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第962回

カードローンは自分で返済可能な利用額を設定し計画的に

ボーナスが大幅に減額になりました。ボーナスで支払いをしていたものがあり、資金的に厳しい状況になっています。カードローンを利用しようと思いますが、次のボーナスも期待できないので、少し多めに借りようと思っています。何か注意することがあれば教えてください。(千葉県・Sさん)
カードローンは、資金使途が自由で、借入限度額の範囲内で繰り返し利用できることがメリットですが、必要以上に使ってしまい利用金額が増えると、返済が困難になるリスクもあります。カードローンを利用する際は、使い道をよく考え、返済負担が重くならないように注意しましょう。

借入限度額はあくまでも限度額。本来の目的以外には使わないこと

自動車の車検代、保険の年払いなどをボーナスから支払いしているケースは多く、毎月の生活費の不足分をボーナスで補てんしているケースもよくあります。コロナ禍による給料の減額、ボーナスの減額で、従来の家計管理が難しくなっている家庭も多くあります。一時的に必要な資金をカードローンで手当てするのも仕方がない面もあるでしょう。

教育ローンやマイカーローンなどの目的別ローンとは異なり、カードローンは、資金の使い道が自由で、さまざまな支払いに利用することができます。また、申込みから審査結果がわかるまでスピーディーなので、急な支払いにも対応できるのもメリットのひとつです。

カードローンは銀行や信用金庫、消費者金融など多くの金融機関で取り扱いがあり、審査基準や借入限度額などは金融機関によって異なります。借入限度額については、下限1万円から、最大1000万円とするところもありますが、上限500万~800万円程度とするところが多いようです。

実際の借入限度額は、年収や他社での借入状況、延滞履歴がないかなど信用情報を確認し、審査によって決定されます。申込む時に希望した額より少ない場合がある一方、希望した額以上の借入限度額が提示されることもあります。さらに、カードローンは借入限度額の範囲であれば何度でも繰り返し利用できるので、自分で返済可能な利用額を決め、借り入れが膨らまないように注意する必要があるでしょう。

本来の利用目的以外では使わないようにし、毎月いくらなら無理なく返せるのかを事前に確認するなど、自己管理をしっかり行うことが大変重要です。

カードローンの返済額の仕組みにも注意が必要

カードローンの使いすぎで返済負担が重くなるのは、返済額の決まり方にも理由があります。

カードローンの場合は一般的に、借入残高に応じて返済額が変動する残高スライド方式を採用しています。借入残高によって毎月返済額が決まるため、借り入れを繰り返し借入残高が増えると、それに伴って毎月の返済額が増えていきます。

返済当初は毎月1万円の返済だったものが、借り入れを繰り返し、借入残高が増えたため、毎月1万5000円に返済額が増えるなど、というクレジットカードのリボ払いと同じ仕組みになっています。毎月の返済額の設定は金融機関によって異なりますので、事前に返済シミュレーションなどで確認しておくといいでしょう。

さらに気をつけたいのは、返済期間です。目的別ローンの場合は、10年返済など返済期間があらかじめ設定されているため、返済がいつ終わるのかが明確なのに対し、カードローンは返済期間という概念がありません。毎月決まった額を返済し、返済が終了するのは借入残高がなくなったとき、となります。繰り返し利用していると借入残高が膨らみ、いつ返済が終わるのかが、わかりにくくなっていきます。

もしも、自己管理に不安があるようなら、証書貸付けタイプのフリーローンの利用を検討してもいいでしょう。カードローンと同じように資金使途は自由です。カードローンとの違いは、1回の審査で1度の借り入れになり、返済期間も最長10年などと決まっています。追加で借り入れしたい場合は、改めて審査に申し込まなければなりません。必要な資金が明確で使いすぎを心配するなら、フリーローンのほうが、計画的に利用できるでしょう。

一時的な利用にとどめ、家計の見直しを並行して行うこと

給料やボーナスの減額がしばらく続くようなら、家計支出の見直しは欠かせません。不足分をカードローンで補うのは一時的な対応と考えましょう。

カードローンを利用すれば、家計をやりくりして返済分を捻出しなくてはなりません。返済が終わるまで毎月の貯蓄を減らすのか、家計全般を見渡して節約するのか、こうした家計の見直しはカードローンを申込むのと同時に行うようにしましょう。

食費や水道光熱費など毎月変動する費目は予算を決め、その範囲内に収めることが大事です。通信費や保険料など毎月支払い額が決まっている固定費は、契約内容を見直すなど手間はかかりますが、一度削減できれば、その削減分は継続しますので、家計見直し効果が高い費目です。

カードローンを賢く利用して、家計の立て直しを図れるようにしましょう。

【参考リンク】

私が書きました

伊藤 加奈子 (いとう かなこ)

ファイナンシャル・プランナー。

大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。

※執筆日:2022年02月04日