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第65回

収入証明書不要で借り入れできるカードローンはある?申込時のポイントとは

  • 収入証明書とは?
  • おもな収入証明書の種類
  • 収入証明書が必要な2つの理由
  • 収入証明書で確認される3つのポイント
  • 収入証明書が手元にない場合の2つの対処法
  • 収入証明書の提出が必要となる3つのケース
  • 収入証明書不要でカードローンが利用できる場合とは
  • 収入証明書不要で利用できる消費者金融カードローンの特徴
  • 収入証明書不要で利用できる銀行カードローンの特徴
  • 収入証明書不要のカードローンを利用する際の注意点
  • 収入証明書不要かつカードローン以外の商品はある?
  • まとめ
  • カードローンの総合ランキング

「事情があって収入証明書が用意できない」「いま手元に収入証明書がない」――。
 そんな場合、ローンを組むことはできないのでしょうか? 原則としてカードローンの申込みには収入証明書の提出が必要です。しかし、実は一部のカードローンでは、収入証明書がなくても借入れができる可能性があるのです。
 今回はカードローンの利用に収入証明書が必要である理由と、収入証明書不要で借入可能な条件とローンの種類についてご紹介します。

収入証明書とは?

収入証明書は、「自身の収入を公的に証明する書類」の総称です。収入だけではなく、納税義務を果たしているかどうかも証明できます。収入証明書が必要なシーンは、自分の正確な収入を証明しなくてはならない時。代表的なケースは、住宅ローンや自動車ローンなどの「高額なローンを組む時」「賃貸物件を借りる時」などです。

またカードローンやフリーローンを利用する際も、収入証明書の提出を求められるケースがあります。

おもな収入証明書の種類

先述したように収入証明書は、収入を証明する公的な書類の総称で、「収入証明書」という書類はありません。主な書類は源泉徴収票、確定申告書(控え)、税額通知書など、下記に挙げたものです。カードローンの利用を申込む際にも収入証明書の提出を求められることがありますが、必要となる証明書の種類は、申込むカードローンによって異なります。書類によっては発行に時間がかかるものもあるので、どの書類が必要なのか事前に確認しておきましょう。

また一般的に収入証明書には利用可能な期限があるので注意しましょう。

源泉徴収票

源泉徴収票は、雇用主から発行される書類です。1月1日から12月31日の間の給与総額・給与所得控除額・所得控除額・源泉徴収税額などが記載されます。一般的には勤務先が年末調整を行う12月から翌1月までの間に従業員へ発行されます。

年の途中で離職した場合は、前職の勤務先から在職期間中の源泉徴収票が発行される場合があります。しかし年間の納税額を確定する年末調整を経ていないため、収入証明書として認められない場合があります。

確定申告書(控え)

確定申告書は、住居や事業所在地を管轄する税務署へ年間の所得や所得税額を申告するための書類です。基本的には被雇用者ではない個人事業主が所得税額を確定するための書類ですが、給与額が2,000万円を超えたり2カ所以上から給与を受け取ったりしている会社員も、確定申告が必要になる場合があります。

確定申告書の原本は税務署へ提出する必要があるため、収入証明書には確定申告書の控えを利用します。ただし税務署の受付印や、e-Taxで申告後に受信する通知がない場合には、一般的に収入証明書として認められません。

税額通知書

税額通知書は、前年度の所得から算出された住民税の額を通知するために自治体が発行する書類です。「住民税決定通知書」と「納税通知書」に分かれており、毎年6月頃に住所地の自治体から自宅もしくは勤務先へ通知されます。

課税証明書・納税証明書

課税証明書・納税証明書は、いずれも住所地の自治体が発行する書類です。課税証明書は1月1日から12月31日の間の所得額、納税証明書は1月1日から12月31日の間の所得を対象とした住民税課税額が記載されます。

どちらの書類も自動的に発行・送付される書類ではなく、市区町村役場の窓口に申請することで発行されます。いずれの書類を発行するかは自治体によって異なるうえ、記載される内容も自治体によって異なる場合がありますので、発行を受ける前に自治体のホームページ等で確認しておきましょう。

給与明細書

給与明細書は、毎月勤務先から発行される給与の内訳が記載された書類です。総支給額や給与控除額、源泉徴収税額などが月単位で記載されます。

1年間の収入や所得を証明する他の収入証明書とは異なり、月ごとの収入や所得の情報しかありません。そのため給与明細を収入証明書として利用する場合には、複数月分の書類の提出を求められる場合があります。また、賞与を受給していた場合には、併せて賞与明細書の提出を求められる可能性があります。

