第780回
ヤミ金被害は拡大中!?「090金融」にご注意を
- ヤミ金被害はドラマの中だけかと思っていたら、増えていると聞きました。本当でしょうか?(Eさん 会社員、35歳)
- 警視庁によるとヤミ金融犯罪が増えています。違法な高金利での貸し付けを行い、違法な取り立てなどもあるようです。何かの事情で借り入れざるを得ない時でも、絶対に手を出さないようにしましょう。
闇金被害は増えている
ヤミ金というと、浮かんでくるのはテレビドラマや映画に出てくるこんなシーンでしょうか。 お金に困った人がヤミ金会社の事務所を訪れ、「10日で5割」などという違法な超高金利を承知でお金を借り、給料日になると事務所のスタッフが、職場へ取り立てにいく。 払いきれなくなった人の中には、いろいろな過酷な仕事を強いられる等の演出もあります。
あのような世界はテレビドラマや映画の中だけの話では?などと思っていたら、ヤミ金被害自体は増えているようです。 警視庁の「平成29年警察白書」より作成したヤミ金融事犯等の事犯別検挙状況の推移を見てみましょう(図表)。 青が「無登録事犯」と「高金利事犯」で、赤は「ヤミ金融関連事犯」が該当します。
ヤミ金融事犯等の事犯別検挙状況の推移(平成24~28年)
(警察庁「平成29年警察白書」より作成)
それぞれの内容は次の通りです。
無登録事犯
無登録業者が違法で貸金業を行うこと。貸金業法違反になります。高金利事犯
利息制限法の上限金利は貸付額に応じて15~20%となっています。 この上限を超える高金利での貸し出しは犯罪です。出資法違反になります。元本 | 金利 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
~100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
ヤミ金融関連事犯
ヤミ金融事犯は、詐欺のほか、他人名義の携帯電話や預貯金口座を利用するなども少なくないことから、被害防止のため、 貸金業に関連にした「犯罪収益移転防止法違反」(キャッシュカードや銀行口座、暗証番号を第三者に販売する犯罪)、 「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律違反」等も計上されています。図を見ると、平成24~28年の間はヤミ金融事犯等の件数が右肩上がりに増えているのがわかります。
「090金融」にご注意を!
本来、正式な貸金業者は固定電話を登録し、広告にも固定電話の番号を載せなくてはなりません。 しかし、ヤミ金は「090金融」とも呼ばれるように、連絡先は主に携帯電話の番号です。 つまり、広告等の連絡先に携帯電話の番号が載っていたら、そもそもヤミ金業者とみるべきです。
ときにはスポーツ新聞などに広告が掲載されていることもありますが、よくあるのは、電柱や公衆電話などにチラシが貼ってあったり、マンションのポストなどにチラシが投かんされているケースです。 そもそも電柱や公衆電話にチラシを貼るのも違法です。 しかも、有名企業や有名銀行の関連会社であるように錯誤させる社名を名乗っていたり、当初は金利もさほど高くなく提示するケースもあるそうです。
何かの事情でお金を借りないといけなくなった時には、まずは付き合いのある金融機関や大手の金融機関に相談しましょう。 困っているからと言って違法なヤミ金などには走らないことが大事です。
一方で、巧妙な手口で知らず知らずのうちにヤミ金に巻き込まれてしまった場合には、気づいた時点で警察に相談するなど行動を起こしましょう。