第6回
カードローンの審査の基準とは?審査の流れと通りやすい人と通りにくい人との違い
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この記事のポイント
- カードローンの3つの審査基準を確認しよう
- 初めての利用・勤続年数が長い・公務員もしくは大手企業の社員だとカードローンの審査に通りやすい
- 勤続年数が1年未満の人・年収が100万円未満の人・複数の金融機関に同時申込みをしている人は通りにくい
「急にお金が必要になった」「貯金を取り崩すことができない」など、お金が必要なのに工面ができず困ってしまうこともあるかと思います。そんなときに利用を検討したいのが、カードローンです。しかし、カードローンは「お金を借りる」ということになるため、ためらってしまう人もいるかもしれません。
また、カードローンを利用するにはきちんと審査を受けて、審査に通る必要があります。「審査に通らず利用できなかった」ということがないように、カードローンの審査のポイントを押さえておきましょう。
カードローンの審査の基準
そもそもカードローンにて審査をする目的は、申込者が「月々の返済をきちんと継続できる人」であるかを確認し、過剰融資を回避するためです。審査が正しく行われずに返済能力を超えた借り入れを行ってしまうと、ローン利用者はもちろん、貸し付けをした金融機関も困ってしまいます。それを回避するために、カードローンの申込みでは必ず審査が行われます。
カードローンの3つの審査基準
初めてカードローンを検討する人はもちろん、すでにローンを申込んだことがある人も気になるのが「どんなことを審査で確認されるのか」ということでしょう。カードローンの審査では、主に次のような内容が確認されます。
- 勤務先、雇用形態、勤続年数、年収など
これらは、収入の状況を確認する情報です。「月々の返済が問題なくできそうか」を確認するために、「収入の状況」「勤務先」「雇用形態」「勤続年数」などをチェックします。 - 他社借入状況や借入総額
安定した収入がある場合でも、すでに他から借り入れがあれば、その分返済の負担は大きくなります。金融機関は、「今回のローン申込みで返済総額が膨らんでも充分に返済できるかどうか」の確認をします。そのため、他の借り入れ状況は大切な審査基準の一つといえるでしょう。 - 信用情報
ローンやクレジットカードを利用すると、借り入れをした情報や支払いの遅延や延滞、任意整理、自己破産による金融事故の情報など、あらゆる情報が信用情報機関に履歴として記録されます。これを信用情報といい、カードローンの申込みを受けた金融機関は必ず信用情報をチェックします。
なお、信用情報はクレジットカードやローン以外にも「奨学金」「携帯電話機の分割払い」など、つい借り入れと忘れがちなタイプの金融取引においても記録されているため、注意が必要です。特に多いのが携帯電話の料金が引き落としできなかったり、払い忘れたりしていることです。携帯電話は基本料金だけでなく、本体の分割払い分が一緒に返済されているケースが多いため、延滞情報として信用情報に記録されてしまう可能性があります。
カードローンの申込みを受けた金融機関は、主に上記の項目を審査していきます。しかし、具体的な審査の詳細は各金融機関で独自の基準を定めているため、申込み前に基準を満たしているかを確認することが重要です。同じ収入の人が同じ内容のカードローンを申込んだとしても、金融機関によっては審査結果が異なる場合があるのです。
カードローンの基本的な申込み条件
カードローンの申込み条件は、おおむね次のように定められています。
- 日本国内に居住していること
- 安定収入があること
- 満20歳以上69歳以下であること
- 金融機関の提携する保証会社の保証を受けられること
申込み時の年齢条件は上限を62歳や65歳としている金融機関もあります。申込みをする前に申込み条件をきちんと確認するようにしましょう。
カードローンの審査に通りやすい人と通りにくい人
カードローンの審査の際には、まず借り入れ申込人の情報を元に、審査する各項目でプラスやマイナスのポイントを付けていく「スコアリング(与信システム)」を行います。このとき、プラス点が多ければ総合的にスコアが高くなりますし、マイナス点が多ければスコアは下がるという仕組みです。
スコアリングだけで審査の合否が決まるわけではありませんが、カードローン申込みの際に、スコアが上がる情報をきちんと提供できるよう、スコアリングの要素をつかんでおきましょう。
審査に通りやすい人は?
