第294回
カードショッピングの支払い方法って後から変更できるの?
- 冬のボーナス一括払いで買い物をしすぎてしまいました。これから出費も増えますし、残高が足りなくなりそうです。今から分割払いなどに変更する事はできるのでしょうか?(Sさん 26歳女性 会社員)
- そのような時は、カード会社に支払方法の変更ができるかどうかを聞いてみましょう。「あとからリボ」「あとから分割」など、後からでもリボルビング払い(以下、リボ払い)や分割払いに変更できるサービスを、多くのカード会社で行っています。
支払い方法を「後から」変えられる?
クレジットカードを使う場合、手数料がかからないのは一回払い、二回払い、ボーナス払いまで。この方法で買い物をする人も多いと思いますが、急な出費が続いたりすると、「やっぱり何回かに分けて払いたい」という状況になる事もあるでしょう。そのような時に便利なのが、リボ払いや分割払いに支払方法を変更するサービスです。
例えばクレジットカードを使い、翌月一括払いで5万円の買い物をしたとします。ところが後日、残高に十分な余裕のない事がわかりました。そこで、カード会社に連絡をし、支払いを一括払いからリボ払い(例:元金定額1万円)に変更する申込みをします。すると翌月から1万円に手数料を加えた金額が5回(端数処理のため6回の場合も)にわたって引き落とされます。つまり、手数料という対価を払うことによって、支払いを先に延ばす事ができ、今のフトコロが助かるというわけです。
メリットやデメリットは?
最大のメリットは、足元の資金計画が楽になることです。海外での利用にも対応しているところが多いので、例えば海外旅行のときに手数料がかからない支払い方法を指定しておき、帰国した後でゆっくり支払いについて再考し、状況に応じて支払い方法を分割払いやリボ払いに変更してみるとよいでしょう。また、リボ払いに変更することによって、ポイントが2倍になるなどの特典も受けられる事があります。
注意しなければいけないのは、変更を受け付ける締切日がカード会社によって違うこと。利用明細が届いた後でも間に合うところもあれば、間に合わないところもあります。カード会社のホームページなどで締切日を確認し、なるべく早く手続きをする方が良いでしょう。
このように、いざという時に助かるサービスではありますが、やはり気になるのは対価となる手数料です。さらに「リボ払い」と「分割払い」では、手数料率も計算方法も違ってきます。
「リボ払い」と「分割払い」どちらにする?
買い物の回数や金額に関係なく、毎月の支払額を一定にしたい人は「リボ払い」、3、5、10回など支払回数を自分で決めて払いたい人は、「分割払い」が向いています。では、手数料をなるべく節約したい人はどちらが向いているでしょうか?手数料率を見ると、分割払いの方が低いところが多く、有利にみえます。そこで5万円の買い物をしたと仮定し、支払回数を同じにして、支払総額を比べてみました。
利用金額5万円の場合のリボ払い(元金定額1万円)と分割払いの比較
支払方法 | 手数料率(実質年率) | 支払回数 | 支払総額 |
リボ払い | 15.0% | 6回 | 51,770円 |
分割払い | 13.75% | 6回 | 52,010円 |
(※三井住友VISAカードの場合:筆者が電話にてヒヤリング)
支払総額に240円(52,010円-51,770円)の差がつき、分割払いよりもリボ払いの方が安く済みました。手数料率はリボ払い15%に対し、分割払いは13.75%と低かったのですが、計算方法が違うため、支払総額では逆転する結果になったのです。(しかし、毎月の支払額は分割払いの方が安い)よって、手数料率だけでは判断できない事がわかります。手数料を重視する人は、カード会社で正確な数字を聞き、それから変更手続きをすると良いでしょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー、住宅ローン・アドバイザー、心理カウンセラー。
大学卒業後、大手総合商社へ入社し、貿易事務に携わる。その後、税理士事務所、社会保険労務士事務所を経て2005年に独立。現在は生命保険や住宅ローンの見直し、資産運用に関する相談や、各種マネーセミナー、FP資格取得講座の講師、コラムの執筆等で活躍中。大人だけでなく、小学生向け金銭教育活動にも力を注いでおり、首都圏を中心に、今までの実務経験と女性の感覚を生かした独立系FPとして活動中。
※執筆日:2008年12月04日