第1127回NEW
カードローンの返済が延びてしまったらどうなる?
- カードローンを利用しています。銀行口座からの引き落としにしていますが、うっかり残高不足にしてしまい、引き落としができなかったようです。延滞をするとどうなりますか?(会社員、29歳)
- カードローンを延滞すると、高金利の遅延損害金を支払うほか、延滞期間によっては信用情報に登録されてしまう可能性があります。カードローンの延滞はできるだけ避け、無理なく返せる状態で利用するようにしましょう。

"うっかり"が招く3つのデメリットとは?
日本貸金業協会が公表した「資金需要者等の借入意識や借入行動等に関する調査(2024年度)」によると、貸金業者(消費者者金融やクレジットカード会社等)からの借り入れにおいて、7.0%が「支払いを3カ月以上延滞したことがある」と回答しています。しかも、この延滞経験者のうち、最も多かった理由は「仕事などが忙しくてうっかり忘れてしまったから」というものでした。
誰にでも起こりうる"うっかり"ですが、そのまま放置してしまうと何が起こるか、整理してみましょう。
1 遅延損害金が発生
返済期日を過ぎると、利息とは別に「遅延損害金」が発生します。これは、いわば"ペナルティ"のようなもので、年利14~20%に設定されており、延滞した日数分、日割りで請求されます。たとえば、10万円を延滞し、損害遅延金が20%の場合には、月1,700円弱の損害金が加算されます。延滞が長引けば、返済額はどんどん膨らみ、家計への負担が増すことになります。
2 信用情報に「事故情報」が登録
返済遅延が一定期間(2~3カ月程度)続くと、信用情報機関に「事故情報」として登録されます。いわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。そうなると、次のような不都合が生じます。
- クレジットカードの発行や更新ができない
- 住宅ローンや自動車ローンが借りられない
- 携帯電話の分割払いが利用できない など
完済しても最長5年間は記録された状態ですので、影響が長く続くことになります。
3 法的手続きに発展することも
延滞が何カ月も続く場合は、貸金業者からの督促が始まります。場合によっては、一括返済の請求、あるいは裁判所を通じた法的手続きに発展することもあり、給与の差押えなどに至る可能性もあります。
返済の"うっかり"を防ぐには?
延滞にはデメリットしかありませんので、危機感をもって回避しましょう。これを防ぐために、日頃からできる予防策をいくつかご紹介します。
引き落とし日を給料日のすぐあとに設定
給料日のすぐあとに引き落とし日を設定しておくと、残高不足も防ぎやすくなります。
アラームを設定
スマホのカレンダーに返済日を登録し、前日にアラームを設定しておきます。
残高チェックを習慣づける
定期的に銀行口座の残高をチェックする習慣を付けましょう。曜日を決めて残高をチェックするのも一法です。
借入額は「確実に返せる範囲」にする
お金を借りるときは、「いくらまで借りられるのか」ではなく「毎月いくらまでならムリなく返せるか」という視点で考えるのが大事なポイントです。借入額をチェックすることは、今後は必須ですね。
延滞したときは絶対に放置しない!
うっかり延滞に気づいたら、すぐに返済をするか、それが難しい場合は、できるだけ早く貸金業者に連絡を入れ、相談をするようにしましょう。状況を伝えることで、柔軟な対応をしてもらえる場合もあります。最もやってはいけないのが、「放置」して事態を悪化させることです。
延滞が重なって返済が困難な状態のときは、弁護士や司法書士に相談をして債務整理をしましょう。軽度な状態であれば、FPに相談して家計再建の方法を一緒に考えることもできるかもしれません。1人で悩まず、信頼できる専門家に相談してみてくださいね。
【参考リンク】
私が書きました

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。
20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。
※執筆日:2025年04月17日
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