高いスコアを得られる人はカードローンの審査に通りやすくなります。スコアが上がる要素としては次のようなものが考えられます。
- 初めてカードローンを利用する
借り入れの経験がない場合、信用情報に関する履歴もないため、信用情報に関するマイナス点はありません。また、他に返済すべきものがなく、返済能力は高いと考慮されると、審査に通りやすくなります。 - 勤続年数が長い
転職する人が増えてはいるものの、一般的には同じ勤務先で長く勤める方がプラス点となります。収入が途絶える期間がない、年功で収入が高いことなどがプラスに作用するようです。具体的な勤続年数は公表されていませんが、勤続5年以上あれば高いスコアが得られるようです。 - 公務員もしくは大手企業の社員
収入の安定度からいうと、公務員や大手企業に勤める社員はプラスの要素が高くなります。これは一般的な給与相場もありますが、不況時にも給料が下がりにくいことも理由の一つでしょう。
カードローンの審査に通りにくい人は?
逆にスコアが低いとカードローンの審査に通りにくくなるといわれています。
- 勤続年数が1年未満の人
勤続年数が短いとマイナス点になります。具体的には公表されていませんが、一般的に勤続1年未満の場合は収入の継続性が判断できないため、マイナスに働く傾向です。 - 年収が100万円未満の人
年収は、低ければ低いほどマイナス点とされてしまいます。一般的に年収が100万円に満たない場合は審査に通りにくい場合が多いでしょう。なぜなら、月収にして8万3,000円程度では生活していくだけで精一杯な金額であり、返済余力があるとは言い難い状況だからです。 - 複数の金融機関に同時申込みをしている人
万が一審査に通らないことを考えて、「他の金融機関にも同時に申込みをしておく」という人もいるかもしれません。しかし、金融機関側からすれば、申込人が「多重債務者」となるリスクになってしまいます。返済が困難となるリスクが高いと判断されれば、審査はより厳しくなり通りにくくなるでしょう。
信用情報に注意!こんな場合は審査に通りにくくなる
最も審査に通りにくいのは、信用情報に金融事故の登録がある人です。前述の通り、信用情報の金融事故とは、支払い遅延や滞納、債務整理があることです。信用情報は、カードローン以外にも日常で利用しているクレジットカードや携帯電話の支払いで延滞してしまったケースなども対象となることを忘れないようにしてください。
延滞分をすでに完済した後や、破産による債務整理をした後でも、場合によっては5~10年間はその情報が信用履歴として残る可能性があります。そのため、安易にローンの申込みをする前に、まずはこのことを知っておきましょう。
カードローンの審査の注意点
カードローンは、銀行や信販会社、消費者金融など、さまざまな金融機関が取り扱いをしています。しかし、一般的に消費者金融系、信販系、銀行系の順に条件と審査が厳しくなっていく傾向です。
一般法人全国銀行協会が発表している「銀行カードローンに関する消費者意識調査に関する報告書(2018年1月)」によると、銀行カードローン利用者と貸金業者のみの利用者の職業による割合は下記の通りです。
職業 | 銀行カードローン利用者 | 貸金業者のみの利用者 |
---|---|---|
会社員(事務系・技術系・その他含む) | 62.0% | 54.6% |
自営業 | 10.0% | 8.4% |
自由業 | 1.9% | 2.2% |
専業主婦(夫) | 1.9% | 3.4% |
パート・アルバイト | 7.0% | 12.6% |
学生 | 1.3% | 2.8% |
無職 | 2.4% | 5.4% |
「自由業」「専業主婦(夫)」「パート・アルバイト」「学生」「無職」の借入先は銀行系カードローンよりも、貸金業者からの借り入れのほうが多い状況です。これらの属性の人は、審査のより厳しい銀行系では借りにくく、比較的金利の高い消費者金融系のカードローンに限定されやすい傾向といえます。
金利が高いカードローンを利用すると、結果的に返済総額が大きくなってしまうため、利用の必要性は今一度確認することが賢明です。なお、カードローンは基本的に1年単位の自動更新制となっており、最終何歳まで更新できるかの基準が金融機関ごとに異なります。
また、年金生活者の場合は「申込み対象年齢の範囲内だから大丈夫」とは限らないため、しっかりと内容を押さえておきましょう。
カードローンの審査の流れと準備する物
審査の流れも押さえておきましょう。最近では、カードローンの申込みをWEBで行う金融機関も増加傾向です。そのため、申込みフォームに入力した内容で仮審査が行われます。事前に書類なども準備してから手続きを進めると安心です。
準備する物
申込みの際には「本人確認書類」と「収入証明書」の提出が必要です。あらかじめ準備しておきましょう。
- 本人確認書類
