第981回
カードローンの返済方式「残高スライド方式」とは?
- 一時的な出費が重なり、カードローンの利用を検討していますが、返済方法がよくわかりません。残高スライド方式とはどのような返済方法ですか。注意点はありますか。(26歳 会社員)
- 残高スライド方式とは、毎月の返済額が借入残高に応じて変動(スライド)する返済方法のことをいい、カードローンの返済方法としてよく採用されています。仕組みを理解して、賢く返済しましょう。
残高スライド方式とは
残高スライド方式とは、借入残高の増減に応じて返済額が変動(スライド)する返済方式です。残高スライド方式にはいくつかの種類がありますが、カードローンの返済方法として一般的なのは残高スライドリボルビング方式です。リボルビング方式とは、返済回数を決めず限度額の範囲内なら何度でも借り入れでき、あらかじめ取り決めた一定金額を毎月返済していく方式のことをいいます。つまり、残高スライドリボルビング方式とは、限度額の範囲内なら何度でも借り入れでき、借入残高の増減に応じて返済額が段階的に変動する返済方式をいいます。
残高スライドリボルビング方式には、「残高スライド元利定額リボルビング方式」「残高スライド元金定額リボルビング方式」「残高スライド元利定率リボルビング方式」の3種類があります。中でも「残高スライド元利定額リボルビング方式」がカードローンの返済方式として最も一般的です。
ローン残高 | 毎月返済額 |
10万円以下 | 2,000円 |
10万円超30万円以下 | 5,000円 |
30万円超50万円以下 | 10,000円 |
50万円超100万円以下 | 15,000円 |
上の表で見てみると、借入残高が30万円超50万円以下の時は毎月返済額が10,000円です。返済が進んで借入残高が30万円以下になると、毎月返済額は5,000円になります。一方、その後に新たに借り入れをして借入残高が50万円超になると、毎月返済額は15,000円になります。
残高スライドリボルビング方式の場合、借入残高が増えると毎月返済額が増えるため、しっかりと返済計画を立てておかないと返済が厳しくなることが想定されます。逆に、借入残高が減ると毎月返済額も減るため返済は楽になりますが、毎月返済額がスライドしない場合(月々の支払額が完済まで一律の場合)と比べて返済期間が長くなり利息負担も増えます。
余裕があれば臨時返済(随時返済)も使って
カードローンでも、いわゆる繰り上げ返済に相当する臨時返済(随時返済)ができます。また、ボーナス返済を利用できる金融機関もあります。どの金融機関がどの返済方式か、また臨時返済が可能かどうかの情報は、イー・ローンの比較サイトで調べることができます。各社のローン商品詳細ページの『返済方法』『臨時返済』をご覧ください。手数料の有無や返済手段などを事前に確認しておきましょう。
残高スライドリボルビング方式の注意点でもある、返済が進むにつれて返済スピードが落ちる点を補うためにも、余裕のある月には臨時返済やボーナス返済の利用を検討し、賢く返済していきましょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。
大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。
※執筆日:2022年06月20日