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第867回

先行きが不透明な中でのカードローンとの付き合い方

新型コロナウイルスの影響で小学校が臨時休校になり、パートを休まざるを得ません。夫も残業が減り、家計が苦しくなりそうです。いざという時にはカードローンを利用しようかと考えていますが、これからどうなっていくのかもわからず、返済できるのか不安です。どんなことに気を付けたらいいですか?(41歳 パート)
新型コロナウイルスの感染拡大で、家計にも影響が出てきています。収束の見通しが立たない中で、公的な支援の利用、支出の見直しなど、できるところから対策を取るしかありません。それでも家計が厳しいときには、カードローンの利用も検討することになりますが、借り入れが常態化してしまわないように計画的に利用することが大切です。

公的な支援を利用する

新型コロナウイルスの感染が世界規模で拡大し、勤務時間の短縮や外出制限など私たちの生活に及ぼす影響も日に日に大きくなっています。 家計に及ぼす影響としては収入の減少が大きな心配事です。

政府は小学校等の臨時休校により有給休暇を取得する従業員を支援する制度の設立や、所得減世帯に対する現金給付などを検討しています。 また、新型コロナウイルスの影響で収入が減った個人事業主やフリーランスに対しては、無利息での貸付なども行われます。 さらに多くの自治体で独自の支援制度を実施する、または実施する予定となっています。

まずは最新の情報を入手し、自分に使える制度がないかを確認しましょう。

生活の変化に合わせて支出の見直しを

公的な支援には利用制限があり、仮に利用を申請しても入金までに時間がかかることも考えられます。 家計を改善するには支出の見直しが欠かせません。

コロナ対策のために家で過ごす時間が増えたため、交際費や娯楽費は減る一方で、食費や水道光熱費、日用品の購入費などが増加傾向にあります。 これらの費用がかさむのは仕方ないとして、例えば子どもがいるとつい買いすぎてしまうお菓子を減らすなど、家庭の状況や価値観に合わせて見直してみましょう。

ただし、変動費の削減効果はそれほど大きくなく、しかも削減し続けるのは困難です。 本格的に支出を抑えるためには固定費の見直しも必要です。この機会に電力会社・ガス会社の切り替えや、通信費のプラン変更などを検討してみるのもひとつの手段です。 また、住宅ローンの返済が滞ってしまうと延滞の履歴が個人信用情報照会機関に記録され、さらに一定期間以上続くと事故情報(いわゆるブラックリスト)として登録されてしまいます。住宅ローンの返済が厳しい場合には早めに金融機関に相談しましょう。

カードローンとの付き合い方

それでも一時的に家計がひっ迫してしまう場合には、借り入れも検討しましょう。 カードローンは担保不要、保証人不要で審査はスピーディ、資金使途は原則自由で、契約時に設定された利用限度額の範囲内であれば繰り返し借り入れることが可能です。 ただし金利は高めなので、少額を短期間借りたいときに適しています。 固定費の見直しの効果が出るまで、学校が再開されて再度出勤できるようになるまで、というように返済のめどを立てた上で利用することがポイントです。

新型コロナウイルスの感染状況は収束が見えず、収入が元の水準に戻るには時間がかかることも考えられますし、ボーナスも減額される可能性があります。 カードローンからの借り入れが常態化してしまわないように気を付けて、計画的に利用しましょう。

【参考リンク】

私が書きました

宮野 真弓 (みやの まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。

※執筆日:2020年03月30日