収入証明書が必要な2つの理由

ローンを組む時、家を借りる時など、様々な場面で収入証明書の提出が求められます。金融機関や不動産会社など、企業はどのような理由で収入証明書の提出を求めるのでしょうか。

返済能力を評価するため

収入証明書の提出を求める理由のひとつが、返済能力の評価です。カードローンなどの利用者が返済能力を超えた借り入れをして生活を破綻させることがないよう、収入証明書の内容や勤務先の規模、勤続年数、他の借入状況といった情報から返済能力を評価します。 とくに、貸金業者は貸金業法第13条1項において顧客に対する返済能力の調査を義務づけられているため、ほとんどの金融機関は利用者に対し収入証明書の提出を求めています。

総量規制の要件を遵守して貸付けを行うため

貸金業法では、総額で顧客の年収の3分の1を超える貸付けを禁止しています。年収300万円の人がA社から30万円、B社から50万円借りていれば、C社からは20万円までしか借りられません。この制度は総量規制と呼ばれています。貸金業者は総量規制を超えた貸付けを防ぐために、利用者に収入証明書の提出を求めます。

なお、銀行の貸付けは貸金業法が定める総量規制の対象外であるため、銀行からの借り入れは総量規制にカウントされません。

収入証明書で確認される3つのポイント

収入証明書は、利用者の年収をチェックするためだけに提出を求められるわけではありません。金融機関は主に3つのポイントをチェックします。

収入はどれくらいか

第一にチェックするポイントは利用者の収入です。まずは、本当に収入があるのか、またどのくらいの収入があるのかを確認します。また、申込書の記載と証明書の数字が合っているかもチェックします。利用者は誤りがないよう確認しながら書き込むことが大切です。

勤務先情報に誤りはないか

給与明細書や源泉徴収票は、利用者の勤務先情報の照合に利用されます。原則として申込書には申込時点での勤務先を記載しますので、転職や離職をした場合は、書類と申込書の内容に相違がないように注意しましょう。相違があった場合には、書類の再提出を求められる場合があります。

発行日は金融機関が指定する有効期限内か

提出する収入証明書は、書類の種類によって有効期限が異なります。たとえば源泉徴収票なら前年分、給与明細書なら直近の数カ月分の提出を求められることが一般的です。

また前年分であっても、退職した会社が発行した書類は収入証明書として認められません。直近で勤務先が変わっているようなら、在籍中の会社に収入証明書を発行してもらう必要があるでしょう。

収入証明書が手元にない場合の2つの対処法

収入証明書を失くしてしまったり、急いでいるのに手元になかったりした場合は、どうすればいいのでしょうか。2つの対処法を紹介します。

源泉徴収票の再発行を依頼する

会社などに勤務している場合、勤務先で源泉徴収票の再発行が可能です。経理や総務などの給与を管理する部門に相談し、再発行を依頼しましょう。

ただし、源泉徴収票の再発行にかかる時間は、担当する部門の都合によって異なります。また会社によっては給与の管理を外部企業に委託するケースがあるため、社内部署に依頼する場合に比べて時間がかかる傾向があります。

再発行を依頼する際には、書類を受け取れる時期を確認しておきましょう。

市区町村役場で収入証明書を発行する

収入証明書の発行を急ぐようなら、納税地の市区町村役場の窓口で課税証明書・納税証明書の発行を依頼しましょう。再発行の手続きは自治体によって異なりますが、即日発行できる自治体も多いので、再発行に必要な期間を確認して手続きを行いましょう。

なお、自治体によっては発行した課税証明書・納税証明書を郵送やコンビニで受け取れる場合があります。発行に必要な費用や受け取りまでの期間は自治体によって異なりますので、確認のうえで取得方法を選択しましょう。

収入証明書の提出が必要となる3つのケース

ローンを申込む時には基本的に収入証明書の提出が必要ですが、カードローンの場合は特に、収入証明書の提出が求められる条件があります。提出要否の基準は金融機関ごとに異なりますが、収入証明書の提出を求められやすいケースをご紹介します。

希望の借入金額が50万円を超える場合

貸金業者1社からの借入れが50万円を超える場合は、貸金業法によって、収入証明書の提出が義務づけられています。この50万円という金額は利用者の返済能力を確認するボーダーラインと考えられており、貸し倒れや多重債務者に陥る可能性を減らすために、実際に返済できるのか、収入証明書での確認が義務づけられています。

