税されていましたが、2019年9月30日に廃止となり、2019年10月1日より環境性能割が導入されました。
環境性能割は自動車の取得価格に一定の税率をかけて算出されます。この取得価格は車両本体価格だけでなく、車両と一体化したカーナビなどのオプションの購入費用も対象です。
環境性能割の税率は、燃費性能によって変動します(0~3%)。もっとも燃費性能が悪い車の税率は3%ですが、最新の燃費基準を達成または取得価格が50万円以下の車は非課税の対象となります。
自賠責保険
自賠責保険は、車の所有者が加入を義務づけられている保険です。対人事故の賠償を補償する保険であり、被害者が死亡した場合は最大3,000万円、後遺障害が残った場合は最大4,000万円を補償します。
保険料は車の車種および契約期間によって変動します。契約先は民間の保険会社となりますが、法的な加入義務がある保険であるため、どの保険会社を選んでも保険料に差はありません。
消費税
消費税は商品やサービスの提供に対して課せられる税金です。日用品の購入や飲食等のサービスを受けた時と同様に、車の購入も課税対象となります。
なお消費税は、車両本体だけでなくオプションやアクセサリーの代金にも課税されます。車を購入した際の総額に対して10%(2024年5月現在)の税金を支払う必要がありますので、予算を組み立てる際には消費税も念頭に置いておきましょう。
リサイクル預託金
新車の購入時にはリサイクル預託金を支払う必要があります。リサイクル預託金とは、車の解体費用の前払金です。2005年に施行された自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)に基づき、車の購入者に支払いが義務づけられています。
リサイクル預託金の内訳は「シュレッダーダスト」「エアバッグ類」「フロン類」のリサイクル料金です。金額は車種ごとにメーカーが定めており、一般的には7,000~20,000円程度に収まります。
その他の諸費用
新車の購入時には法定費用のほか、販売店ごとに諸費用が設けられています。ここからは、販売店によって異なる料金が設定されている費用について解説します。
新規車検登録手数料
新規車検登録は、ナンバープレートと車検証を取得して公道を走行できるようにする手続きです。普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で申請します。
車の所有者が自分で手続きを行うこともできますが、手続きの煩雑さや平日日中のみ手続きが可能であることなどもあり、販売店に手数料を支払い、代行を依頼するケースが多いようです。
車庫証明取得費用
車の所有者は自動車の取得時に車庫証明を取得する義務があります。正式名称を「自動車保管場所証明書」といい、所有している車を保管する場所を確保していることを証明します。
車庫証明は、所轄の警察署でもらえる申請書類に所定の情報を記入して手続きを行います。書式が決まっているため個人でも申請は可能ですが、手続きの代行を販売店に依頼することもできます。
なお、自身で手続きを行う場合であっても、申請手数料・交付手数料として2,500円前後の費用がかかります。
希望ナンバー取得費用
車には車両の前後にナンバープレートを掲げることが義務づけられていますが、取得するナンバープレートの番号は好きな数字を希望することができます。
希望ナンバーは「抽選対象希望番号」と「一般希望番号」に分類されます。「一般希望番号」は普通の番号であり、申請時に番号が空いていれば先着順で交付を受けることが可能です。
抽選対象希望番号は、人気が高い番号で抽選により交付者が決められます。抽選対象希望番号は地域によって異なりますが、「8888」「・777」など14種類の番号は全国どの地域でも抽選対象希望番号に指定されています。
取得費用は車のサイズやプレートの種類によって異なります。番号を指定しない場合は1,500~5,000円程度の交付手数料がかかりますが、指定する場合には4,000~7,000円程度が必要です。
任意保険料
任意保険は、加入するかどうか所有者が決められる保険です。自賠責保険を超える金額の対人補償を受けられるものや、対物・車両など自賠責保険では補償されない部分をカバーするものなど、保険商品によって異なる補償内容が設けられています。
保険料は運転者の年齢や車の車種、補償内容などによって決められます。法的には加入は義務づけられていませんが、高額になりがちな自動車事故による損害の補償に備えるため、多くの運転者は任意保険に加入しています。
納車費用
納車費用は、納車された車を自宅まで運んでもらうための手数料です。
納車費用の設定は販売店によって異なります。自身で引き取りにいけば無料になる場合もありますので、販売店に確認しておくとよいでしょう。
下取り費用
新車購入と同時に旧車を下取りに出す場合は下取り査定料が発生することがあります。下取り車の名義変更をする場合は、手続きの代行手数料などが発生することもあります。
新車を購入する際の支払い方法
新車を購入する際には、いくつかの支払い方法の中から自分に合った手段を選ぶことが大切です。ここでは新車を購入する際のおもな支払い方法をご紹介します。
ローン
多くの金融機関では、車を購入するための費用を融資するローン商品を提供しています。借入先によって「マイカーローン」「自社ローン」「ディーラーローン」に分類されます。
