第67回
総量規制以上のお金を借りたい!カードローンは即日融資できる?
- 総量規制とは?
- 総量規制の対象外になる2つの貸付け
- カードローンの仕組み
- カードローンの即日融資は可能?
- カードローン3つのメリット
- カードローン2つのデメリット
- カードローンの具体的な申込手順
- カードローンの必要書類
- カードローンの審査に通過する5つのポイント
- カードローンで即日融資を希望する場合の4つの注意点
- まとめ
- カードローンの総合ランキング
借入金額の総額を年収の3分の1までに抑えるための規制が「総量規制」です。すでに大きな金額の借り入れがある方が"入り用"になった場合に利用でき、かつ即日融資が可能なカードローンはあるのでしょうか。
総量規制以上のお金を借りられるかどうかは、実は、借りようとする、もしくは既に借りている借り入れの種類によります。カードローンは、大手消費者金融なら即日融資に対応しているケースが多くみられます。ただし、それぞれにメリットやデメリット、注意点等があるので、十分に内容を把握したうえで申込むことが大切です。今回は、総量規制の概要と、カードローンで総量規制以上の借り入れをする場合のメリット・デメリット、審査通過のためのポイントなどについてご紹介します。
総量規制とは?
そもそも総量規制とは、何のための規制なのでしょうか。まずは「総量規制」の基礎知識について解説します。
借入金額を年収の3分の1までに規制する制度
総量規制とは、貸金業者が「利用者の年収の3分の1」を越える貸付けを原則禁止とする制度のことです。貸金業法に定められていて、仮に年収600万円の人が貸金業者からの借り入れを希望した場合、借りられる金額は200万円までとなります。
消費者が自らの返済能力を超えた借り入れを行うことで返済が困難になり、「債務整理」や「破産」する事態を防ぐために作られました。
総量規制の対象は「貸金業者」の貸付けのみ
総量規制が適用されるのは、貸金業者が個人へ行う貸し付けのみです。
ここでいう貸金業者とは、都道府県知事または財務局長に登録をし、お金を貸し付ける業務を行っている金融機関のことです。
貸金業者に該当する事業者は以下の通りです。
・消費者金融
・クレジットカード会社
※クレジットカードのキャッシング枠利用分が貸金業法の規制対象に該当します。ショッピング枠の利用分は規制対象にはなりません。
以下のような金融機関が行う貸付は、貸金業法の規制対象にはなりませんが、それぞれの金融機関で返済能力を図るための審査基準を設けています。総量規制と同等の内容と認識しておくとよいでしょう。
・地方銀行
・信用組合
・信用金庫
・労働金庫
・商工組合中央金庫
など
申込者の借入金額は信用情報機関で把握される
総量規制は、貸金業者1社からの借り入れに上限を設ける規制ではなく、すべての貸金業者からの借入総額が規制の対象となります。
貸金業者は審査の際、株式会社日本信用情報機構(JICC)や株式会社シー・アイ・シー(CIC)など信用情報機関を利用して、申込者の信用情報を照会します。そのため、貸金業者は、申込者がどこでどれくらいの金額の借り入れをしているのか把握できるのです。
借入限度額は返済能力に応じて決定される
申込者の返済能力によっては年収の3分の1よりも低い金額しか借り入れできない場合があります。
借入可能額は各金融機関が独自の審査基準で決定するため、貸金業者からの借入可能額は、総量規制の範囲内かつ、金融機関が判断する申込者の返済能力の範囲内となります。
総量規制の対象外になる2つの貸付け
総量規制の対象となる貸金業者からの貸付けであっても、金融商品の種類によっては「例外貸付」と「除外貸付」に該当し、総量規制の対象外になる場合があります。
例外貸付
例外貸付とは、消費者の利益の保護に支障が生じないと判断される貸付けを指します。消費者側の返済能力に問題が無いと判断される場合や、社会通念上、緊急性が高いと判断される場合などは、総量規制の上限である年収の3分の1を超えた貸付けを行うことが可能です。
以下は例外貸付に該当する貸付けの例です。
・緊急の医療費のための貸付け
・配偶者と合算した年収の3分の1以下の貸付け
・事業計画等により返済能力が認められた個人事業主への貸付け
・借り手が一方的に有利になる借り換え
ただし、例外貸付に該当する貸付額は、総量規制の借入残高に含まれます。
「おまとめローン」は総量規制の例外貸付に該当
「おまとめローン」は、例外貸付の例のひとつである「借り手に一方的に有利となる借り換え」に該当するため、総量規制による上限を超えた借り入れが可能です。