銀行が提供するカードローンは貸金業法による制約を受けず、銀行法には収入証明書の提供を求める条文はありません。しかし貸し倒れや多重債務に陥る可能性を減らすための自主規制を行っており、貸金業法と同等の基準を設けているのが一般的です。

他社借入との合計金額100万円を超える場合

他社を含む貸金業者からの借入れの合算が100万円を超える場合、貸金業者から収入証明書の提出が求められます。これも貸金業法によって定められています。貸金業者はお金を貸し出す時、どこの貸金業者にいくら借りているのかを信用情報機関に問い合わせるので、他社を含む借り入れの合算が100万円を超えるかどうか分かるのです。

たとえばA社から30万円、B社から40万円を借りている時点では、どちらの業者に対しても収入証明書を提出する法的な義務はありません。ただしC社から30万円以上を借入れ、合算の借入額が100万円を超えると、収入証明書の提出が求められるようになります。

なお、合算の対象になる借入れには、クレジットカードの利用代金や住宅ローンなどは含まれません。ただしクレジットカードのキャッシングは、他社借入に含まれ、合算対象になります。

契約途中で提出を求められる場合

契約をしてから一定期間経過した後に、最新の収入証明書を提出するように貸金業者から求められる場合があります。一つは転職など、契約をした時と環境が変わっていないかのチェックをするため。また、1社からの借入金額や他社借入との合算額が増えている場合も、収入証明書が求められることがあります。

貸金業者からの求めに応じて収入証明書を提出しなければ、利用限度額の減額やローンの利用停止といった措置が取られる可能性がありますのでご注意ください。

収入証明書不要でカードローンが利用できる場合とは

ここまでカードローン利用に伴う収入証明書の役割や必要性を解説してきました。しかし、一部の条件を満たせば、必ずしも収入証明書が必要なわけではありません。そこで収入証明書不要でカードローンを利用できる可能性があるケースについて解説します。
 前述の通り、貸金業法では一定の借入額を超えた場合に収入証明書の提出義務を設けていますが、逆に言えば借入額を一定額にとどめておけば、収入証明書を提出しないまま利用できることになります。
 具体的には「1社からの借入額が50万円以下」かつ「他社と合算した借入総額が100万円以下」であれば、収入証明書を提出する法的な義務はありません。申込書に記入する自己申告で利用できる可能性もあります。就労期間が短い人や、何らかの理由で収入証明書の再発行が難しい人は、希望金額を50万円以下に下げることで、収入証明書を提出せずカードローンを利用できる可能性があります。
 ただし、金融機関によっては金額を問わずに収入証明書の提出を求める場合があります。契約前には必要な書類の種類を確認しつつ、提出が難しいようなら借入希望額の調整を視野にいれておくとよいでしょう。

収入証明書不要で利用できる消費者金融カードローンの特徴

ここでは収入証明書不要で利用できる消費者金融カードローンの特徴について解説します。

消費者金融でカードローンを利用する場合、原則として以下の収入証明書を提出する必要があります。

・源泉徴収票
・確定申告書(控え)
・税額通知書
・課税証明書、納税証明書
・給与明細書

貸金業法の規制外となる「1社からの借入額が50万円以下」「他社を含む借入総額が100万円以下」の条件を満たす場合には収入証明書の提出が不要となる可能性があります。

ただし、利用者の申込時の年齢が19歳以下である場合、上記の条件に関わらず一部の消費者金融は収入証明書の提出を必須条件に定めています。また、収入証明書の提出から3年以上経過した後に再提出を必須とする場合もあります。

消費者金融カードローンは手続きが簡略化されており、短期間で利用開始できるのが特徴です。店舗窓口での契約なら最短で即日融資を受けられることも多く、Webだけで手続きを完結できるカードローンも増えています。

さらに初回契約者に対して無利息期間を設けるなど、消費者金融によってサービス内容に違いがありますので、利用する際には複数のカードローンを比較するのがおすすめです。

収入証明書不要で利用できる銀行カードローンの特徴

銀行が提供するカードローンも、収入証明書不要で利用できる場合があります。

銀行は前述の通り貸金業法による規制を受ける対象ではありませんが、2017年頃に起きた過剰融資に対する世間からの非難をきっかけに、規制の強化を自主的に開始しました。現在では貸金業法と同等の基準による審査を行い、以下の収入証明書の提出を要求しています。