申込者本人の氏名・現住所・生年月日が確認できる有効期限内の書類が必要です。本人確認書類には、「運転免許証」「健康保険証」「個人番号カード」「パスポート」などがあります。日本国籍以外の人は「在留カード」の提出が必要です。 - 収入証明書
会社員の人は「源泉徴収票」の提出が可能ですが、それ以外の人は「住民税決定通知書」または「課税証明書」「納税証明書」「確定申告書」などが必要です。
カードローンの審査の流れ
- Web審査
Web上の申込みフォームの入力内容でスコアリングされ、Web審査(仮審査)が行われます。入力項目に誤りがあると正しい審査結果につながらなくなってしまいます。「誤入力・変換ミスがないかどうか」「提出する書類と現住所が一致しているか」など、しっかりと確認したうえで完了ボタンを押しましょう。
入力する内容は金融機関によって異なる場合がありますが、一般的には次のような項目があります。- 氏名
- 性別
- 生年月日
- 連絡先
- eメールアドレス
- 住所
- 住居の種類
- 現住所への居住年数
- 職業
- 勤務先(企業名、勤務先住所、勤務先連絡電話番号)
- 勤続年数
- 年収
- 他社からの借入件数・金額
- 必要書類の提出
申込み内容を入力したら「本人確認書類」および「収入証明書」をアップロードして送信します。金融機関によっては必要書類の提出は本人確認後になる場合があります。 - 在籍確認
申込みフォームで入力した勤め先が正しいかどうか確認のため、勤務先に電話がかかってきます。 - 本人確認
申込みをした金融機関から本人確認のための電話がかかってきます。「申込みをした本人に間違いがないか」などを確認されます。はっきり応えられない場合は、不正などを疑われかねません。正々堂々と応えましょう。 - 警察庁データベースへの照会
申込者が犯罪組織・暴力団等に関係がないか確認するため、申込みをした金融機関から警察庁データベースへの顧客情報照会が行われます。 - 審査結果が届く
申込時に入力したeメールアドレスに審査結果が届きます。無事に審査に通ればローンカードが発行されます。
カードローンはどう選ぶ?
銀行系から消費者金融系まで、さまざまな金融機関が取り扱っているカードローンは、商品の数も盛りだくさんです。カードローンの商品によって借入限度額や金利が異なるため、自分の経済状況や必要性に応じてカードローンを選びましょう。- 金利重視
返済総額を少しでも抑えたい人は、金利重視で選びましょう。実際の金利は審査によって決まりますが、1.5%程度~18%程度まで幅広い傾向です。仮にカードローンで10万円借り入れ、31日後に一括返済するとした場合、金利が2%違うとかかる利息は約170円の差になります。返済までの期間が長ければ、差額はさらに膨らんでいくため金利の違いは返済負担に大きな影響を与えます。 - 借入限度額重視
借入限度額も幅広く、1万円~1,000万円程度まで幅があります。もちろん、限度額が高い商品を取り扱っている金融機関だからといって誰もが満額を借り入れできるわけではありません。また、借入限度額を無駄に増やしてしまうと、大きな気持ちになり自分の預金のように借り入れを利用してしまう可能性があります。そのため、借りすぎが心配な人は限度額が低めのカードローンを選ぶと良いでしょう。 - 審査スピード重視
「より早くカードローンを利用したい」という人は、審査スピードを重視して選ぶと良いでしょう。審査には、先に説明したステップを踏んでいきますから2~3日を要するのが一般的です。しかし、金融機関によっては最短で申込みした即日に審査結果が出るところもあります。消費者金融系のノンバンクは、即日融資が可能なところも多い傾向です。
カードローン選びには「イー・ローン」の利用がおすすめ
何を優先的に考えるかは人それぞれに異なります。そのため、金利や借入限度額、スピードなどを総合的に判断して、最も自分に適するカードローンを選ぶことが大切です。しかし、金融機関のWebサイトでカードローン情報を一つ一つ調べていくのは膨大な手間と時間がかかります。
そんなときは、各金融機関が取り扱うカードローン情報をカンタンに検索できる「イー・ローン」を利用すれば、ムダな手間を省くことができるでしょう。なにより、カードローンの選択に必要な情報を見逃すリスクが抑えられます。
金利や借入限度額など最適な情報をチェックし、堅実な返済計画を立てることで無理なく返済していけば、将来的に別のカードローンを申込むことになっても安心でしょう。
ライター紹介
日本FP協会認定CFP®
生命保険会社にて15年勤務した後、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。
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