おまとめローンとは、以下のように複数の貸金業者等からの借り入れを一本化し、ひとつのローンにまとめる金融商品です。
- A社から100万円、B社から50万円、C社から30万円の借り入れをしている場合。
↓ - D社からおまとめローンで借り入れた180万円でA・B・C社との既存契約を完済させ、以降はD社のみが返済先になる。
↓ - 返済先が一社になることで、完済しやすくなる。
総量規制の例外貸付に該当するための条件
なお、おまとめローンとうたわれている金融商品が全て例外貸付に該当するとは限りません。おまとめローンを例外貸付の対象にするためには、以下の条件を満たす必要があります。
・返済により段階的に借入残高が減ることを要件とする
・借り換えにより、借り換え前よりも返済負担額が減る
・担保・保証の要件が借り換え前よりも厳しくならない
・借り換え対象に銀行や親族などからの借り入れを含まない
個人事業主への事業資金の借り入れ
個人事業主が事業資金など個人用途でない借り入れを行う場合、事業計画・資金計画・収支計画の審査を受け、貸金業者が返済能力があると判断した場合には、例外貸付として総量 規制を超えた借り入れが可能になります。この場合は上限に制約が設けられていません。
また、借入金額が100万円以下の場合には、上記の計画書の代わりに現状の事業・収支・資金の状態を確認できる書類を提出することで借り入れできます。
事業資金以外の借り入れは総量規制の対象
貸金業法では、個人事業者主の事業所得のうち、安定的な収入として認められるものについては総量規制の基準となる「年収」と定められています。事業所得とは、総収入金額から必要経費を控除した額を指しており、レジャーや教育資金など、事業資金以外の消費者としての資金用途の場合は、年収の3分の1まで借り入れが可能です。借り入れの際は、確定申告書など事業所得に関する証明書の提出が必要になる場合があります。
専業主婦やパート主婦の借り入れ
総量規制の「例外」制度として、借り入れをする本人と配偶者の収入を合算し、その3分の1までの借り入れを可能とする「配偶者貸付」があります。この際、以下の書類の提出が必要になります。
・夫婦間の身分関係を証明する公的書類(住民票、戸籍謄本の写しなど)
・配偶者貸付を締結することに対する配偶者の同意書
・指定信用情報機関へ信用情報を提供することに関する配偶者の同意書
除外貸付
除外貸付とは、総量規制になじまないと判断され総量規制に関わらず可能な貸付けを指します。以下の条件に該当する貸付けを除外貸付とし、総量規制の対象外と見なしています。
・自動車購入時に自動車を担保にした貸付け(自動車ローンが該当)
・高額療養費のための貸付け
・不動産や有価証券を担保にした貸付け
・売却予定不動産の売却代金により返済される貸付け
など
除外貸付の借入額は、借入残高に算入されないため、ほかの理由で貸金業者からお金を借り入れる際の総量規制の借入限度額に影響しませんが、無理なく返済できる範囲で検討しましょう。
既存契約が「除外貸付」なら新たにローンを利用できる可能性がある
住宅ローンや自動車ローンといった低金利・長期利用のローンは除外貸付に該当するため、総量規制の対象外とされています。仮に年収600万の人の住宅ローン残高が2,000万円あったとしても、カードローンなどを利用した200万円までの借り入れが可能です。
ただし、住宅ローンや自動車ローンの残高が金融機関の審査において返済能力に影響を及ぼすと判断された場合には、借入額の上限を下げられる場合があります。審査の対象となるのはあくまで返済能力ですので、返済が難しくなるような金額の借り入れをしないように利用を検討しましょう。
カードローンの仕組み
カードローンは、銀行・信販会社・消費者金融などの金融機関が個人向けに提供する融資サービスです。カードローンで借り入れをする際は、ローンカードを利用し、銀行・コンビニのATMなどから、契約時に定められた利用限度額範囲内でのお金の引き出しや、インターネットバンキングサービスを利用し自分の口座へ振り込んでもらうことなどが可能です。商品によっては、ローンカードを利用しないカードレスのサービスもあります。
クレジットカード付帯のキャッシングとの違い
クレジットカードには、ショッピング機能とキャッシング機能があります。キャッシング機能を利用すると、クレジットカード会社からお金を借りられます。カードローンとクレジットカード付帯のキャッシングは、現金を借り入れる、毎月の返済以外にも任意返済ができるという点では同じです。相違点はカードローンのほうが金利が低く、利用限度額が高い傾向にあることです。
カードローンの即日融資は可能?