ローンは融資を受ける時に返済計画を立てますが、ボーナス払いや繰上返済を行うことで、毎月の返済額の軽減や返済期間の短縮が可能です。
残価設定型クレジット
残価設定型クレジットは、新車購入時に数年後の買取補償額を設定し、車両本体価格から買取保証額を差し引いた金額を分割で支払う方法です。返済終了時に「車の返却」か「乗り換える」か「残価を支払い乗り続ける」のいずれかを選択します。
新車としての価値が高い数年間は支払いを抑えながら乗ることができるため、数年後の買い換えを予定している人にとっては便利な制度です。ただし、事故などで傷をつけてしまった場合に追加費用が発生する可能性もあります。返却時の車の価値を維持するために走行距離制限がつけられるなど、車の使い方が制限される場合があります。
現金一括払い
現金一括払いはローンなどの利用時に発生する利息が不要になるため、もっとも支払総額を低く抑えられる支払い方法です。
一方で、現金一括払いは数百万円という現金が一度に出ていくため、生活資金が足りなくなるといったリスクを抱える可能性があります。急な事故や病気といった不測の事態への備えができなくなる場合もあります。現金一括払いをする前に、さまざまなリスクを考慮しましょう。
クレジットカード
一般に新車の費用全額をクレジットカードでの支払いは不可としている店舗がほとんどです。可能な場合も、ローンの頭金や備品など、新車購入代金の一部のみとている店舗もあります。どこまでクレジットカードを使えるかどうかは、たとえば個人経営の販売店であれば対応しているなど、店によって対応が異なりますが、基本的には対応不可の店が多いため、新車本体のクレジットカード払いは現実的ではありません。
新車購入費をローンで支払う場合はマイカーローンがおすすめ!理由は4つ
新車の購入費用をローンで支払う場合はマイカーローンの利用がおすすめです。ここではマイカーローンをおすすめする4つのポイントをご紹介します。
金利が比較的低い
マイカーローンは、他の無担保ローン商品に比べて比較的金利が低く、同じ自動車ローンであるディーラーローンと比べても低金利の傾向があります。資金に余裕がない場合は前向きにマイカーローンの利用を検討すると良いでしょう。仮に現金一括払いで購入して手持ちの資金が少なくなった場合、ほかの買い物をカードローンで支払わなければならなくなる可能性がでてくるかもしれません。マイカーローンの方がカードローンより金利が低いため、結果として新車の購入をローン払いにしたほうが利息を多く支払わずに済みます。
車の名義が購入時点から購入者になる
マイカーローンを利用して車を購入した場合、原則として車の名義は購入者が持ちます。そのためローン完済前に売却するなど、その時々の状況に応じて車を自由に扱うことが可能です。
ディーラーローンは、ローンの完済まで所有権はディーラーか信販会社に残ります。そのため原則として完済まで売却することができません。売却金額をローンの残債に当てるといった手続きを行うことで車を手放せるようになりますが、手続きには時間と手間がかかることから、マイカーローンに比べて自由度は低いといえるでしょう。
資金使途の自由度が高い
マイカーローンの融資対象は、自動車の購入にかかわる幅広い範囲が含まれます。自動車教習所の費用や法定費用などもローンに含められますので、手持ちの資金が少なくても新車を購入しやすくなります。
通常車両本体とオプション代金に限定されるディーラーローンに比べれば、非常に自由度が高いローンといえます。
車が決まる前でも仮審査が可能
マイカーローンの審査は仮審査と本審査の段階を踏んで行うことが一般的です。仮審査では購入する車の見積書や各種書類提出は不要、また仮審査結果の有効期間は数か月の猶予がある場合が多く、マイカーローン利用の可否や受けられる融資金額の目安を確認する手段として有効です。目安が分かれば、借入金額や頭金の見直しにも役立ちます。仮審査は本審査とは異なり、信用情報機関に履歴が残りません。
まとめ
新車の購入は数百万のお金が必要な大きな買い物です。車両本体の費用だけでなく、法定費用やその他の諸費用などがかかるため、想定よりも費用が膨れ上がることも珍しくありません。
新車の購入費用は、返済計画を立てやすいローンを利用するのがおすすめです。特にマイカーローンは金利が低く資金使途の自由度が高いため、生活を圧迫させずに購入費用を準備しやすいでしょう。
マイカーローンは提供する金融機関によって、利用可能な金額や金利などの条件はさまざまです。自分にあったマイカーローンをお探しの方は、ぜひ総合ローンサイト「イー・ローン」をご利用ください。
マイカーローンの利用に興味がある方は、ぜひこちらのページもご覧ください。
ライター紹介
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
都内ゲーム会社に12年勤務後、2018年12月にフリーライターとして独立。個人事業主としての開業を機に、金融・年金・不動産などのFP領域への関心を深める。毎年iDeCoと小規模企業共済の掛金を増額中。好きなものはふるさと納税。
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