・源泉徴収票
・確定申告書(控え)
・税額通知書
・課税証明書、納税証明書
・給与明細書

基本的に、銀行カードローンも「1社からの借入額が50万円以下」「他社を含む借入総額が100万円以下」の条件を満たす場合には、一般的に収入証明書の提出が不要です。

また銀行カードローンの特徴として消費者金融に比べて金利が低い傾向がありますが、手続きから融資開始までに時間がかかる傾向があります。

収入証明書不要のカードローンを利用する際の注意点

カードローンは消費者金融・銀行を問わずに収入証明書の提出をしなくても利用できる可能性がありますが、契約のための手続きが不要になるわけではありません。ここでは、収入証明書不要のカードローンを利用する際に注意したいポイントをご紹介します。

本人確認書類は提出しなければならない

カードローンの契約時に収入証明書が不要であっても、身分証明書の提出は必須です。なりすましなどの犯罪防止を目的とした本人確認を重視しています。

手続きに必要な身分証明書には「運転免許証」「マイナンバーカード」「パスポート」などがありますが、消費者金融によって認められる書類が異なる場合があるので、契約前に確認しておきましょう。

勤務先に電話連絡がくる可能性がある

収入証明書の提出が不要のカードローンであっても、勤務先に在籍確認の連絡がくる場合があります。

「在籍確認なし」「勤務先への電話連絡なし」としている一部のカードローン以外は、在籍確認が行われる可能も考慮しておきましょう。

収入証明書の提出により審査がスムーズになる可能性がある

安定した収入がある人にとって収入証明書の役割は、返済能力があることを貸付側に示せることです。また、貸付側にとっては、収入証明書をはじめ審査材料が多いほどスムーズに審査を進められます。こうした観点から考えると、収入証明書の提出が不要とされているカードローンであっても、自主的に収入証明書を提出するといったやり方も視野にいれると良いでしょう。

おまとめローンの利用には収入証明書が必要

おまとめローンのように、複数の借入れをまとめられる商品は、原則として収入証明書の提出が必要です。

おまとめローンは、法令が規制する一定の条件を満たせば「個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約等」として総量規制の例外貸付けに該当し、年収の3分の1を超えた金額を借り入れられる場合もあります。

したがっておまとめローンは借入額が高額になりやすく、総量規制の対象外でもあるため貸付側は、申込者の返済能力を慎重に見極める必要があるため、一般に収入証明が求められます。

おまとめローンの利用を検討する際には審査に備えて収入証明書を準備しておきましょう。

収入証明書不要かつカードローン以外の商品はある?

カードローンのほかにも、収入証明書不要で借入れできる商品があります。カードローンとは利用方法や契約条件が異なる場合がありますので、利用の前には事前に確認しておきましょう。

クレジットカードのキャッシング機能

クレジットカードに付帯するキャッシング機能は、消費者金融のカードローンと同じ条件、つまり「1社からの借入額が50万円以下」「他社を含む借入総額が100万円以下」の条件を満たせば、収入証明書不要で利用できます。

ただし入会審査の過程で、就業先への在籍を確認できる書類などの提出が求められることもあります。

フリーローン

用途を限定しないフリーローンは、多くの場合、借入金額が50万円を超えると収入証明書の提出が求められます。ただし、一部のフリーローンは申込金額が300万以下であれば収入証明書の提出を不要としています。

まとめ

収入証明書が求められるケース、求められない可能性があるケースなど、様々なケースを見てきました。たとえばカードローンの申込時に「1社からの借入額が50万円以下」「他社を含む借入総額が100万円以下」の条件を満たす場合、収入証明書の提出が不要となる可能性があります。この条件はクレジットカードのキャッシング枠やフリーローンといった他の融資でも同様であり、一定額以上の借入れを希望しなければ収入証明書を提出しなくてもローン契約が可能です。

一定額以上の借入契約に収入証明書の提出が求められる背景には、利用者の返済能力を超えた過剰融資を防ぐという狙いがあります。そのため、複数のローンを一本化するおまとめローンでは契約金額を問わずに収入証明書の提出を求めたり、収入証明書を提出することでカードローンの審査が有利になったりすることがあります。

収入証明書の提出義務は金融機関やローン商品によっても異なりますので、申込時には商品の条件を確認しつつ、返済能力内に収まる計画的な利用を心がけましょう。

カードローンの借り入れに興味がある方はぜひこちらのページもご覧ください。

  • 所得証明書が不要(場合によって要)のカードローン一覧はこちら
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文/手塚 裕之