緊急の融資が必要なときにまず検討したいのが、カードローンの利用です。カードローンの即日融資の可能性について解説します。
大手消費者金融の多くは対応可能
カードローンは金融機関によって融資までの期間が異なります。近年では消費者金融の多くは、即日融資に対応しています。
カードローンを利用した即日融資を希望する場合には、申込先の金融機関が提供する情報などを参考に、融資スピードや申込み方法などを比較検討して借入先を選ぶとよいでしょう。
ただし、銀行のカードローンは消費者金融よりも審査時間が長くかかる傾向にあります。一つは反社会勢力への融資を防止するため、警察庁のデーターベース照会が必須となったこと。もう一つは銀行カードローンの過剰貸付けが社会問題になり審査が慎重になったことです。ごく一部の銀行では即日融資が可能な場合もありますが、極めて限定的です。
カードローン3つのメリット
個人が融資を受ける手段のひとつであるカードローンは、他の融資手段に比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。
保証人・担保が必要ない
1番のメリットは申込みのしやすさです。カードローンは保証人や担保を必要とせず、パソコンやスマホからすぐに申込みができます。また、年会費や入会費もかかりません。
利用限度額の範囲内なら何度でも借り入れできる
2番目のメリットは利用限度額の範囲内なら何度でも借り入れできることでしょう。カードローンの限度額は、審査の際に金融機関が設定します。利用者はカードローンの利用限度額の範囲内なら何度でも借り入れが可能です。カードローンでお金を借りる際は、金融機関のATMや提携ATM等を利用でき、ATMのメンテナンス時間以外なら、原則いつでも借り入れや返済ができます。時間や場所を問わずに利用できる点も大きなメリットです。
使いみちは原則自由
3番目のメリットは使い道が原則自由なことです。教育ローンや自動車ローン、住宅ローンなどはお金の使いみちに制限がありますが、カードローンは原則資金使途に制限はありません。ただし、事業性のある資金への流用を認めていないカードローンがあるため、契約時には用途の制限を確認しておくとよいでしょう。
カードローン2つのデメリット
カードローンは便利な面がある一方で、使い方に気をつけなければならない面もあります。利用時には次に紹介する2つのデメリットを念頭においておくとよいでしょう。
借り過ぎてしまうリスクがある
1つ目のデメリットは借り過ぎのリスク。カードローンは時間や場所を問わずに用途制限のないお金を借りられるメリットがありますが、それだけに借り過ぎてしまうリスクがあります。利用の際は、本当に借りる必要があるお金かどうかを考え、返済計画を立てたうえで利用しましょう。
目的型ローンよりも金利が高い傾向にある
2つ目のデメリットは、カードローンは目的型ローンよりも金利が高い傾向にあることです。目的型ローンとは、住宅ローンや自動車ローンなど、お金の使いみちに制限があるローンのことです。申込みの際は、金利や返済期間等を十分に調べ、自分にあった商品を選択するようにしましょう。
カードローンの具体的な申込手順
カードローンの申込みは、一般的に以下の手順で行います。
・本人確認書類の提出
・融資元による審査
・審査結果の連絡
・ローン用カードの発行・受け取り
・利用開始
申込先は店頭窓口のほか、インターネット、電話、ローン契約機などがあります。窓口によって手続き可能な時間帯が変わりますので、選択可能な申込先を選びましょう。インターネット経由での申込みなら、原則として24時間いつでも申込みが可能です。
カードローンの必要書類
カードローンの申込時には、金融機関に申込書類を提出する必要があります。一般的に提出を求められる書類は「本人確認書類」「収入証明書」の2種類です。
本人確認書類として提出を求められる書類には以下のものが該当します。
・マイナンバーカード
・住民票の写し
・パスポート
・健康保険証
・特別永住者証明書
・在留カード
提出するのは上記の確認書類のコピーです。書類によっては表面と裏面の両方の提出を求められます。また、金融機関によっては上記のうち写真つきのものなら1点、写真無しのものなら2点というように、提出条件が異なる場合があるので、金融機関の提出要件を確認しましょう。
収入証明書として提出を求められる書類には以下のものが該当します。
・確定申告書
・課税証明書
・納税証明書
・給与明細書
・年金通知書
収入証明書は現在の年収を確認するための書類ですので、原則として直近に発行された書類の提出が必要です。ただし、転職のため現在の職場で発行された源泉徴収票がないような場合は、直近2カ月分の給与明細書で認められる場合があります。
なお、貸金業法が適用される消費者金融等のカードローンに申込む際には、原則として「申込みをする貸金業者の利用限度額が50万円超」「他の貸金業者と合算した利用限度額が100万円超」の場合に収入証明書の提出が必要です。
ただし、上記のケースとは関係なく審査のために提出を求められる場合もありますので、申込時には収入証明書の用意は欠かさないようにしましょう。
カードローンの審査に通過する5つのポイント
ここまでの解説を踏まえ、カードローンの審査に通過するための5つのポイントについて解説します。
虚偽申告をしない
カードローンを申込む際は、正しい情報を入力するように心がけましょう。間違った情報では正しい審査ができません。故意に真実とは異なる情報を入力しても、審査の際に嘘は発覚するため、金融機関からの信用を落とすことにつながります。
過去半年以内にローンの審査で否決されていない
カードローンの審査情報は、信用情報機関に登録されます。過去半年以内にカードローンの申込履歴に否決情報があれば、多くの場合、審査に通過することは難しいでしょう。直近の申込みで否決されているのは、支払い能力に懸念があると見なされるためです。
もし審査に落ちてしまったとしたら、次回の申込みは最低半年、できれば1年以上の時間を空けてから行うのが無難です。
多重申込をしない
多重申込とは、短期間のうちに複数の審査申込みをすることです。カードローンに申込むと、申込履歴が信用情報機関に登録されるので、金融機関に多重申込をしていることがわかります。多重申込は、金融機関に収入面に不安要素がある、返済能力がない、などの印象を与えることがあるため、審査では有利に働きませんので避けましょう。
遅延や延滞を起こしていない
過去の返済遅延や延滞が信用情報の記録に残っていると、金融機関から返済能力が低いと見なされ、審査落ちしやすくなるおそれがあります。一般的に数日程度の延滞ならば信用情報に記録が残りませんが、約定返済日から61日以上または3カ月以上の延滞や、度重なる支払い遅延は「遅延情報」として記録されてしまいますので、日頃から遅れがないように計画的な返済を続けるように心がけましょう。
なお、カード等の利用遅延がなくても、携帯電話の本体の支払いを分割払いにしている場合には、支払い状況が信用情報に記録されます。分割代金の支払いを滞納した場合も遅延情報が記録されてしまいますので、完済まで油断せずに支払いを続けましょう。
安定した収入がある
返済能力が重視されるカードローンの審査では、安定収入があると審査で有利になる傾向があります。転職したばかりで勤続年数が短い、就労形態がアルバイトやパートなどの場合は、審査では不利になります。金融機関によっては申込条件に就労形態や年収の基準を設けている場合があるため注意が必要です。
カードローンで即日融資を希望する場合の4つの注意点
最後に、即日融資に対応している金融機関にカードローンの申込みをする際の注意点を4つご紹介します。
早めの時間帯に申込みをする
即日融資を希望する場合、できるだけ早めの時間帯の申込みがおすすめです。即日融資をうたっている金融機関であっても審査は必要であるため、遅い時間に申込んでしまうと営業時間内に審査が完了しない場合があります。
即日融資を希望する場合には、午前中など早めの時間帯に申込むとよいでしょう。
在籍確認に備える
在籍確認とは、申込者が申請した勤務先で本当に勤務しているかどうかを金融機関が確認する作業です。在籍確認は電話で行われることが一般的ですが、金融機関によっては提出書類を指定して確認する場合もあります。
必要書類を準備しておく
即日融資を受けるためには、審査をスムーズに進めることが必要です。書類不足や誤った書類の提出などにより審査が止まらないよう、あらかじめ提出する書類に不備がないような準備が望まれます。本人確認書類と収入証明書を手元に用意のうえ、申込みを行いましょう。
また、申込みの際には現在利用中の借入状況の申告が必要になるため、該当するものがある場合には、返済予定表など借入状況を把握できる書類を用意しておくことも重要です。
誤入力に注意する
間違った情報を入力すると、審査の際に正誤の確認が必要になり、審査時間が長引く可能性が出てきます。申込みの際は、入力情報に間違いがないかを十分に確認したうえで申込むことが重要です。
特に転職や引越し後、電話番号を変えた後などに誤入力が発生しやすくなりますので、申込みの際には入力する情報を間違えないよう、申込み時点での正しい情報を把握しておきましょう。
まとめ
総量規制とは、個人の借入金額を年収の3分の1までにとどめるように規制する貸金業法上の取り決めです。総量規制は全ての借り入れが対象になるわけではなく、住宅ローンや自動車ローンといった貸付は「除外貸付」として、総量規制の対象外になります。
何らかの理由で借り入れが必要になったとき、現在利用している借り入れが除外貸付に該当する契約であるようなら、用途が制限されずいつでも借りられるカードローンの申込みを検討しましょう。
自分にあったカードローンをお探しの方やカードローンの利用に興味がある方は、ぜひこちらのページもご覧ください。
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また、このランキングはサービス選択時の参考情報を提供することを目的としており、ローン商品の商品性の優劣を示したり、イー・ローンとして特定の金融機関、ローン商品を推奨したりするものではございません。
文/手塚 裕之